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ポジウィルを使って転職した記録#9 自分の人生に自信を持つ

アオイです。今回は9回目の面談の記録です。私がPOSIWILL CAREERを通じてどのように考え方が変わっていったのか、トレーナーとどんな風に関わってきたかなど、自分の感情に焦点を当ててじっくり書いています。それではよろしくお願いいたします。

前回の話はこちらから↓

【POSIWILL CAREERゴール】
自分の中から自信が常に湧いてきて、他人の評価に左右されず、自分自身で物事を決断できる状態になる


【転職理由】
京都で一人暮らしがしたい、正社員になりたい

【転職活動の悩み】
・京都に移住したいので転職活動を始めたが、正社員経験が無いかつ、自分に自信が無くて不安で仕方がない
・自分の長所が分からない
・仕事で何がしたいのか分からない
・就活にトラウマを感じている
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【目標】
4ヶ月後に転職する

いよいよエントリー

前回の面談で、職務経歴書に書く自己PR等を一緒に考え、次の日の朝の通勤電車の中でそれらを完成させた。とても仕事が速い。昨日の今日で完成させるとは。自分のことながら行動力がすごいと思えた。そしてSlackの書類作成スレッドに投稿して、杉山さんに添削をしてもらった。いくつか修正点が出た。間違った解釈をされる可能性のある表現があったのだ。自分で書いたことは頭の中で自動的に補完できるが、他人は私の置かれている環境などはもちろん知らない。なので間違った解釈をされないように書く必要があり、誰かに添削してもらうのも必要である。


職務経歴書が完成したのでいよいよ応募をする。転職サイトにて、気になる企業の「エントリー」のボタンを押すと、自分の情報や職務経歴を入力する欄が出てきた。私は転職サイトを使ったことが無かったのでシステムを全然知らなかったが、この欄に書いた情報で面接をするかどうかの選考を行う企業が多かった。つまり、この時点で充実した詳しい情報を入れないと面接には進めない可能性が高い。Web書類選考だ。しかし、職務経歴の欄に何を入れたらいいのか……?杉山さんに聞こうとしたが、あいにくその日は休みであった。転職サイトの入力例文も見て、自分なりに考え、職務経歴書の業務内容と実績を分かりやすく書いたものを入れた。転職サイトでエントリーしたのも初めてなのに、自分は暗中模索で頑張っている。褒めるべき。褒めのハードルが低いかもしれないが、それでも褒めるべきことだ。
暗中模索の中、数社応募をしてみた。書類落ちすることは多い。気楽に応募していこう。


次の日の朝、私は驚いた。数社応募したうち2社から返信が来ていたのだ。1社は履歴書で書類選考を行い、もう1社はなんと面接!!速い。選考のスピード、速い。早速杉山さんに報告をして、志望動機を考えることになった。スプレッドシートの企業別対策シートに面接予定の企業を書き込んで対策し、面接対策シートの回答も作っていく。現在、2社同時に志望動機を考えることになっていて、頭がこんがらがってきた。今までは書類落ちが当たり前だったので、こんなに面接が重なることが無かったのだ。とても焦っていたが、ジャーナリングをしてどうにか落ち着きを取り戻した。自分の感情をコントロールできるようになってきている。落ち着きを取り戻したが、また更に他社の面接が決まった。まさかこんなに書類が通過するとは。

「しっかりアオイさんご自身で職務経歴書を作り込み、魅力が伝わったのでしょう。短期間ですごすぎますよ、、、」

私もすごすぎると思っている。1人で書類作成していたら、こうはならなかっただろう。自己分析をしっかり行った上で書類作成をしたから、分かりやすいものになり通過できた。これから忙しい日々が続く。


志望動機を書こう

次の日、私はネットカフェに缶詰になり志望動機を書出した。企業別対策シートは項目ごとに書けるので情報をまとめやすく、頭が整理されていく。志望動機が書けなさすぎて途中で気が狂いそうになったが、杉山さんとやり取りをしながら書いたこともあり、何とか完成した。昔の私は物事を自分で考えるのが苦手で、すぐに投げ出して他人に甘えてしまっていたのに、今の私は苦しみながらも自分で頑張って取り組んだ。杉山さんに完成を報告し、添削してもらった。

