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何度でも読み返したいnote5

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。更新は終了しました(2024.6.10)。
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2023年7月の記事一覧

Floating Forever│あるがままを生きる

7th Jul.2023 note を ひらく。『 今日のあなたに 』から、知らない誰かの文章を読むたびに、顔も知らないその人が、とても素敵な 文章を書く人なのだと知る。 その数を考えたことがなかったけれど、note で 文章を書いている人は、どうやら たくさんいるらしい。なかには、きっと一度も出会うことがない人もいるだろう。 その 広大な海のなかで、文章を書くことで偶然出会うことができるとしたら。そして、この先も何度も出会うことができるとしたら。それは ちょっとした、

夜に爪を切る

「できれば、帰ってきてお父さんの顔を見ておいた方がいいよ」 梅雨入りの報せを各々のニュースが謳う時期だった。母からそんな連絡が届いたのは。 ちょうど2023年を迎える直前、父は医師からステージ4の癌宣告を受けた。帰省していた私に、「俺癌になったわ!」なんて明るい口調で、ふざけたように語る姿は昨日のことのように思い出せる。 それから1年半の間。何度か帰って見ても、今までと変わらぬ様子で仕事に励み、趣味のゴルフにも没頭し、禁忌なはずの酒まで浴びるように飲む姿は、私を完璧に油断さ

だれが興味あんねん。

私が常日頃、とてもささやかに、そしてものすごくどうでもいいことを「まあ誰も聞いてないやろから」くらい気持ちで呟くためにつかっていた青い鳥はいまちょっと様子がおかしいらしい、そしてそれはその会社の一番偉い人のお考えであるらしい。 遠い外国の、全く知らない人のきもちひとつで、私とどこか遠くにいる誰かとを繋いでいた細い糸が容赦なく断ち切られたり、もしくは楽しい広場だったところがなんだか見慣れない場所になっていくのを個人的には 「それ、どうなのですかね」 とは思うけど、それはこ

夜を、息子と歩いた。

長かったコロナ禍がようやく明けて、ぼちぼちと以前の日常生活を取り戻しつつある今日このごろ。 わが夫は、元来の陽キャっぷりをずいぶんと発揮するようになってきた。 学生時代の友人たちと飲みに行き、当時のバイト仲間がオープンした店を訪れ、上司とその家族を自宅に招き、今度は前職の友人たちとオクトーバーフェストに出かけるという。 日比谷のオクトーバーフェスト。ジュライだっつーのに、オクトーバーフェスト。初夏だっつーのにオクトーバーフェスト。どこのドイツだ、オクトーバーフェスト。 好き

サイゼリヤのミラノ風ドリア

 人は、他の人と関係を持ちながら生きているので、死ぬと、自分の意志と関係なく理不尽にその関係性が終わってしまう。  その、理不尽さや唐突さになんとか理由をつけて納得しようと思うのだが、理由をつけてもさみしいものはさみしい。  そしてそのさみしさはだんだん小さくなっていくように見えて、ある日唐突に、嵐のようにやってきてしまうのだ。  母が亡くなってしばらくして、ひとりでサイゼリヤに行った日に、恥ずかしいほどに泣いてしまった。  外食が好きな母は「サイゼリヤのミラノ風ドリアを食

noter飲み会的な夜

昨夜、一人でパソコンに向かってカタカタやっているとスマホが震えた。stand.fmのアプリから「おとうふさんと◯◯について思うことさんがライブ配信を開始しました」という通知だった。 おお、ライブ?と思ってリビングで寝落ちした妻を起こさないようにイヤホンをつけて聞いてみると、コメント欄にも見慣れたnote仲間がちらほら。 配信のお二人もコメント欄のみなさんもお酒を飲みながら参加していて、リアルタイムのやり取りが本当に集まって飲み会をやってるみたいな気分になって楽しかった。

『職業遍歴』30以上の職業を経験した氷河期世代の私が今思うこと

今の若い人は、「就職氷河期世代」という言葉を知らないそうです。知らない人のために念のために書くと、就職氷河期世代とは、バブル崩壊で経済的に不況となり、就職困難な時期に就職活動をせざるを得なかった世代で、現在40代後半の人がこれに当たります。 私がまさにその世代です。私は編集やライターを生業としていますが、正規の職業に就くことができず、現在も非正規で働き続けています。無職が続いたころ、ふとこれまで経験した仕事の数々を書き残しておこうと思い、『職業遍歴』というマガジンをはじめま

なすをおいしく食べる、とてもシンプルな14のレシピ

これからの季節、どんどんおいしくなっていく、なす。初夏は皮が柔らかく生食にも向き、お盆過ぎると味が深くなります。 レシピも無限にできますが、ここではなすだけでつくる、あるいは少しの肉や野菜を足して簡単においしく食べられるなすの基本レシピをまとめました。今夜どうしようと迷ったときにどうぞ。 1 展開無限!なすのそぼろ炒め なす、ひき肉、長ねぎとしょうがだけ。シンプルだけど大人にも子供にも好かれる味で、ごはんもすすむボリュームたっぷりの一皿です。このレシピはいわば骨組み。これ

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天国にいったおじいちゃんと最期の言葉。

隣のおじいちゃんが亡くなった。 88歳だった。 緑がいっぱいのこの場所に私たちが家を建ててもうすぐ5年。 5年前はとてもお元気で 草刈りも野菜作りも毎日されていて 越してきたばかりの私たちに育てたピーマンをコンテナいっぱいくれた。 おじいちゃんはあまり多くは喋らなかった。 耳が遠いこともあってか、私が話しかけるといつもニコニコ頷くことが多かった。 やんちゃ盛りの息子たちがおじいちゃんちの家の塀を登っても 何も言わずニコニコ見守ってくれた。 越してきてしばらくして、