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東京での生活に悩んだ結果、0歳3歳の子どもを連れて地方移住を決意。転職してフルタイム勤務に挑戦中のオカンの話。

こんにちは。40歳目前にしてHameeに3度目の転職をし、3歳と1歳の二児の子育て×フルタイム勤務に挑戦中の氏田(うじた)と申します。

第二子の育休中に都内からの神奈川秦野市への移住を決め、1カ月で引越を断行、その後の転職活動で縁あってHameeに拾っていただき、4カ月が経ちました。

現在、二人の娘を自然豊かな環境の保育園に預けながら、半リモートワークで働く夫と、家事育児を分担しつつ暮らしています。

第一子が生まれたときから「もっと自然に近い場所で子育てしたいね」と夫婦で話していましたが、それぞれ好きな仕事をしていたこともあり、願望止まりでした。しかし、第二子の妊娠とほぼ同時にコロナ禍となり、状況が変わり始めます。夫も自分もリモートワークができるようになり、「意外に都心を離れてもやっていけるんじゃない?」という気持ちになってきたのです。

とは言え、
・下見も自由に行けない中で移住先が決められるのか
・育休復帰後の仕事はどうするのか
・年度途中のタイミングで入れる保育園はあるのか
・夫の仕事はどうするのか

と、迷いや悩みはいくらでもありました。

そんなわが家が最初の一歩を踏み出すまでのお話です。
子育て中の方で移住や転職に悩んでいる方がいらっしゃったら、いち経験談として読んでいただけたら幸いです。

そもそもの移住願望

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▲2015年のネパール地震後の出張にて。
つっかえ棒で補強した家で普通に生活している

当時の私の勤務先は都内のソーシャルベンチャーで、学生時代から問題意識を持っていた途上国関連の仕事だったこともあり、忙しくも心からやりがいをもって働いていました。

この時点では「仕事=生活」のような日々を過ごしていたので、転職前提・さらに地方に移住することは、ほぼ頭にありませんでした。そんな私の考えが変わるきっかけは、わかりやすくライフステージの変化によるものでした。

1.子どもを育てる場所はここで良いのか?
2.夫の働き方改革
3.「地方」という場所で暮らす

1.子どもを育てる場所はここで良いのか?
明確に意識が変わったのは、子どもが生まれてからです。
住んでいたのは東京でも葛飾区と下町で、うるさ過ぎることもなく家賃も安く、そのわりに利便性は非常に良かったので、快適に過ごしていました。

自分でも驚いたのですが、よく知った街だと思っていても、子どもという存在が加わったことで、「住む場所」という視点で見えるものががらっと変わったのです。

「え、都会の保育園って、そもそも園庭無いところとかあるんだ……」
「整備されて綺麗な公園だけど、人工的に整えられた空間なんだよな……ルールの中でしか遊べないんだよね……」

という、もどかしさに近い感情を持つようになりました。

何が正しいというものではありませんが、どうしてもそこは自分の育った環境も影響があるようで。私の実家は、目の前が海、あとは田んぼと畑、低い山が続く、the・日本の過疎地域でした。「地域に信号機が1機しかない」「小中学校にプールがない」「既に母校が廃校になった」くらいの田舎度合いです。

それでも、子どもが子どもらしく自由に遊べる空間があったこと、五感で触れられるリアルな自然が身近だったことは田舎生まれの特権だと思います。そしてそれらは自分の子が今から子ども時代を過ごそうとしている場所で日常的に得るのはかなり難しいこと、都会でこそ得られる類の機会は、逆にこれからの時代、アクセスがより容易にできるようになるのではと思ったのです。

本当にそうなるかは分かりません。ただ、私と夫は「子どもを自然の中で伸び伸び育てたい」という同じ価値観を持っていました。
※ちなみに葛飾区は都内でも子育て支援No.1の自治体です。制度や施設の充実度は随一だそうで、本当にお世話になりました。逆に都内にお住まい探しの方には穴場だとお伝えしたい。

2.夫の働き方改革
夫は都内のメーカー勤務で、エンジニア職をしています。
本人も「天職」と言うほどで、暇があるなら手を動かしていたい、文字通り寝食を忘れて没頭できる、というようなありがたい仕事に就いています。

そんな夫ですが、私同様、子どもができこれからの時代の生き方を考えたときに、ただ雇われの身でいるのでなく、いくつかの収入源をもって「自分のやりたいことをやって生きる」と、夢を口にするようになりました。

そんな中、好きな仕事とは言え、中間管理職ならではの悩みや社内の人間関係の愚痴が増えてきた時期がありました。「嫌なら辞めちゃえば?別に私も働くんだし、すぐに飢えて死ぬわけでもあるまいし」見かねた私が焚きつけてしまいました。

後から夫が言うには、かなり衝撃だったそうです。「普通奥さんってお金の心配をして引き止めたり、励ましたりするもんじゃないの?子どもも小さいんだし、俺は大黒柱じゃなくてもいいのか……?」だそうです。