「しっかりとご自身で情報収集を行い、考えることができていて本当に素晴らしいです、、!!泣」

褒められた後、私はネットカフェから脱出した。

「少しずつ、『自分でやっていこう』とする行動が増えているので、このまま勢いを止めずに進めていきましょうね。素敵です!!」

杉山さんに褒められると嬉しい。何ならもっと褒めてほしいと、子供のように褒めを求める私がいる。褒めポイントのようなものも分かってきて、どんなに小さいことでも意識して、たまに無意識に自分で自分を褒める日々が続いている。最初の挨拶時、言おうか迷っていたが「褒めてください」と言っておいて良かった。ひと月前、トレーナー変更で動揺していたのにそれでも意欲的な自分に感謝している。


家に帰ってからも企業別対策シートをまとめていた。現職と比較してこの会社はどういう働き方なんだろうと考えて書いていた。現職と比較していると、現職が私にとって働きやすい環境だったということが分かった。新人や一般の派遣社員には優しく接し、リーダーにはそれ相応の態度が求められるが、上司たちに気軽に質問できる。上司たちは「どんどん提案を発信して」と定期的に言ってくれて、誰でも仕事に対して物を言いやすい環境を作ってくれている。私は自らあまり発信しない方だったが、当たりの強い上司の異動や、POSIWILL CAREERを始めたあたりから考え方が変わったのもあり、以前より発信することが多くなった。現職には不満もあるが、それでも働きやすい環境だったと思う。そうでなければ派遣で薄給なのに数年も続けていない。居心地が良かったんだ。転職活動を通して現職の良さにも気付くことができた。


面談⑨不安が顔に出る

まずは無事にこの日を迎えられて良かったと、安堵した。今日は「最後まで杉山さんと頑張りたい」と直接言う日でもあるからだ。

最初に私の書いたポジティブ3行日記の内容について、少し話をした。前回の面談から、導入はこの話になりつつある。私の好きなキャラクターの話や、終活についての話をした。現在結婚願望の無い私は、このままいけばおそらく孤独死するだろう。孤独死した場合、遺産や遺骨はどうなるのか?遺言はどのように書くのか?気になることがいっぱいあった。転職活動が終われば遠い将来のこともじっくり考えよう。


今回は面接対策シートの設問で、書きづらいと思っている箇所を一緒に考えてもらった。まずは「これまでに挫折した経験は?」の質問だ。苦労したリーダー業務のことを書いてみたものの、これでいいのか分からない。ポイントは「挫折にどう立ち向かったか」「その体験から何を得たか」である。その経験から何を学んだか分からないものは、回答として良くない。

私は苦労したリーダー業務から何を学んだのかというと、報連相の大切さであった。リーダーとして行き詰まりを感じた私は、週に1回上司に面談する時間を設けてもらい、リーダーとしての振る舞い方を改善しようとしたことがあった。そこで上司と話して振る舞い方を見てもらい、他の上司や部下との密な連携を取ることに努めた。結果は完璧とは言えないが、上司に相談する前よりかは良くなったと思う。この経験を聞いた杉山さんは、やはり「苦手なことに向き合える私はえらい」と褒めてくれた。


次は「今後のキャリアビジョン」についての質問だ。私は昇格を望んでいない。バリバリ働くというより、生きて趣味を楽しめるだけのお金が欲しいから働くのだ。「お金をもらう」意味が重要で、私の場合だと京都に絡めるといいそうだ。お金を得るためには仕事をしっかりこなす必要があり、その結果人の役に立つのだ。ということで、「お金が欲しい」という欲望むき出しの私の回答は、「目の前の人の役に立つ」と言い換えてはどうかと提案された。必ずしも昇格に結びつける必要はない。これなら書けそうだ、と思った。


最後に「自分の弱み」についての質問だ。強みと弱みは表裏一体だ。強みを逆にしてみて、それの対策を言う。例えば、「好奇心が強い」が強みなら、「熱中しすぎて周りが見えなくなる」が弱みとなる。対策は、「周りの状況を把握するようにする」というような感じである。
私は過去の面接で弱みを聞かれて、延々と喋り続けてしまったことがあった。途中までしか話していないが、話を切られた記憶がある。その企業の選考は当然ながら落ちた。次はこうならないようにしたい。「ネガティブな話をし過ぎないようにします」と杉山さんに宣言した。「いいですね」と褒めてくれる。


