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クリエイティブディレクター / アートディレクターの方とのオンライン授業 No.53

こんにちは、飯能高校 探究部顧問のMr.Mです。

飯能高校 探究部は6月に計3回、オンライン授業を社会人の方と実施しました。

前回は株式会社ユーグレナの北見さんとのオンライン授業について書きました。

今回は某大手IT企業のクリエイティブディレクター / アートディレクターの Sさん に登壇していただきました。

プライベートな時間でのご厚意による登壇だったので、写真や固有名詞を控える形でnote記事にしたいと思います。

Sさんのキャリア

Sさんのキャリアは高校生がイメージする「進路」とはおそらく全く違うものでした。

<Sさんのキャリア>
大きなものに巻かれるのが嫌いで就職活動を一切しなかった。
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 大学卒業後に社会に放り出される 。
なんとか入った1社目(派遣社員)、朝起きれなくて3日で辞める。
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日給がもらえるスタイリストのアシスタントをしてその日暮らしの生活。 ↓↓↓
不安定な日雇い労働に飽きたので、 時給800円の音楽雑誌社にアルバイトで入社。
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学生のような夏休みが欲しくなって2年で退職。
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「表参道で働きたい」という夢を叶えるべく、自分が好きだったファッションメディアに入社、弟子入り成功。
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アートディレクターの先輩が交通事故で負傷しフェードアウト。 自分が社員になり、アートディレクターとなる。
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副業で現在ではかなり有名なファッションブランドのウェブサイトの運営にも携わる。
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一緒に会社を辞めようと話していた同僚が先に転職活動。
現在勤務するIT企業を勧められ、自分も試験を受けたらトントン拍子で最終面接。
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無事に選考通過。現在に至る。

という、とにかく紆余曲折なキャリアです。ただ、それが果たして遠回りだったのか近道だったのかは知る由もありません。

軽妙な語り口で自身のキャリアについて語ってくれた Sさん。探究部の生徒が「こんなに簡単にあの会社入れるんだ」と誤解する可能性もあるぐらい。

簡単に入れるわけがないこと、努力をした結果ということはちゃんと生徒に説明しておきました。

会社での仕事

Sさんの仕事はクリエイティブディレクター / アートディレクター

誰しもが見たことのあるような広告に携わっています。その裏側ではあと少しのところでボツになった仕事のお話もありました。

想像もつかないようなお金が動いている中で、最後の最後に自分の仕事が予想もつかない理由で却下されることもある世界。仕事の厳しい一面についても知ることができました。

一方で、自分の作品が公共の場で多くの人の目に触れたり、オンラインメディア上に掲載されたりするやりがいについても言及されていました。

広告とブランディングの事例

Sさんの専門分野である広告とブランディングの好事例についてのお話もありました。

まずはコカ・コーラ社。

そしてLEGO。

そしてそしてマクドナルド。

生徒たちが知っている会社の広告を取り上げてくださいました。

広告とブランディングの世界でも5W1Hについて考えることがとても大切とのことです。

Who 誰が誰に
When 実施期間
Where 実施場所
What 何を伝えるのか
Why 目的
How 手段/方法

クリエイティブは、何でできている?

よく聞くワード「クリエイティブ」。今回はクリエイティブディレクター / アートディレクターという立場でSさんが考えるクリエイティブの構造の話もありました。

まずは何を伝えたいのかを考える。
その次に、どう調理すると話題になるのかを考える。 この順番が逆だと、中身のないものが生まれる

商品の問題や社会の問題をクリエイティブで解決する。

 企業の人気が上がる(ブランディング) & 売り上げが上がる(マーケティング)。

バランスがすごく大切な仕事なんだろうなぁ。

Sさんが仕事を通じて感じたこと

Sさんが今までのキャリアの中で感じたことも教えてくれました。4つあります。

  1. 自分が好きなこと=強み。

  2. 「やりたいこと」というものはコロコロ変わる。

  3. 褒められたら伸びる。

  4. なんとかなる。

最後の「なんとかなる」というのが生徒にとってはすごく励ましになる言葉だったのではないでしょうか。

ややもすると悲観的に考えてしまうことが多いのも高校時代(大人もかな)。なんとかなるから自分の好きなこと思いっきりやろう!と思って実行できたらそれだけでいいのかもしれません。

