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観た人も観てない人も。映画【CUBE 一度入ったら、最後】の感想

先日公開されたリメイク作品「CUBE 一度入ったら、最後」を観に行ってきました。
もともと1997年に製作されたカナダ映画で、昔DVDで観たことがあったんですよね。ただ、あらすじを読んでもしっくりこないくらい覚えておらず。

ただ、GEOで洋画版をレンタルする時に母から「こんな狭い空間だけの映画なんだよ!?単調じゃない?!もったいなくない?!」と幼き頃の私に謎のコスパ持論を展開されたことは覚えてます。
エレベーター内や謎の一室で繰り広げられるホラーDVDばかり私が選んでくるので、きっと”またそのパターンかよ!”と思ってたのでしょう。
でも私は「こんな狭い空間でどうやって物語が終わるんだろう」「今にもネタがきれそうな密室でどんな展開になるんだろう」そう思いながら毎回似たようなシチュエーションの作品を飽きもせず観ていました。

今回上映されている日本版では、好きな俳優のひとりである菅田将暉さんが出演しているので、日本映画で洋画ホラーの残虐な部分をどう表現するのか、期待と不安を抱きながら映画館に足を運びました。

※ここからは、重要なネタバレは控えますが、個人によっては微ネタバレになる可能性があります。大丈夫な方のみご覧ください。

あらすじ

突然閉じ込められた男女6人。
エンジニアの後藤裕一(菅田将暉)、団体職員の甲斐麻子(杏)、
フリーターの越智真司(岡田将生)、中学生の宇野千陽(田代輝)、
整備士の井手寛(斎藤工)、会社役員の安東和正(吉田鋼太郎)。
年齢も性別も職業も、彼らには何の接点もつながりもない。
理由もわからないまま、脱出を試みる彼らを、熱感知式レーザー、ワイヤースライサーや火炎噴射など、
殺人的なトラップが次々と襲う。仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。
体力と精神力の限界、極度の緊張と不安、そして徐々に表れていく人間の本性…
恐怖と不信感の中、終わりが見えない道のりを、それでも「生きる」ためにひたすら進んでいく。
果たして彼らは無事に脱出することができるのか?!

※公式サイトから引用

感想

結論から話すと、随所でツッコミどころのある脚本だったと感じました。
ただ、俳優さんたちの演技力の高さでカバーしている部分もあって、つまらない作品ではないです。近くに座ってた方は「あの場面で泣きそうだった」と一緒に来ていた友達に話していたので、感じ方は本当に人それぞれだなあと思いました。

個人的にはCUBEという閉鎖的な空間で繰り広げられる物語なので、部屋の往来シーンを何回も入れるよりも、人物たちの背景やトラップの仕掛けなどをもっと深堀したほうが物語に入り込めたかもしれません。
何度もうんしょうんしょと移動している場面でちょっと眠気がきました。

イマイチ浅い脚本に「これ誰も気にならないの?」「それにしても行動原理が浅くない?」「伏線回収は?」ということが気になり、あまり世界観に入り込めなかったです。

例えば、越智真司(岡田将生)の感情が高ぶって、周りの壁の色が変わっているのにみんなスルーしてたりだとか、閉鎖的な空間で堂々とヒソヒソ話してるのに気づかれないとか。そんな感じのがまあまああります。
私自身、鑑賞中に「嘘やろ?!(笑)」って顔になってたと思います。


ー・・・と、ここまで酷評ばかりだったので、良かった部分も書いておきます。もちろんありましたよ。良いところ。


◎壁の色で気持ちを表現できてた
さきほど「壁の色変わったのスルーするな」って言っておいてなんですが、逆に考えて、壁の色で観客に不安を抱かせるという演出的な点では良かったと思います。
同じようなグレーの空間を往来するだけじゃなかったので、次の部屋に進んだことも分かりやすかったです。

◎俳優陣の演技力
最初に吉田鋼太郎さんが出てきたとき、『おっさんずラブ』の印象が強かったので、ホラー映画にも関わらず「かわいい!」と思ってましたがその印象が消えるほどの演技でした。普通にかわいくない(当たり前)
あと予想外だったのが岡田将生さんの演技力。正直あまり期待をしてなかったのですが、思った以上に迫力がありました。今度別作品も観てみたい。

◎直接的なグロだけでなく、想像させる演出
例えばですけれど、目の前で人間がサイコロステーキにされるとか、血しぶきブシャー!っていう見て分かるグロ演出だけでなく、”ああなったんだろうな”と想像させられるカメラワークや切り取り方が良かったです。
それだけでも十分「ム”ッツ!!」っと顔が引きつりました。色んな魅せ方があって良いです。


個人的な評価

脚本:★★☆☆☆
演技:★★★☆☆
グロ:★★☆☆☆
音楽:★★☆☆☆

音楽についてですが、ホラーでポップな音楽をあわせると、余計にサイコを感じられたりするものですが、この作品のエンディングは「コレジャナイ感」でいっぱいでした。星野源さん自体は良いんだけどね。

私は『ソウ ザ・ファイナル』を映画館の3Dで観る人間なので、物足りなさを感じました。映画館に足を運ぶか迷っている方は参考にしてみてください。



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