ここまで話していて、画面に映る自分の表情が曇っていることに気が付いた。声色も不安そうだった。何でなんだろう……。杉山さんもそのことに気付いたようだ。

「『私は○○だから』ではなく、どうしたらできるのかを考えたらいいと思います」

どうやら私は面談中に「私は○○だから」と何度も言っていたようだ。指摘されるまで気付かなかった。私の思考の癖だろうか。厳しい言葉だった。他の人に言われたら「私の気持ちも知らないで何を言うのか」と怒るだろう。でも私は杉山さんを信頼している。その言葉を受け止めることができた。

私は気が付いたら不安に陥るものの、なかなか自覚できない。不安を持つのは悪いことではなく、当然のことだ。でも「私は○○だから」と、このままの状況で甘んじるという思考では何も成長もないし得られるものなんて無い。不安に打ち勝つためにはまずどうするか、私が打てる手は何だろうか?今度不安の兆候と対策を書き出してみようか。


杉山さんは「面接は落とすためにやっているのではなく、『この人はちゃんと働いてくれるのか』を見ています」「面接を楽しむぐらいで良いと思いますよ」と言った。「面接を楽しむ」という言葉に少し引っかかってしまった。それができるのはコミュニケーションに強い者だけだ。新卒就活の終盤、エントリー開始時から既に内定を持っていた友人にも同じことを言われた。私はコミュニケーションがド下手、友人はとても上手だった。就職先が決まっている人に言われても、正直何も響かなかった。
杉山さんのようなコミュニケーションが上手な人にそんなことを言われても私はどうしたら……、という気持ちが込み上がってきたが、どうにかして抑え込んだ。せっかくアドバイスをもらっているのに、頭ごなしに「私はコミュニケーションがド下手だから、できないです」なんて言えない。否定したら変われない。私は自分を変えるために伴走してもらっているのに。


そして杉山さんは今後のスケジュールを立てた。2日後、電話にて模擬面接を行うことになった。最後の面談も、今後の私の選考状況次第で臨機応変に対応してくれるそうだ。杉山さんは私以外の複数ユーザーも同時並行で担当しているのに、こんなに無理を聞いてもらって大丈夫なのだろうか。逆に申し訳なく思ってしまう。どうか無理しないでほしい。でも私の要望はしっかり聞いてほしい、とも思ってしまう。難しいところだ。

あまりに不安そうな私を見兼ねたのか、杉山さんは「面接で落ち続けることがあれば、一度お話しましょうか」と言ってくれた。嬉しかった。この時点で上手くいく気がしなかったから、多分話を聞いてもらうことになるんだろうなと思った。

最後に杉山さんは

「私もアオイさんと最後まで頑張りたいと思っております」

と言った。しまった。先を越された。先に言われるとは思っていなかった。

「私も最後まで杉山さんと頑張りたいです!!」

返す形となってしまったが、ようやく言えた。本当に言えてよかった。


溢れ出る不安、涙、トラウマ

いよいよ明日に控えた模擬面接だったが、私は不安に満ちていた。不安な気持ちをジャーナリングして、落ち着かせようと試みた。しかし、書いている途中から涙が止まらなくなってしまった。

完璧を求めすぎていた。他の人の転職体験記を見ていると、他の人は自分がしたい仕事を決めているのに、私は定まっていない。「京都で心理的安全性のある職場」ぐらいだ。したい仕事すら分からない自分が許せなかった。

面接が怖い。なので対策として模擬面接をするのだが、その模擬面接すら怖い。模擬面接にはいい思い出が無い。今思えば準備不足が最大の原因だが、他の就活生やキャリアカウンセラーなどからは表情・内容・言葉の言い回し、どれをとっても必ず指摘を受け、ここが良いとはほぼ言われないので傷ついた経験がある。私は他の人のフィードバックで悪いところを指摘するのは苦手で、特に指摘ポイントも無かったので褒めてばかりだった。「何で私は皆を褒めるのに、私に対しては指摘ばかりで誰も褒めないんだろう?」と思って、イライラして模擬面接を受けたくなくなってしまった。それではもちろん本番も上手くはいかなかった。私の就活トラウマの最たるところは、模擬面接だったことが分かった。

杉山さんには色々相談しているのに、期待に応えられない。申し訳ない。つらい。怖い。過去の経験を引きずっている。変わりたくてもすぐには変われない。無理せず頑張りたいが、時には気合いを入れなくてはならないのに、力が入らない。こんな状態のまま模擬面接当日を迎えることになった。