私としては、仕事やそれに関わるモヤモヤに引きずられて生きるよりも、多少金銭的に控えめでもやりたいことを自分が納得した上で選び、ストレスフリーに生きていける方が良いと思っています。今の仕事でなくても、お互い健康ならなんとでも生きているという謎の自信もありました。

起業セミナーや地方ベンチャーのイベントなど、興味ありそうな情報を見つけてはぽんぽん投げているうちに、夫も徐々に動き出しました(半分追い詰める形だったかも……)。
※ちなみに地方移住後の現在、夫は念願の作業部屋を確保し、3DプリンターとNC切削機を置いて、仕事も趣味も好きにやっています。

3.「地方」という場所で暮らす
家族ができ、この先自分も何十年か生きていくことをぼんやり意識するようになりました。海外もいろいろ見てきた中で「他の場所に行くことはあっても、帰る場所としてはやっぱり日本かなぁ」と思い至りました。

日本という国を絶賛する気はありませんが、当然のようにある「日常の安全」は、なかなか他で得難い日本の価値だと思います。しかし、これから長く日本で暮らしていこうと改めて思ったときに見えてきたのが、日本の、特に地方の抱える課題の多さ、根の深さでした。

自分自身が田舎を出た人間です。分かっていたけれど、ある意味、蓋をして目をつぶっていたものたち。今まで途上国と言われる国に目が向いていましたが、いざ自分が日本という場所に腰を落ち着けようと思うと、途端に不安に感じるようになりました

単純に人口比率で言えば都心部に住んでいる人は日本の中でもあくまで一部で、大半は地方に住んでいるはずで、みんな近しい不安や問題意識を抱えているのでは。

「日本でこれから生きていく自分たち、子どもたちのために、何かしないといけないんじゃないだろうか」
「どうせ引越しするなら、ただ自分たちのその場の満足のためだけでなく、この先の未来に向けて何か役に立てたら」

様々ある中で、自分が興味を持ったのは、特に、空き家問題農作物の鳥獣被害です。空き家問題は誰も住まなくなった実家の相続問題から、鳥獣被害は登山道に現れる山蛭(ヤマビル)が嫌で、という非常に個人的な理由からです。

 山歩きは好きだけどヒルはほんとに嫌
→シカやイノシシが運んでくるらしい
→人と動物の共存問題
→何ができるかな……狩猟ってどうなんだろ?
→(妊娠中に石川県まで行って)狩猟の話聞く
→うん、とりあえずハンターやってみようかな←イマココ

という安直な考えで生きている人間ですが、仕事になる・ならないに関わらず、何か自分ができることがないかと今も考え続けています。空き家問題も本当に深くて、ただいま勉強中です。(不動産や建築に詳しい方のお話が聞きたい!)

一気に移住に向けて動き出す

そんなこんなで「移住、アリだね」「どこにいても働ける仕事ができたらいいよね」と夫婦で話すようになりました。そんな最中に二人目を妊娠。と思ったら、今度はコロナ禍に突入。

妊娠中だしコロナだし、で移住先の下見にも行けない。むしろ家の中にいる時間が増え、なおのこと「外に出たい!見に行きたい!」願望が強まります。

一方で、夫もリモートワークで仕事をする日が増え、もちろんやりづらさはあるものの、都心から離れても仕事できるんじゃ?という気持ちにもなってきました。

移住促進センターで話を聞いたり、オンライン移住相談会に参加してみたり、移住した先輩方にお話を聞いたりと、気持ちは外に向いていましたが、「移住」を意識しはじめてから2年以上経っていました。

そしてマンションの更新の通知が届きました。もともと更新のタイミングで引っ越しできたら、と考えていましたが、さすがに今回は無理だったねー、と夫と話しながらも、同じく育休復帰を考える時期を迎え、このまま現状維持で本当にいいのか?を改めて悩むことになりました。

私が仕事に復帰したら、今までと同じ生活が続く。それはそれで楽しいし、なんの心配もない。ただ、さらなるバタバタが想定される生活で、そこから「移住」まではもっと腰が重くなることは間違いない。ではやっぱり引越す?でも候補地が絞り込めていない。下見にも行けないまま決められない……。

そんな気持ちの中、コロナ禍の隙間(?)を縫って、夫の実家である神奈川県秦野市に遊びに行ったときのこと。小田原の方までドライブに「住む場所目線で、見に行こう」と気楽な気持ちで出掛けたのが、今回の引越しを実行するきっかけになりました。

これまでお互いの住みたい場所についてずっと話し合っていた結果、目線がズレていなかったことも即決の要因だったと思います。

「あれ?なんかこの辺、よくない?緑も多いし、空も広くて」
「(夫の)実家も近いし、ギリギリ都内も通えるし、もう、決めちゃう?」
本当に、そんなノリでした。

そこから、マンションの更新日まで、ほぼ1カ月しかありませんでした。あとは動くしかありません。夫は仕事があるので、私は物件探し、保育園の情報集めなどに奔走。次の週末に家を決め、あとはひたすら引越しの準備に追われました。

