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何度でも読み返したいnote2

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。こちらの2も記事が100本集まったので、3を作りました。
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#コラム

俺が真也で真也が俺で

夫が真也に理解を示している。 それも、とびきり深い理解と同情をだ。 我々夫婦が、そろってAmazonプライムのバチェラージャパンを楽しんでいることは、既に何度かお伝えした。 参考記事① 参考記事② ←最近ようやくリンクを付けられるようになったから多用 バチェラーとは、たった一人の完璧な男性を複数人の女性たちが奪い合う恋愛リアリティショーである。 シーズン4から視聴をスタートさせ、その後シーズン1、2と順調に視聴を重ね、このほどついにシーズン3を完走した。完全制覇である。

役に立たないものが好きだという貴族的嗜好が私を救う

役に立たないものが好きである。 役に立たないものが好きであるという貴族的嗜好は、言い換えればこの世を逞しく生き抜いていくことにはあまり適していないということでもある。 小さい頃から現在まで、読書がほぼ唯一の趣味であるが、本を読むことで何かの役に立ててやろうという気は毛頭ない。 誤解を恐れずに言うなら、そういう考えはちょっと浅ましい気がする。 時間とお金をかけてせっかく読んだのだから、直接的に何かの役に立てたい、という姿勢はなんだか貧乏くさい気がするのだ。 時間とお金をかけ

【エッセイ】免許センターで誕生日会をすればいい

少し前に、免許更新のため江東区の免許センターに行きました。 大学生のとき免許を取ってから更新は3回目。でも免許センターのあの雰囲気、どうも好きになれなくて。 普段交わらない領域の人たちが、境界を超えて集まってきて、自由に出ていくこともできずに滞留してる感じ。ずもずもする。 そこにいる人たちがあまりにも読めなくて落ち着かないんです。鼻をすすっただけで怒り狂う人がいるかもしれない。急に大声で電話し出す人がいるかもしれない。長く待たされているという状況もあって、どんより濁ったよ

女子高生の私が同級生と学生結婚した話

数学や英語、古典といった勉強が大嫌いな私にとって、副教科は学校生活において最高の気分転換だった。 そもそも副教科のほとんどは美術で占められていた為、3年生にしてようやく始まった家庭科の授業はクラス中が楽しみにしていた。 家庭科の先生は笑顔のかわいい温和な女性で、私は彼女のことをすぐ好きになった。 家庭科室に集められた私たちに先生は言った。 「今からみなさんには結婚をしてもらいます」 皆が口を開けぽかんとしている様子を楽しみながら彼女は続けた。 「クラスでこの人となら

モテたい女はお笑いを勉強するべし

全国200万人の婚活女子の皆さんこんばんわ。 全日本モテ研究会・会長の夏木です。 一応言っておきますけど、私が書いている肩書の99%はジョークですからね。 本気にして検索しても出てきませんからね。 さて不定期にやってくる「アラフォー婚活女子の尻を引っ叩くシリーズ」です。 まあこれも今考えたんですけどね。 今回のお題は「モテるには笑いが必要」です。 「モテ」とは何か早速哲学的な見出し付けちゃって失敗したなと思ってますが気にせず進めましょう。 「異性など」という部分が引

頬にチークを差す、あの高揚を忘れない

ワクチン3回目を打ってから、憑き物が落ちたように、コロナ不安が鎮まった一方、闇落ちの副作用に苦しんだ1週間。 それに加えて、身近な人が栄転したり、コーポレートサイトに元同僚が抜擢されたり。 素直に喜べない自分って、逆に惨めだから、喜んじゃいたいのに、喜べない。 今のわたし、何やってんだろうって、悶々と塞ぎ込んでた。美味しいもの食べよう、でも、食べて何になる?新しい服を買おう、でも、買って何になる?温泉に行こう、でも、行って何になる? ずっと、そんな思考の堂々巡りで、何

無印良品の品質を疑った話

「乳液が欲しいんよね」 無印良品に来るなり、棚に並んだ白いボトルたちをしげしげと眺めながら友達が言った。 「もうすぐ夏だからさっぱりがいいな」 無印良品のスキンケアは使い心地によって名称が違う。さっぱり、しっとり、高保湿。自分の好みの質感によって選べるようになっている。 真剣に悩む彼女の姿に飽きてきた私はふと思った。もしかしたらこのさっぱりも「(商品開発部のスタッフ的には)さっぱり」なだけで、友人にとってはしっとりかも知れない。こんな名称に踊らされる事なく、真に自分の肌

