藤澤ノブユキ

物書きの未熟者です。

藤澤ノブユキ

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最近の記事

紙の音と毎日 #1

世界の真理を、今朝の朝刊の片隅に殴り書きで書かれているのを発見した 新聞社に問い合わせし、書いた記者を出して欲しいと要望したが 書いた人間は愚か、そんな殴り書きは他のには書かれていない、とのことだった 謎は謎のままに とりあえず書かれてた部分だけを切り取って 机の前の壁に貼り付けておく 答えは思いがけないところから これが本日の教訓

    • 「幼心」

      窓の外、眺めてみたら 大きな人の顔が、僕をジッと見ていた 眠たげな目 僅かなクマが目を惹く、見覚えのある目 あれはそうだ 五歳の僕 笑っている 嗤っているのかも知れない 悔し紛れに僕は窓に向かって言葉を投げた 割れる窓と共に 彼は消えた そして気づけば 僕が彼になっていた  身体が縮んでしまったようだ 心も小さくなった いや それは元からか

      • ある夜

        俺はその夜、途方に暮れていた。場所は自宅のリビング。ソファに座りながら、木っ端みじんに、はじけたように壊れた窓を睨んでた。  正確には、窓自体の事はそこまで気にはとめていなかった。床に転がるのは、ピエロ姿の男。右手に包丁、左手には時計。どちらにも血痕があり、彼の胸元は赤く染め上げられている。  ほんの数分前のことだ。寝支度を済ませ、寝室の扉を開けようとした。だが、ふと窓の外から聞こえる怒声が気になり、何とはなしに窓の方を見つめた。二人の男の声。因縁をつけ合った末の乱闘なのかは