朝からネットカフェで缶詰になり、泣きながら面接対策シートを埋めていた。心が落ち着かず、自分を鼓舞するために曲をひたすら流しながら、面接の回答を埋めていく。いつもは雑音があるとうるさくてたまらないが、少し落ち着いてきた気がする。こんなにつらくて逃げたい気持ちなのに、ちゃんと向き合って取り組んでいる私はすごくえらい。

杉山さんに昨日からの不安な感情と涙が止まらない現状を報告した。すると「今日の模擬面接はガチガチにする予定はないので、緩やかに進めていきましょうね」と返信がきた。少しホッとした。つらすぎて心が持たなくなってきた私は、「頼むべきではないことは分かっておりますが、褒めてほしいです」と恥を忍んで杉山さんに送った。褒めの懇願は禁じ手かもしれないが、そうでもしないと1人ではこのつらさに耐えられなかった。


「自分の苦手なことにも立ち向かおうとするアオイさんは本当に素敵ですよ、、、(本当に心から思っております。向き合えない方々も世の中、たくさんいらっしゃるので。。)」


私は苦手なことも向き合える人だ、と杉山さんは何回も何回も褒めてくれる。自分で褒めるのと他人から褒められるのでは、得られる喜びが全然違う。しかし適当に褒められても全然心に来ないのだ。私は褒めに根拠が無ければ、嘘くさく感じてしまう。杉山さんは短い間だが私のあらゆる面を見てきた。根拠は十分にある。嬉しかった。天にも昇るほど嬉しかったから、リアクションとして「😇」を付けた。


模擬面接

模擬面接の前に、少し話をすることになった。この頃には涙は止まっていた。杉山さんは「不安になった時、何をしますか?」と私に聞いた。私は以下のように答えた。

・よく寝る
・ちゃんとご飯を食べる
・自分を鼓舞する曲を聞く
・ジャーナリングする
・1人で遠出する
・充実感を得て程よい疲れを溜めて、早く寝る

杉山さんは「いいですね!」と言ってくれた。
「寝る」が2つあるのは、私は不安やストレスが溜まってくると寝落ちしやすいからだ。逆にちゃんと布団に入って眠れば、不安やストレスは軽減されるのではないかと思い、取り組んでいる。しかし、やろうと思っていてもそのまま寝落ちしてしまうことが多いのだ。私が寝落ちしがちなのは、初回の挨拶時に杉山さんに伝えており、Slackで何回か「ちゃんと布団に入って寝ます」と宣言をしている。それでも寝落ちする時は寝落ちする。私にはとにかく「電気を消してしっかり布団に入って寝る」ことが大事だと思う。



私は「京都に住みたい」という志望動機でいいのか、ということで悩んでいた。面接で「京都なら企業はどこでもいい」という風に捉えられてしまうと思っていた。転職活動の軸も、具体的にこの仕事がしたいというものを決めていない。本当にこれで大丈夫なのか。杉山さんは、志望動機が京都きっかけでも構わなく、その中で仕事とプライベートの両立や自分の強みを活かせるかを書き込めばいい、完璧に作り込む必要はないと言ってくれた。

杉山さんは「アオイさんは私のTwitterも見ているので、既に知っていると思いますが……」と、自分の過去についての話をした。新卒時から数年働いた大手の人材業界を、夢を叶えるために退職した。そして国際協力をするために、アフリカはシエラレオネまで飛んで行った。

「でも私は京都……京都なんて……」

気が付いたらまた泣き出していた。海外と国内では規模が違う。杉山さんは国際協力のためだ。私は一人暮らしがしたい、それだけだ。高尚でもなく低俗でしかない理由だ。相手のためではなく、限りなく自分のためでしかない。馬鹿みたい。馬鹿みたい……。

杉山さんは帰国後、エージェントを使って転職活動をした。退職して海外へ行ったことについて、エージェントから心無いことを言われたという。私は知らなかったが、たとえ退職理由が国際協力のためでも空白期間とみなされるそうだ。つまり経歴に穴があいたということで、エージェントからすればあまりよろしくない経歴ということになる。私はその話を聞いて思わず、

