【チェーンオペレーションのタネ】宿題をやらない子供と、店舗の『実行力向上』
こんにちは。ハンクラ事務局です。
この記事では、チェーンオペレーションを実行されている企業において、売上や利益の最大化に日々尽力されている皆さまにむけてお役立ち情報をお届けしています。
「あんた!もう宿題やったの!?ゲームはその後でしょ!」
おかんにキレられた経験、皆様の記憶にもございますでしょうか。
筆者にはあります。
「今やろうと思ってたのに!あーあ、もうやる気失せたわ」
なんてこと言うと、世の中にはゲーム機を破壊されるようなご家庭もあるようで以前ネットを賑わせたりもしましたが、今回お伝えしたいのはまさに、『如何にして子供に宿題をやらせるか』です。
前回に引き続き「チェーンオペレーションのタネ」と題し、筆者の前職(チェーンストア企業の中の人)の経験も踏まえ、お話していきます。
実行力向上とは
言われるとやる気が無くなるこのような心理現象を「ブーメラン効果」と言います。
よく例に挙げられるのが「北風と太陽」の北風でして、一所懸命に働きかけるほど、その真逆の行動に導いてしまうというものです。
「やりなさい!」と言うだけでやってくれるなら苦労はしません。工夫が必要です。
まず、具体的な話に入る前に、前提を揃えておきましょう。
前回の記事でお伝えしたように、施策の精度をいくら上げても、実行力が低ければ成果はついてきません。
もっと言うと、100%実行されていないと施策の精度を正確に計れず、成果を出し続ける仕組みは構築できません。
いくら良い宿題を課したとて、手を付けないまま9月1日を迎えてしまえば意味はありませんし、当然テストで良い点は取れません。
そして、宿題をみんながちゃんとやった上で、テストの点数を見てみないと、その宿題の良し悪しは判断できません。
つまり、『実行力向上』とは、『施策の精度を語る上で、100%実行されていることが大前提となるように頑張ろう』と換言することができます。
とにかく課された宿題をやってみないことには話は始まらないのです。
実行力向上のために
実行力向上のため、やるべきことを整理しましょう。
指示の実行がされなかったとき、エリアマネージャーが「私は店長に言ったんですがね…」と弁解し、店長のレベルの低さに論点をずらすような光景、皆様も心当たりあるのではないでしょうか。
「なぜできていなかったのか」「どうやってできるようにするのか」について議論したいのに、伝書鳩としての役割を全うし満足しているかのごとく主張し、結果として自らの価値を下げてしまうのです。
エリアマネージャーの仕事は単なる伝書鳩ではありません。
その意識から変革しないといけないのはもちろん、ではその先になにがあるかというと、「動機づけ」と「品質管理」があるわけです。
これらを更に細分化すると
となります。
たとえ役職としてエリアマネージャー等を設けていない企業でも、店舗を運営管理する上で誰かしらが担うべき役割です。
それぞれを解説していきましょう。
①伝達
伝える、と書きましたが、結局は伝えたい内容や意図が相手に届いているかどうかで、主語は受け取り手にあります。
煩雑な指示系統や、要領を得ない指示では伝わりません。
◯◯先生は口頭で、✕✕先生はプリントで、◆◆先生はメールで宿題を伝える。
生徒は情報を管理することで精一杯です。
指示系統を配布プリントに一元化するだけで、実行される確率は大幅に向上します。
②動機づけ
伝えただけで完璧にやってくれるなら苦労しません。
これは実行させる上で一番重要、かつ一番見逃されやすいポイントです。
端的に言えば、やる気にさせるということで、すなわち相手の感情をどう動かし行動を促すか、です。
北風ではなく、太陽にならないといけません。
子供たちはみんな、宿題をやらないといけないことは理解しています。
それはやらないと怒られるからだったり、周りと違う行動をすることへの不安だったり、理由は様々ですが、人生においてこの宿題が、もっと言えば勉強がなぜ重要なのか、その全体像を捉えている子はそう多くないでしょう。
全体像や背景、目的を伝え、その上でなぜ今あなたがそれをやらないといけないのか腹落ちさせることで動機づけをすることができます。
なぜ◯◯という会社の方針が策定されたのか、それに則ってなぜ今この施策が打たれたのか、そしてこの店舗は会社全体の中でどのような役割をもって実行しなければならないのか。
人は「理解」しても行動に移しません。
なぜなら「感情」の生き物だからです。
つまり、どうにかして「動機づけ」をしないと店舗の実行力は向上しないのです。
③品質管理
実行させるために動機づけが一番重要なら、実行力を向上させるために一番重要なのが品質管理です。
宿題を確認し、◯✕をつけ、赤ペンを入れる。
すなわち、成果物を可視化し、採点し、改善を促す。
でないと、たとえ伝達から動機づけまでをどれだけ丁寧にやったとしても、結局は投げっぱなしで、今その店舗が、またはこの会社がどのような状況にあるのかすら、何も見えてきません。
子供の宿題やテストが採点されなければどうなるでしょうか。
数学は得意だとか、社会は苦手だとか、でも近代史は得意だとか、現状把握がなければどこに注力して勉強すべきか何もわかりませんよね。
採点されなければ、ただ課されたタスクを消化して、あとはゲームをするのみ。
◯✕がわからなければ、当然学力がつくこともなく、宿題はこなしているのに、なぜかゲームの腕前だけが成長していきます。
こうなると宿題はもはやただの時間の浪費に過ぎません。
ゲームには trial-and-error があります。
キャラが死んでしまったり、勝ち負けが判定されたり、スコアが出たり、様々な形で採点され、試行錯誤を繰り返すことで成長を実感できます。
つまり、100点満点中◯◯点だよ、と採点されないと改善ができない=実行力の向上は成し得ないのです。
まとめ
如何に『正確に、早く』再現するか、が実行力の正体であり、そして実行力の向上は『やるべきことをわかりやすく伝達し、動機づけをし、品質管理をする』ことに集約されます。
前回の記事で、商品企画と店舗運営は、設計と施工の関係にあると説明しました。
『施工管理』がその重大な任務を果たしてこそ、企業は成長していきます。
冒頭の問いは、こうしてひとつの解を得ました。
さて、その解を実行するかどうか。
これは親の宿題ではないでしょうか。
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