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noteをみんなで続ける仕組みづくり

はじめまして。Hamee Design の田村なほ美です!

今回は、私たち Hamee Design が、この note(デザイン組織のブログ)を立ち上げるまでにやったことを紹介していきたいと思います。

執筆者の私は、ライティングへの苦手意識がチョモランマ級に高いデザイナーなんですが、そんなライティング初心者が、試行錯誤しながらもデザイン組織の note をプロデュースしたよ。という記事になります。
組織でブログ発信をはじめようとしている方や、同じようにライティングに苦手意識のある方の参考になったら嬉しいです。


続けることが一番大事で、一番難しい

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ブログを立ち上げる上で、私たちが肝に銘じたことがあります。
それは、「続けることが一番大事で、一番難しい」ということです。

私の前職の先輩にいただいた言葉です。(先輩はデザイン組織のブログの責任者でした。)

ブログを運営中の方、立ち上げたけど続かなかったという方は、共感いただけるのではないでしょうか。

ここ数年で、デザイン組織のブログをよく見かけるようになり、これまでトークイベントやメディアでしか知り得なかった他社のデザイン事情が、事細かに知れるようになりました。特に、note が人気を集めるようになってから、その流れに追い風が吹いているように感じます。

その波に乗って私たちもこうして note を立ち上げたわけですが、先輩の「ブログ発信は、会社のリソース(お金や余裕)がなくなったときに、真っ先に切られる取り組みだよ。」という言葉に、身が引き締まったことを覚えています。


一番大事で、一番難しい「続けること」。

これを実現するためには、以下の3点をしっかりと決めることが重要です。
ここからは、実際にやったことを具体的に紹介していきます。

① ブログ発信の目的
② 記事の方針
③ 執筆フロー


一つ目。ブログ発信の目的

ブログにおける目的は、記事の書き方や、結論づけを左右する重要な役割になります。
前述したように、ブログ運営には時間と労力がかかります。そこまでして、なぜブログをやるのか。運営メンバーでじっくりと話し合うことをオススメします。

私たちが note を始めるにいたったきっかけは、マネージャーの「流行っているからやりたい」の一言でした。(言うは易しとはまさにこのこと。笑)

これをもう少し深掘りし、最初に設定した目的は「可能性の種まき」でした。しかし、この抽象度では記事の軸がいくつもできてしまい、キレのないブログになってしまう懸念がありました。

議論を重ね、最終的な目的は「採用強化」に着地。

「まぁ、組織のブログって大体そうじゃん?」と思われるかもしれませんが、私たちはチームで発信しているので、共通の目的をもつことはとても大事になります。

次に、目的が達成したら、会社にどう還元されるのかを考えました。

Hamee Design が大事にしている「自利利他」の考え方をベースに、ブログを通して生み出したい循環を図にまとめたものがこちらです。

※自利とは、自らを利する意で、自己の解脱(げだつ)のために努力し修行すること。利他とは、他の人々の利益(りやく)を図る意で、人々の救済のために尽力すること。(引用元

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二つ目。記事の方針

続いて、目的をもとに記事の方針を決めていきますが、その前に他社のブログをリサーチし、発信の方向性を決めておくことをオススメしたいです。「どう打ち出していきたいのか」「自分たちのらしさはどこにあるのか」を整理できます。

まず、各社のデザインブログの情報を集め、その中で「どこを目指していくことが、 Hamee Design らしさが一番伝わるのか」を話し合いました。

私たちの note は「採用強化」が目的なので、なるべく日々の取り組みをオープンにしていきたいという思いがあります。話し合いの結果、「コト重視」で、かつ「実践に基づいた内容」を発信していくことで固まりました。

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次に、具体的な方針についてです。

目的の「採用強化」と、方向性の「コト重視で、かつ実践に基づいた内容」を実現するためにはどんな内容だとよいか、メンバーみんなで書き出しました。
最終的に絞った6つの方針がこちらです。

1. 等身大な内容になっている
2. 具体的な実験と学びの内容が含まれている
3.「一緒に成長していきましょ」のメッセージを感じられる
4. 一緒に取り組んだ他部署の存在を感じられる
5. 鮮度の高い情報も自分の言葉で語っている
6. 「Hamee ならでは」が感じられる

この方針は、普段から目にとまるよう、Googleドキュメントのフォーマットや、管理シートなど各所に散りばめています。

方針があることで、執筆者は方向を見失わなずに書き進められ、レビュー者は方針をもとにフィードバックができます。さらに、記事のネタ出しをする際の採用基準にも役立ちます。