「そんなこと他の人に言われる筋合いなんてないじゃないですか!!!!」

泣きながら怒っていた。
おかしい。はるばるシエラレオネまで行って国際協力をしている人に、そんなこと言うなんて。他人のために頑張っている人に、なんてことを言うのだろう。「心無いことを言われても、気にしないでください」と思わず杉山さんに言いたくなったが、これではどっちがトレーナーか分からなくなるのでやめた。同時に、何で私は他人のことなのに、こんなに怒っているのだろうと疑問に思った。この言葉を自分に投げかけることができないのは、どうしてなんだろう。

「他の人に言われる筋合いなんてないんですよ」

そう言った杉山さんの声はいつも以上に穏やかで、優しく聞こえた。 


「私の経歴をひどいと言うのも、アオイさんがすごいと思うのも、偏見なんです」


偏見。私が杉山さんをすごい人だと思うのも、偏見なのか。どういうことか、飲み込めなかった。私には海外へ行くことも、誰かのために頑張ることも難しい。そもそもパスポートを持っていないし、検査や荷物準備や搭乗手続きや乗り継ぎや外国語の習得等といった手間が非常に煩わしく感じてしまう。たとえ偏見だとしても、私は杉山さんをすごいと思わざるをえない。

杉山さんの転職話を通して、「自分が自分の人生に納得できるかどうか」が大事だということが分かった。誰が何を言おうと、自分の人生に自信を持って良い。相手と価値観が合わなかったら合わなかっただけで、それで私が私自身を否定する必要なんて何も無い。

杉山さんに限らず山口さんなどトレーナーの方々は、各々仕事やキャリアでつらい経験を経てPOSIWILL CAREERで悩める人をサポートしているのだろうか……と思うと感慨深い。そんな人達に勇気づけられていると、私も頑張ろうという思いになれた。


杉山さんと話してようやく気持ちが落ち着いたので、模擬面接をすることになった。

質問する内容はあらかじめ聞いていた。回答も泣きながら作った。ただあの状態で覚える余裕が無く、結局それを見ながら答えることにした。模擬面接の結果は、内容は問題無いが話に詰まるところがあり、経験を通して学んだことを端的に言えたら良いとのことだった。 そして、

「私もよく言われますが、声に抑揚をつけたら良いと思います」

杉山さんは超ポジティブアクティブとは思えないほどの穏やかな声の持ち主で、私はむしろ穏やかな声の方が落ち着く上に安心できるので良いと思うのだが、面接ではそうはいかないようだ。声から意欲や自信を見せる必要がある。

ところで私の抑揚のある声って、どんな感じなんだろう?そう思った私は、面接回答の1つを今から抑揚をつけて話すので聞いてほしいと、杉山さんに頼んだ。抑揚をつけて話した結果、調子に乗った人間の話し方みたいで気持ち悪かった。普段は意識して出さない声なので、非常に出しづらい。本当にこの声でいいのだろうか。杉山さんからは、抑揚がついていると言ってもらえた。京都について聞かれた時、スイッチが入ったかのように抑揚をつけて話そうと思う。

杉山さんと話していて、不安が溶けていくような感じだった。この後も引き続き、明日の面接に向けて志望動機を作るため缶詰になった。この日は結局、ネットカフェに8時間33分滞在していた。もはや労働である。


とうとう面接

ネットカフェで缶詰になり作成した志望動機も、杉山さんに添削してもらって完成した。今日は転職活動初の面接である。緊張する。面接前に杉山さんに緊張している旨をSlackで送った。面接中に声が出なくならないように、喉を開くイメージをひたすらしていた。そして面接が始まった。

久しぶりの面接だったが、受け答えがしっかりできていた。まるで普通の会話のように笑いながら話していた。今までの面接では全然笑顔になれず、第一印象が最悪だった。「面接で笑顔ができません」「笑いたくない時に笑うなんてできません」と初回面談で山口さんに宣言し、後に杉山さんにも同様のことを言った程、笑顔が大の苦手だった私が、笑って自然に話している……!?しかも目線もちゃんと合わせて。自分の成長の速さに驚きを隠せない。本当に昨日、「面接が怖い」とずっと泣いていた人間と同一人物なのだろうか……。

面接が終わったその足でカフェへ行き、面接の振り返りを企業別対策シートに書き込んだ。受け答えはしっかりできたが、正直手応えは無かった。振り返ると、できたこと・できなかったことが浮かび上がり、次の面接までにどうすればいいのかが分かった。杉山さんに無事に面接が終わったことと、企業別対策シートを書き込んだことを報告した。

