七海凪@恋愛妄想小説を書く人

ななみ なぎ【想いが溢れたその瞬間を切り取りたい】お題は『140文字で書くお題ったー』…

七海凪@恋愛妄想小説を書く人

ななみ なぎ【想いが溢れたその瞬間を切り取りたい】お題は『140文字で書くお題ったー』から|基本甘めか激甘、時々実体験|現実世界では2匹の愛猫に翻弄される日々|フォロー大歓迎

記事一覧

『好きなのにね』

隣の女子社員はあまり喋らないタイプだから、 気を遣って話し掛けたりする。 俺の案件担当してるから、風通しはよくしておきたいし。 こういう場合は普通に話せるけど、あ…

『最近の発作です』

会社の飲み会が長引き、 自宅の最寄り駅に着いたのは0時を回っていた。 少しばかり飲み過ぎた。 酔い覚ましに夜風がちょうど心地良い。 「気をつけて」 別れ際、あの人は…

『なんて言ったの?』

彼の予定表が外出になっていた。 昨日はたしか社内にいる予定だったはず。 「今日外出ですか?」 念のため確認するとパソコンの横から顔を出して 「急遽、外出になりまし…

『隣との距離』

「どうぞ」 お菓子の箱を手に彼がやって来た。 箱の中身はたくさんのクッキー。 出張のお土産らしい。 どれにしようか悩んでいると、 「ほら、早くしてー」 わざとらしく…

『もう一度、恋をしよう』

初めて2人で訪れた海は夕焼け時だった。 どうしても海がみたいという君に、 予定を変更して辿り着いた。 水平線の向こうに沈む太陽。 水面にオレンジ色がきらめく海を見て…

『自惚れないで』

隣の女子社員と楽しそうに話しているあなた。 仕事の話なら仕方ないけど、雑談なのが気に食わない。 いつもなら何とも思わないけど、今の私たちは喧嘩中。 些細な意見の食…

『香水』

ワイシャツを脱ぐと、 ふっとシトラスの香りが鼻を掠めた。  これは彼女の香水の香りだ。 今日初めて2人きりで飲みに行った。 帰り際、 やっと想いを告げた俺にはにかみ…

『吊り橋効果』

気がつけば23時。 明日の会議のための資料を倉庫で探していると、 エレベーターの開く音が響いた。 今、社内には私と彼しかいないはず。 瞬間恐怖が湧き上がる。 「ちょ…

『たった二人の世界』

「わあ」 漆黒の様な夜空を見上げると、 宝石が散りばめられたように たくさんの星々が煌めいていた。 「ここに来れてよかった」 車を停めに行ってた彼が私の横に肩を並…

『最後の言葉』

今日もあなたに会えた。 今日もあなたと話すことができた。 ほんの些細なことだけど、 私にとっては嬉しくてしあわせそのものなんだ。 ふと、あなたと私の想いが触れ合っ…

『ひねくれた告白』

コントロールされるのは嫌いだ。 私の気持ちは私が決めるし、いつでも自由でいたい。 なのに、あなたの前だとそれができなくなる。 私以外の女の子と楽しそうに話している…

『正直に申し上げます』

廊下ですれ違ったあの時、書類を落としたでしょう。 「あ」と小さく叫んだ君が、 しゃがんで書類を拾おうとした瞬間、 俺もしゃがんで書類に手を伸ばした。  重なる2人…

『夢だけの世界』

休日の朝が晴れてるというだけで、ウキウキする。 もし今、ここにあなたがいたらどうだろう。 洗濯機を回している間、コーヒーを淹れよう。 彼を起こしに寝室を覗くと、 …

『痛い』

あなたは誰にでも優しく振る舞う。 そして誰にでも優しく微笑む。 そんなあなたに私は優しくできなくて、 頼まれていた書類を 目線を合わさず黙って渡してしまった。 「…

『逃げるものは追うしかない』

目が合った瞬間、明後日の方向を向くあなた。 以前なら笑って目線を返してくれたのに。 この間2人きりで残業していた時、 思わず告白してしまった。 缶コーヒーを飲みな…

『幸せになってよ』

フロアのドアが開いた瞬間、 君の身体がピクリと反応した。 入ってきたのはうちのチームリーダー。君の上司。 隣にいる同じチームの部下と朗らかな顔で 会話しているのを…