沖縄で子を産む

おそらく来月末あたり、人生ではじめて子どもを産む。 予定日は6月2日らしいけれど、今年のおみくじに「待ち人、早く来る」と書いてあったので、5月末ごろに産まれるんじゃないかなぁと思っている。 ーなんて書きながら、あらためて自分の人生にびっくりする。まさか私が、沖縄で子どもを産むことになるとは。 私は香川県出身で、大阪と東京に住んだことがある。沖縄に住むことは沖縄に住む2週間前くらいに決めた。 住みはじめたころは「移住しよう」なんてまったく思っていなくて、むしろ1年くらい

串カツ田中でデートを楽しめたら、本気の恋だと思う。

試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 という有名なキャッチコピーがある。 尾形真理子さんがルミネの広告にあてたコピーである。試着室で服を試す時、「この服、あの人のタイプかな?」とか「この服を着てあの人と海に行きたいな」などと思い出す人は本当に好きな人だ、というような意味であろう。無意識にやってしまう行動からその奥に潜む感情を的確に言い当てたハッとするようなコピーだ。 このコピーがあまりにも好きで、「〇〇したら、本気の恋だと思う。」というコピーを考えるのに一時期ハマっ

フェイラーの凄まじき商魂。ついてけない奴は置いてくぞ!

以前別の記事でもご紹介した、私がコレクションしているお高級ハンカチ「フェイラー」の商魂が逞しすぎる。 ※もし良かったらこっちも読んでみてね⇩ 1枚2400円プラス消費税と、ハンカチ一枚にしてはなかなかに高価格なフェイラーの中心購買層はやはりお金に余裕があるマダムたちだ。 次に、これまた豊かなご家庭で育ったお嬢様たちもいらっしゃる。 お嬢様たちは、おばあちゃまやお母さまが日常的にフェイラーを使用していることから自身も自然とフェイラーの顧客となる。 加えて最近は普通の若い女

禍福はあざなえる縄のごとし

なんだか今週は、他人の会話盗聴を面白可笑しく書く気分じゃなく、タイトルの言葉をしみじみと噛み締めています。私にもそんな二枚目の夜があってもいいことでしょう――― 一から説明します。毎週土曜日、NHKで放送している「トットてれび」というドラマがたまらない。トットちゃん=黒柳徹子さんの目を通して、日本のテレビ草創期のエピソードが語られるこのドラマ、本当に隅から隅まで丁寧に描かれていて、毎週毎週、ド・ストライク過ぎて息が詰まりそう。特に先日は、「私がこの世で一番憧れる女性」と断言

誰も傷つけない言葉は誰にも届かない言葉

一億総SNS時代に突入したことで近年ネット上のトラブルが増え続けている。 何気ない投稿が炎上したり、あるいは悪意のある誹謗中傷を受けて心を痛め、自ら命を絶ってしまう人もいるほどだ。 ネットという相手の顔が見えない世界では、軽い気持ちで罵詈雑言を放ってしまう人も多い。 一方で、受け手の感情に配慮するあまり、正直な気持ちを発信しにくくなっている実態もある。 発信者としての心構えについて改めて考えてみた。 誰も傷つけない笑い2019年のM-1グランプリで決勝進出を果たし、審査

今からコーヒー飲んでいい?

「今からコーヒー飲んでいいい?」 日曜日の夜9時をまわる頃、私はリビングで息子とじゃれていた夫にそうお伺いを立てた。 モラハラ夫の顔色を伺いながら 「私みたいな人間がコーヒーのような嗜好品を楽しんでも構いませんでしょうか?」 そう許可を取ったという話ではないのでご安心を。 私は気づいたのだ。 金曜日夜からまるで私の休日を狙ったかのようなタイミングで酷い鼻風邪をひいた息子の看病に夫婦で明け暮れた週末。 日曜日のこの時間までコーヒー一杯すら飲む時間がなかったことに。 息子は

仕事のことなんかで泣いちゃだめだよ

職場に素敵な女性がいた。 当時私は20代中盤で、彼女はおそらく40代半ば。 隣の部署で旅行誌を担当してる、仕事のできる女性リーダーだった。 私が所属していた部署と違って彼女の部署は「旅行誌」を扱っているという性質上、常に九州各地を飛び回っており、職場で顔を合わせることは少なかった。 とはいえ、私が朝出社すると、既に彼女が席に座ってノートパソコンに向き合っていることもあったし、午後、キャリーバックを引いて出張先からそのまま会社に戻ってくることもある。 「ただいま戻りました~」