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ヘアスタイルを変えたいと思うとき。 それは、自分を変えたいと願うとき。

いつからか、「キレイになりたい」なんて、大きな声で言えなくなってしまった。

誰かの何気ない一言や、すれ違った素敵な女性を見た時に、心に小さな傷が付く。もう戻れないと分かっているのに、むしろしみじみと分かってしまったからこそ、今が旬!という雰囲気の、若くて可愛い女の子を見かけると、泣きそうになる。

面の皮は厚くなるばかりなのに、心はかすり傷だらけの30代。

いつだって、人にどう見られているかを気にしてしまう。
そんなこと気にしないでいいのに、と口では言いながら。
凛とした理想のかっこいい大人に、私はいつになったらなれるのだろう。

一人で抱えきれない、山積みの問題の中で、美に関することだけでも、いや、むしろ、そこが解決すれば全てがうまくいきそうな気さえするからこそ、プロに頼れるなら、一切合切任せてしまいたい。

そんな中、自分の骨格に似合う髪型、肌や瞳の色に合う髪色を、データに基づいた客観的な診断をしてもらえるというサロンに出会った。
「似合う」と「理想や好み」は決して同じとは限らない。そもそも、憧れは無い物ねだりから生まれるもので、遠いところにある場合がほとんどだ。
だけど、その距離を近づけるために、具体的な提案をしてくれるのが、特別な講習を受けて訓練されたスタイリストさんだという。
これはまさに、私が求めていたものかもしれない。

「このままじゃダメだ」
そんな焦るような、捉えようのない不安が、決心に変わった。
鏡を見るたびに、過ぎた時間を感じて小さなため息をつく日々を変えたい。
「今」の自分を、好きになってあげたい。

誰かのためにキレイになりたかった時代を経て、今、私は自分のためにキレイになりたい。大きな声では言えないけれど、自分自身に言い聞かせた。

美容院に行く前の、浮き立つ心を今まで以上に感じている。
ヘアスタイルを変えるだけじゃない。
今の自分を変えるために。

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