面接で見ていること② ~具体と抽象のコントロール力~
前回(※)は、面接の中で小中高のご経験を伺うようにしている旨を紹介しました。
今回はその第2回となります。
面接で見ていること ~具体と抽象のコントロール力~
具体と抽象のコントロール、皆さんはお分かりいただけますか?
〇具体化とは?抽象化とは?
1.具体化
パターン化された法則・経験・ナレッジを、実際の事例・起こりうるケースに対して適用する力・アウトプットする力
2.抽象化
複数の事象から共通事項を抽出する力
〇具体化と抽象化のメリット
1.具体化
コミュニケーションの際に「解釈のズレ」を明確にでき、組織活動を円滑に遂行できる。
2.抽象化
個々の事象から得ることができた学びや、個々物が持つ特徴を様々な場面へ応用することができる。
なぜ、具体と抽象のコントロール力を面接で見るのか
結論から言えば、どの部署・どの仕事にも必要な能力だからです。
見ていきましょう。
〇具体化
どの仕事においても、報告・連絡・相談をはじめとした、「人との協働」は不可欠ですよね。ただし、一人ひとりは育った環境は違いますし、物事の解釈の仕方には当然「ズレ」が生じてきます。
仕事上のコミュニケーションにおいても、解釈のズレは必ず生じるもの。大切なのは、「ズレを認識できるようにする」「ズレを修正すること」になります。しかし、ズレをしっかりと認識するためには一人ひとりの意見発信が明確である必要があります。言わんとしていることが意味不明な場合は、全く仕事になりません。
そのため、私は組織のメンバーとなってもらうにあたり、ご自身の経験やお考えを具体化して話すことができるかを必須要素としてみてきました。
〇抽象化
仕事では、「正解のない事象」や「経験したことのない事象」に直面することが日常茶飯事です。「前例がないのでできません」「経験がないので分からないです」は通用しません。
大切なのは、これまでのご自身の経験・メンバーの経験・組織活動の中で蓄積されてきたナレッジから特徴などを抽出して、打ち手を組み立てることです。その際に抽象化が不可欠となります。
面接におきかえると?
面接受験者の方々が実際に面接の場で具体と抽象をコントロールする場面としては下記のようなケースが挙げられます。
〇具体化
性格や強み・弱みを具体的なエピソードで表したり、入社後どのように活かしていくかを具体的なケースに落とし込んで表現をする。etc
〇抽象化
これまでの具体的な経験から、自分自身の強み・弱みを抽出し、簡潔に表現する。会社の公開情報(IR情報・経営計画など)から、その会社の特徴・アイデンティティを抽出して志望動機として簡潔に表現する。
いかがでしたでしょうか。
私は学歴がどんなに高かろうと、面接の場で具体と抽象をコントロールする力が基準に足りない場合は、全て採用を見送っていました。
※不合格ではありません。あくまでアンマッチということです。
学生の皆様におかれては、まずはご自身のご経験を具体化・抽象化できるようにしておくことをおススメします。これこそが、自己分析の本質です。
今回は長文となりましたが、ご一読いただき、誠にありがとうございました。
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