「面接お疲れ様でした!選考結果は企業とのマッチングや、他選考者とのタイミングだと思うので、切り替えて次に進んでいきましょー!!」

杉山さんはSlackではテンションが高く見える。そして、私から面接官にネガティブなことを伝えたかどうかを尋ねられた。質問されて答えたものはあったが、自分から話すことはしていなかった。そういえば懸念だった「ネガティブなことを延々と話し続ける」は出なかった。聞かれたことに対して答えることを意識して話したので、他の質問でも長々と話し続けることもなかった。

「しっかりとネガティブを抑えることができたのですね、、!!有言実行ですね!」

先日の面談で言ったことが、成し遂げられた。私が数年ぶりの面接なのに受け答えがしっかりできたことと、成長の速さに驚いていることも杉山さんに伝えた。

「ほんと、凄まじい勢いで成長していますよ!!!!!笑ちゃんと面接で答えられたのは、これまでアオイさんが自己理解を深めていけたからこそです。。。素晴らしすぎるので、ぜひこのまま歩みを止めずに進んでいきましょうね」


面接が今まで苦手だったのに、伸びしろがすごい。私の転職に対する本気度が窺える。1人じゃここまでできなかった。感謝である。就活自体向き合うことが怖かったのに、自分でこの先の人生を考えて、高額な投資をしてひたすら自分と向き合って……、投資した額以上の成果は出ていると思う。他の人がこういうことをしていたら「すごい」と言ってしまう。私ももう少し自信を持ってもいい。次もまた面接が2つ、同日に控えている。今回の面接を活かして、対策を練っていこう。



今回の得た学び

・「私は○○だからできない」ではなく、どうしたらできるのかを考える。

・誰が何を言おうと、自分の人生に自信を持っていい。大事なのは、「自分が自分の人生に納得できるか」どうかだ。


P.S.

ポジティブ3行日記に書いた私の好きなキャラクターだが、その後杉山さんもハマりだし画像を収集して定期的に私に送ってきていた。逆に私がトレーナーに影響を与えることもあるんだと思った。


その後の内省:偏見・羨み・思い込み

この記事を書くにあたって、電話の時に言われた「偏見」について考えることになった。私が杉山さんをすごいと思うのも偏見である……当時はどういうことか分からなかった。

私は第一印象から杉山さんを「すごそうな人だ」と思っていた。私には、杉山さんは私に無いもの全てを持っている人に見える。数多の海外渡航歴(25ヶ国)、新卒で入社、働いていて楽しいと思える環境や仲間、愛するパートナー、……それは順風満帆な人生のように見える。私とは真反対に位置する人だ。

とはいえどれだけ順風満帆に見える人生であって、他人から羨まれても、本人が幸せかどうかなんて分からない。実際杉山さんも転職活動時は苦労していた。もしかしたら他にも苦労したことや、つらかったこともあったんじゃないか。そして私がそれらの幸せだと思えるものを手にしても、本当に幸せになれるかは分からない。幸せの感じ方は人によって違うからだ。例えば、結婚して子供を設け家族と暮らすのが幸せだという人もいれば、誰にも縛られず1人で悠々自適に暮らすのが幸せだという人もいる。

私は無料カウンセリングの時に「無意識に他人と比較するところがある」と既に指摘されていた。その時は「そうなのか」としか思えなかったが、今ようやく実感した。私は初めて杉山さんを知った時から、私より「すごそうな人」だと無意識に比較していた。だからあの電話の時に「京都なんて……」という言葉が出た。
無意識に比較して自分はダメだと落ち込まないためには、自分の軸を作るといい。これもまた、無料カウンセリングの時に言われている。自分のことを全てを知らない他人から、良くも悪くも思われることはあるが、それは他人から見た評価=偏見である。他人と比較せず、自分の人生の軸を作り、自分が自分の人生に納得できる生き方をするのが1番いいのだ。

杉山さんはあの時こういうことを言いたかったのではないかと思う。私が無意識に他人と比較するところがあるのも、面談やSlackのやり取りを通しておそらく見抜かれていた。noteで体験記を書いて当時を振り返って、ようやく分かったことだった。


最終回はこちらから↓


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