三つ目。執筆フロー

この章で一番お伝えしたいことは、「文章を書く前の下準備がめっちゃ大事」ということです。

今回の note 立ち上げにあたり、ライティングに関する本を2冊読みました。両方に共通するメッセージが「下準備がめっちゃ大事」だと私は受け取っています。(参考文献は本章の最後に紹介します。)

「下準備」とはどんなものなのかといいますと、
デザインをする際に必要な、クリエイティブブリーフや構成案、ワイヤーフレームなどが、ライティングにも存在する。と思っていただくのがわかりやすいと思います。

私はこの発見により、ライティングに対して親近感が沸いて、苦手意識が少し和らぎました。

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本を参考にしながら、文章を実際に書くまでの下準備にあたる、簡易的なフレームをつくりました。

ステップ ① デザインでいう、クリエイティブブリーフ
記事の設計書です。仮タイトル、目的、ターゲット、内容を一言で表現、読了感などの項目を埋めていきます。どんな方が読んでくれるのかイメージを膨らませる作業です。
ステップ ② デザインでいう、構成案
続いて、書けそうなネタをバーっと書き出していきます。実際に使うかどうか、順序などは一旦気にせず、とにかく書き出します。このとき、5W1Hを意識すると抜け漏れなく洗い出しができます。
ステップ ③ デザインでいう、ワイヤーフレーム
記事の骨子です。ステップ ② で書き出したネタを、起承転結の順番に並び替えます。起承転結の進化系「つかむ・深める・揺さぶる・落とす」という、ストーリーの組み立て方を紹介されている KESIKIさんの記事 もたいへん参考になりますので、ぜひご覧ください。私たちもこの考え方を踏襲しています。骨子がある程度できたら、この時点で各段落をどのくらいのボリュームにするか決めておきます。


ここまでのフローを踏んで、執筆者本人が「これならどこからでも書ける!」というところまでイメージが湧いたら、上記3つを一度脇に置いて、いよいよ書きはじめます。

3つのフローは執筆者を含め、2〜3名でまとめます。大事にしているのは「一人でやらない、みんなでフォローする」という姿勢です。

note の立ち上げメンバーには、ライティングやブログに関する有識者がおらず、私のように苦手意識のある人も多かったため、みんなで一つの記事を作り上げる意識を持って取り組んでいます。

おかげで、note を立ち上げて3ヶ月目ですが、目標である月1〜2回の更新を続けられています。


参考にした本は、以下の2冊です。

読み終わった後は「文章を書いてみたい!」という気になりました。
文章のいろはや心得を学んだ一冊です。

▼ 私が刺さったフレーズ

自分が気に入らない限り、読者が気に入るわけがありません。
書いたから終わったわけではない。読み手の胸に届いたとき、自分の書いた文章は目的を達成し、そこで文章は終わるわけです。


文章の組み立て方を体系的に教わった一冊です。

▼ 私が刺さったフレーズ

完成度が低くても、おしまいまで書き通す
プラモデルのように作文する


noteを開始して3ヶ月の振り返り

3ヶ月の間 note を運営してみて、さっそく良い結果がありました。
採用候補者の方が「note を見て、考え方に共感し応募した」とのこと。ブログ発信の目的「採用強化」にまさに直結した事例でした。

紹介した執筆フローは、3つのステップを踏むだけで誰でも文章を書き始められるので、今後も部内に浸透させ、運営メンバーに限らず記事を書いてもらえる体制をつくっていきたいと思います。

実際に記事を書いたメンバーに、感想を聞いてみました。

● デザイナー
社外の方に note のリンクを添えて自己紹介できるのがよかった。自分や所属する組織を紹介する手札として便利でした。
今は一部のメンバーで運営しているけど、部内全体が参加してもらうのが課題。このnoteを自分たちのものだと思ってもらえる仕組みを考えていきたいと思います!
● デザインマネージャー
執筆者とは別でヒアリングをしてくれる人がいるので、執筆者が言語化できていなかったことを引き出してもらえて、構成づくりがスムーズでした。
みんなで一緒に書くことで、自分一人では書けない精度の記事になっています!
● デザインリサーチャー
何かを発信し続けるためには、目的、方針、ルールを、メンバーで丁寧につくって視覚化しておくことが、後に自分たちを救うな、と痛感しました。
文章は書きながら考えるのではなく、LEGO みたいに、必要なピースを集めてから組み立てるのだと勉強になりました!


最後に、note を立ち上げるまでに、アドバイスなど多大なるご協力をいただいた前職の先輩方に、敬意と感謝を捧げたいと思います。

この note は立ち上げたばかり。継続が肝心なので、みんなで協力して発信し続けていきます!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

note_記事を書いた人_DSD


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