『好きなのにね』

『好きなのにね』

隣の女子社員はあまり喋らないタイプだから、
気を遣って話し掛けたりする。
俺の案件担当してるから、風通しはよくしておきたいし。

こういう場合は普通に話せるけど、あの子にはできない。
ただでさえ緊張するのに、
あの子目をじっと見つめてくるし。

本当は嬉しいのに、今日も目を逸らしてしまうんだ。

『最近の発作です』

『最近の発作です』

会社の飲み会が長引き、
自宅の最寄り駅に着いたのは0時を回っていた。
少しばかり飲み過ぎた。
酔い覚ましに夜風がちょうど心地良い。

「気をつけて」

別れ際、あの人はそう言って微笑んだ。
あの時の声と笑顔を思い出すと、
たまらない気持ちになる。

「会いたいな…」
夜空を見上げて、祈るように呟いた。

『なんて言ったの?』

『なんて言ったの?』

彼の予定表が外出になっていた。
昨日はたしか社内にいる予定だったはず。

「今日外出ですか?」
念のため確認するとパソコンの横から顔を出して
「急遽、外出になりましてね」と答えた。

思わず「そうなんですね」と暗いトーンで返したら、

「寂しい以外ありますか?」

瞬間、俯いた顔を上げて彼を見つめた。

『隣との距離』

『隣との距離』

「どうぞ」
お菓子の箱を手に彼がやって来た。
箱の中身はたくさんのクッキー。
出張のお土産らしい。

どれにしようか悩んでいると、
「ほら、早くしてー」
わざとらしく重そうなフリをして、
体を寄せて箱を私の腕に押し付けてきた。

一瞬縮まった距離に動揺して、
食べたかったクッキーを選び損ねた。

『もう一度、恋をしよう』

『もう一度、恋をしよう』

初めて2人で訪れた海は夕焼け時だった。
どうしても海がみたいという君に、
予定を変更して辿り着いた。

水平線の向こうに沈む太陽。
水面にオレンジ色がきらめく海を見てはしゃぐ君は、
まるで子どものようだった。

また君の屈託の無い笑顔が見たい。
だからあの海に行こう。

そして想いを取り戻したい。

『自惚れないで』

『自惚れないで』

隣の女子社員と楽しそうに話しているあなた。
仕事の話なら仕方ないけど、雑談なのが気に食わない。

いつもなら何とも思わないけど、今の私たちは喧嘩中。
些細な意見の食い違いからの冷戦状態。

そんな私をほっといていいの。
好きだから大丈夫なんて油断してない?

やっぱり今日も口聞いてあげない。

『香水』

『香水』

ワイシャツを脱ぐと、
ふっとシトラスの香りが鼻を掠めた。 
これは彼女の香水の香りだ。

今日初めて2人きりで飲みに行った。
帰り際、
やっと想いを告げた俺にはにかみながら
うなづいた彼女がたまらなく愛しくて、
思わず抱きしめた。

シトラスの香りが、
あの時両手に感じた彼女の熱を思い出させた。

『吊り橋効果』

『吊り橋効果』

気がつけば23時。
明日の会議のための資料を倉庫で探していると、
エレベーターの開く音が響いた。

今、社内には私と彼しかいないはず。
瞬間恐怖が湧き上がる。

「ちょっと見てくる」と
私の肩を抱く手に心臓が波打った。

違う。彼のせいじゃない。

否定する思いとは裏腹にますます鼓動は高鳴っていった。

『たった二人の世界』

『たった二人の世界』

「わあ」
漆黒の様な夜空を見上げると、
宝石が散りばめられたように
たくさんの星々が煌めいていた。

「ここに来れてよかった」
車を停めに行ってた彼が私の横に肩を並べて手を握った。

誰もいない山頂だから味わえる非日常。

まるで世界から切り離されたような静けさに
安堵しながら、彼の手を握り返した。

『最後の言葉』

『最後の言葉』

今日もあなたに会えた。
今日もあなたと話すことができた。

ほんの些細なことだけど、
私にとっては嬉しくてしあわせそのものなんだ。

ふと、あなたと私の想いが触れ合って、
思わず気持ちを伝えたくなる時があるけど、
好きという言葉は言わない。

それはあなたから言ってほしいから。
だから絶対に言わない。

『ひねくれた告白』

『ひねくれた告白』

コントロールされるのは嫌いだ。
私の気持ちは私が決めるし、いつでも自由でいたい。

なのに、あなたの前だとそれができなくなる。
私以外の女の子と楽しそうに話しているだけで、
心が掻き乱されてしまうの。

だから、あなたなんか嫌い。
私の心をたやすくコントロールできてしまう
あなたのことなんて。

『正直に申し上げます』

『正直に申し上げます』

廊下ですれ違ったあの時、書類を落としたでしょう。

「あ」と小さく叫んだ君が、
しゃがんで書類を拾おうとした瞬間、
俺もしゃがんで書類に手を伸ばした。 

重なる2人の手。

初めて触れた君の手は華奢で柔らかくて。
顔に出さないように必死だったけど、
本当は触れられた事が嬉しくて仕方なかったんだ。

『夢だけの世界』

『夢だけの世界』

休日の朝が晴れてるというだけで、ウキウキする。
もし今、ここにあなたがいたらどうだろう。

洗濯機を回している間、コーヒーを淹れよう。
彼を起こしに寝室を覗くと、
すでに着替えを済ませた彼に抱き寄せられる。

「あ、コーヒーのいい香り」
淹れたてのコーヒー片手に
ソファで穏やかな朝を過ごすのだ。

『痛い』

『痛い』

あなたは誰にでも優しく振る舞う。
そして誰にでも優しく微笑む。

そんなあなたに私は優しくできなくて、
頼まれていた書類を
目線を合わさず黙って渡してしまった。

「ありがとう」
お礼を言うあなたが不思議そうに見つめる。

その視線を振り切って
堂々とその場から立ち去ったのに、
心が痛くて仕方がない。

『逃げるものは追うしかない』

『逃げるものは追うしかない』

目が合った瞬間、明後日の方向を向くあなた。
以前なら笑って目線を返してくれたのに。

この間2人きりで残業していた時、
思わず告白してしまった。

缶コーヒーを飲みながら
「今、付き合ってるやついるの?」
なんて能天気に聞くあなたが悪い。

しかも逃げるなんていい度胸。
今日こそ捕まえるから覚悟して。

『幸せになってよ』

『幸せになってよ』

フロアのドアが開いた瞬間、
君の身体がピクリと反応した。

入ってきたのはうちのチームリーダー。君の上司。
隣にいる同じチームの部下と朗らかな顔で
会話しているのを君は嬉しそうに見ていた。

気付いていたよ。
いつも彼を見ているのを。

君が彼を好きでも構わない。
君がしあわせであればそれでいい。