【総合的な学習の時間実践報告】活動を通して学ぶ、見方・考え方。
一週間の写真展が終わって、一息ついているJUNです!
ほっとしたと言っても、写真展を頑張ったのは子どもたちで、僕は子どもたちの様子を撮影していただけなのですがね。
何事も「終わり」があり、そこから「新しい活動」が生まれてくるのが、やはり「学び」というものですよね。
本記事では、一週間の写真展を終えた子どもたちの活動を通した振り返りから見えてきたことをまとめさせていただきます。
▶こだわりポイントの違い。
この一週間、写真展の準備→開催→片付け→動画を見ながら振り返り→改善というサイクルを繰り返したわけです。
①写真展初日。
初日に話題になったのは、
「予想以上の集客による密対策。」
でした。
お客さんが押し寄せたため、会場と出口が混雑したことが一番の改善点となりました。
この問題を子どもたちは、
・会場の混雑は、15人の人数制限を設ける。
・アンケートは、教室へ持ち帰って記入してもらい回収しに行く。
という改善方法を考え出し、実践することにしました。
②写真展2日目。
2日目に、話題になったことは、
「アンケート待ちの並びは解消されたが、入場制限による果てしない行列。」
が話題となりました。
密対策として設けた時間制限により、来場待ちの行列が廊下を埋め尽くしてしまったのです。
この問題を子どもたちは、
・入場制限を20人に緩和。
・写真展に3分の制限時間を設ける
・行列の導線明確化と行列整理という新しい役割の追加。
という改善方法を考え出しました。
③写真展3日目。
3日目にして、密集解消と写真展会場のバランスが取れ、子どもたちの動きもスムーズになってきました。
仕事に余裕がある子どもたちは、柔軟な判断をして列を整理する「案内係」にまわるという英断をしたことにより、ほとんどの問題点が解消されたように思いました。
しかし、3日目にして、
「人数へのこだわり。」
に対する子どもたちの考え方が少しずつ見えてきました。
「初日101人、二日目95人、三日目91人という人数減少。」
を指摘する声がちらほらと上がってきたのです。
④写真展4日目。
写真展に関する改善点は、ほとんど解消され、子どもたちも柔軟に動くことができるようになってきたことから、運営は大変スムーズに進みました。
途中、拍手が沸き起こり、理由を尋ねると、
「来客者数104人の新記録です!」
という報告でした。
単純にたくさんのお客さんが来てくれたことは嬉しいですよね。
その結果を受け、その後の反省会では、
「毎日来てくれたお客さんにプレゼントを渡したい。」
という意見が出されました。そこで、
「明日の最終日は、プレゼントが渡せるように『名前とクラスを聞こう』という流れになったのです。
⑤写真展最終日。
そして、迎えた最終日!
「受付係」の子どもたちは、名前を聞き取るためのノートをスタンバイして臨みました。
全体的な流れはスムーズなのですが、受付で名前を聞き取っているため、列が伸びて、過去最長に!!
来客者数は、87人となりました!
そして、振り返り。
やはり話題にのぼったのは、行列が長かったけれど「87人」という来客者数です。案内係の子どもたちは、並んでいる子どもたちの様子をよく観察していて、
「行列が長すぎると、『無理だ』と言って諦める人がいた。」
ということを報告してくれました。
子どもたちにとってみると、たくさんのお客さんが並んでいるのは1つの嬉しいポイントなのですが、あまり行列状態を長くつくってしまうのもよくないということを学ぶことできました。
▶人数に対する「見方・考え方」。
最後に話し合いの話題となったのは、「来場者数」です。
最終日の87人が、「少ない。」と感じて単純にショックだった子どもたちもいました。
やはり、「人数」という数字で具体的に表されるものにこだわりは強くなります。しかし、この人数に対して、
「僕は、87人も来てくれて良かった。だって、写真展の内容は変わっていないのに毎日来てくれた人もいて、それはすごいことだと思う。」
とか、
「お客さんの話を聞いていると、毎日楽しみに来てくれている人もいる。人数よりも、気に入ってもらえたことが嬉しい。」
という意見も出されました。
「僕たちに写真展には、ファンがいる!」
という事実は、子どもたちにとって大きな満足感と達成感を得ることにつながったのです!!
▶まとめ。
今回の活動で見えたことは、「人によって感じ方は多様である。」ということです。当然と言えば当然なのですが、
「共通の体験を話題として自分の見方・考え方を共有する。」
ということは、非常に価値があることだと改めて子どもたちから教えてもらいました。
捉えやすい「人数減少」にばかり囚われて、本質までたどり着けない見方をしてしまうことは、子どもたちのこれからの生き方にも少なからず影響を与えるはずです。
そんなときに、「人数以上の価値を提供している。」という新たな見方に触れることができた経験は、子どもたちの生き方に大して大変役立つことでしょう!
やはり、「総合」は素敵な学びを与えてくれると改めて感じました。
子どもたちの最後の振り返りには、「次の活動」への意欲がすでに記入されていました!
ここで止まるのではなく、活動を次へつなげていきたいと思います!
いただいたサポートは、地域の「居場所」へ寄付させていただきます!