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出戻り小学生

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根っからの学校嫌いが大人になって、まさかの学校で働くことに…。 現場における謎と不思議、笑いと感動に溢れた日々の記録。 今でも、戻れるのなら戻りたい…。
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#児童

2年生が熱い! ②

 また別の日、別のクラス。図書係の女子二人が良いコンビ。
 片や生真面目なクールビューティー。あまり感情表現しないので、大人しいのかと思っていたが、見た目とは裏腹にちょっと抜けている。誤字脱字も多い。しかし今年図書係になって、眠っていた才能を発揮しだした。言うことがいちいち凄い。前に立って、他の児童の良くないところを容赦なく正す。しかも、誰かの受け売りではなく、自分の言葉で。ピシャリと音がするよう

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学童を辞めた理由 ②

 書庫の片付けは蓄積されたゴミと埃との戦いでもあった。イベントで使ったのであろう製作物が、修理もされないままぼろぼろの状態であちこちに積み重なっている。いつか何かに使えるかも…と、捨てずにとっておいて行方さえ分からなくなったのであろう数々の空き箱や本の帯、装備本に挟まれてあったのであろうブックカバーの切れ端や広告類。見失えば何の意味もないのに、片付かない部屋がこういった物の積み重ねから生まれること

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学童を辞めた理由 ①

 就業時間を削られ、給料も減らされて、仕事は山のようにあるのに残業してもジレンマで気が狂いそうになるだけなので、努力して定時に帰ろうとしている。しかし大体は難しい。気付けば30分以上過ぎていた…なんてことは日常茶飯事で、自分に腹が立ってイライラ。それでも仕事が終わらずイライラ。結局何に苛立っているのかさえわからなくなってくる。
 嘗て世を騒がせたある事件をきっかけに、放課後、学校の運動場が遊び場と

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会議に出る ②

 事前にうるさく言ったせいか、今回の議長は議題をまとめた資料と会議の段取りを示したレジュメを、何度も改訂を重ねては、データとして送って寄越した。しかし最近の常で、直前になって問題がいくつも勃発。議題が膨らみ、到底時間内には終わらないであろう予測がつくことになる。
 会議は大体、ゲスト案件から処理されていくため、先ず市教委の担当主事との意見交換から始まるのだが、今回はしょっぱなから冷めてしまった。

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ありとあらゆる境目に

 新年度が始まって、毎年何人かがやって来る。100%女の子で、100%高学年だ。
「友達が出来ない。」
「誰と仲良くしたら良いのかわからない。」
 今年やって来た子たちは、ストレートだった。
 学校の規模が大きいと、毎年クラス替えが行われる。クラス数が多ければ多いほど、小学校6年間で、一度も話したことがないとか、同じクラスにさえなったことがない…などという話もよく聞く。
 自身が小規模校の出身で、

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