教員という立場としては「褒められたら伸びる」という言葉がすごく響きました。私自身の日常生活を振り返ると、褒めることがあまりにも少ないことに気づきます。褒められる点があったら素直に言葉で伝えてあげよう。

Sさんが大切だと思うこと

  1. 言語化が求められる今だからこそ「なんか好き」を大切に。

  2. 正しいものばかりじゃない。疑うことからはじめよう。

  3. あなたは唯一無二の存在。自分を大好きでいよう。

  4. 自分が見たもの感じたものは経験/財産になる。

これら4つの点はすべて「そうだよなぁ」と思うことでした。
特に私が個人的に共感できたのが一番最初の、言語化が求められる今だからこそ「なんか好き」を大切に、という言葉。

アンケートなどですぐに言語化する場面は、教育現場においてたくさんあると思います。が、そこに書かれる言葉は場合によっては、書かないとまずいから繕って書いただけのものかもしれません。

もっと根源的な「言葉じゃ説明できないけれど、なんか好きだ!」というその感覚がものすごく大切な気が私もしています。

オススメの本

毎回オンライン授業に登壇してくださった講師の方にオススメの本を聞いています。

Sさんは「アイデアのつくり方」という本を紹介してくださいました。

部費で部員分購入したので、この夏の課題図書としたいと思います。

オンライン授業を終えて

Sさんの話を聞いていると結局のところ、忍耐力であったり、多角的な思考力であったり、対人コミュニケーションであったり、学校教育で重要とされていることがつまりは世の中に出ても非常に大切であることがわかります。

あとは学校教育にもっとクリエイティブな要素が入ってくるとバランスがよくなるんだろうなぁとも感じました。

そこはもしかすると総合的な探究の時間に求められている要素でもあるかもしれません。

Sさん、プライベートな時間を割いて飯能高校 探究部のためにオンライン授業していただきありがとうございました。

この場をお借りして御礼申し上げます。

それにしてもこのように広告について現役のディレクターからオンライン授業受けられるなんて、幸せなんだぞ探究部員。

探究部員の感想

・最初に会社を辞めたという話をしていて、楽観的な方だなと思ってたけれ 
 ど、その後の話を聞くとちゃんと努力をしていることがわかった。

・わかりやすい説明が多かったので聞きやすかったです。
 自分のこれまでの人生を楽しく教えてくれてわかりやすかったです。
 色々変化の多い生活をしているけど、楽しそうで自分がなるべく後悔しな 
 い生き方をしているのがすごいと思いました。
 しっかり努力をしていてすごいと思いました。
 自分の思っていることや大切にしていることがしっかりあって素敵なこと
 だと思いました。

・すごい方だと思った。世の中のことを疑い、自分の意見を述べられてい
 て、なおかつ手短に説明できることがすごいなと思った。
 さらに、昔のappleの「crazy ones」というCMを引き合いに出されたりし  ていて、世の中のことに広く目を向けているとも感じた。
 人に何かを説明・プレゼンするときに「こうしたらいい」といったことが 
 ミーティングの中でわかった。

・今日の話を聞いて、今後の人生に役に立つものを知りました。好きなもの
 は裏切らないとわかります。更に広告業界のことも知ることができまし
 た。
 マックのロゴにも意味がある事がわかりました。
 今日のミーティングの話を人生に役立てたいと本当に思いました。

・Sさんは、いろんなところで活躍している方だなと感じました。
 今日の話を聞き、学生のような夏休みなどが欲しくなって仕事を2年で退
 職したなど、とても面白い方だなとも感じました。
 当時、大好きなファッションメディアに、入社・弟子入り成功したと聞
 きすごいなぁと感じました。
 マクドナルドのマークについての話もおもしろかったです。マクドナルド
 のMマークを逆にしてWになっている広告がありましたが、その理由は、
 世界中の女性(Women)に敬意をあらわすためのものだったというのも
 興味深かったです。
 
・面白い方でした!
 今日学んだことは、好きなことは強みになる、なんか好きなことを大切
 に、自分を好きでいる、自分が見たもの感じたものは経験や財産になる、
 ということです。
 そして、なんとかなるということです!
 まだ自分が将来何をしたいのか分からないので焦らず、でもよく考えてい
 きたいです。







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