引越し後の生活 よかったこと・悪かったこと

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▲新居に到着してすぐに始まるおままごと

ここは反省も込めて。

・保育園の申し込み:×
保育園にすぐ預けられなかったことはかなり反省でした。
本来は引越した月から登園できるように準備できたものが、自分が退職を迷ったあまりに申し込みができず、引越し後に改めての申し込みとなったため、登園開始が2カ月遅れてしまいました。

二人の子どもをかまいつつ、引越し後の荷物整理や買い出しを進めようとしても、結局お昼寝の時間中くらいしか作業が進みません。夫は都内へ通っているので基本ワンオペ。引越しの段ボールを開けるとすぐオモチャにしてしまうので片付けるというより散らかる……。

一時保育の制度はありましたが、現在の自治体では週に預けられる日数が決められており、二人それぞれの慣らし期間もあって……。となると、思うほど保育時間は長くありません。

転職活動のエントリーシートを落ち着いて書く、というのが一番難しかったです。ということで、お子様いらっしゃる方は転園のタイミングはしっかり考慮しておきましょう!

・車の手配:×
あまりにも急に引越しを決めたので、納車が間に合いませんでした。車が無いと不便な場所だったので(駅から歩いて40分)、結局長期レンタカーをすることになりました。

ベビーカー&抱っこ紐・徒歩で全て間に合っていた生活とは、大きくスタイルが変わり、買い物時に重さ限界までフル活用していたベビーカーはとんと出番がなくなりました。

・義両親のバックアップ:◎
義両親との関係が良好な点は、引越しを決めたことの後押しになっています。そして実際にものすごく助けられました……。上記の通りワンオペでは片付けが進まず、転職活動もままならない状況だったため、数日子どもを見てくれたのです。しかも私の分のお弁当まで持たせてくれて。涙。こういったサポートが難しい方は、確実に保育園確保しておきましょう!

・住まい:〇
借りた家は古い木造二階建。マンション暮らしに比較すると良し悪しある、というのが比較できて良い経験になりました。

寒暖差:部屋数が増えたこともあり、追加のエアコン、ガスストーブ、サンシェードなど、生活用品が思いの外増えた。
虫:入居前に焚いたバルサンでムカデ出現。実家を思い出して懐かしくなる。
防犯:マンションだと限られた数の窓と玄関の戸締りで済み、そしてエントランスに何となく守られていた感に気付く。
広さ:夫は念願の作業部屋を、子どもたちは子ども部屋と家の中を走り回る自由を手に入れる。親の方が慣れなくて子どもを見失う……。

・周りの環境:〇
選んで決めた点なので、満足しています。駅まで遠いので不便と言えば不便ですが、車生活で歩かなくなった分、いい運動になっています。

毎朝窓から見える富士山や、徒歩5分の渓谷には日々癒されています。一方で病院のような必須施設もジムや映画館のようなちょっと行きたい施設も、選択肢の少なさは仕方のないところ。

改めて都心はモノもサービスも選択肢豊富な贅沢な環境だったんだなと思います。

コスト:△
もともと住んでいた場所が都内でも破格の安さだったこともあり、生活費は正直トントン。

家賃は下がりましたが車の維持費で消え、子どもの保育費・医療費は東京都の手厚い補助には敵わない。何に重きを置くかは人によると思いますが、我が家ではおおむね想定通りでした。それでも、美味しい新鮮野菜が食べられたり、子どもが日常的に川や山で遊べるプライスレスな環境に満足しています。

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▲家から5分の渓谷

Hameeで働き始めて・これから

現在、物流管理チームで在庫管理業務を主に、日々勉強中です。
今はフルタイムで勤務していますが、なんとか生活が回っていることに自分でもびっくりしています。

子どもが生まれてからの前職時代は時短勤務だったので、子どもが2人に増え、引越しした先の慣れない場所で、フルタイム勤務の生活が成り立つとは……。これもこの働き方を理解してくれる職場の皆さんと、支えてくれる家族のおかげです。

文字にすると普通なのかもしれませんが、Hameeのありがたいところはこんな感じです。うわべだけでなく本当にみなさんお優しい。

◆リモートワーク推奨
通勤時間の分だけ、心の余裕が持てます。

◆フレックス勤務
保育園の送迎の時間制限があるため、通常出勤時間だと勤務時間がやや不足するため、朝に自宅作業しています。あまり早朝過ぎるのはNGですが、比較的自由に勤務できるのはとてもありがたいです。

◆職場の理解
チームの方も人事の方も、入社後しばらく「おうちの方も大丈夫ですか?」「お子さんまだ小さいから大変でしょ?」ととても気にかけてくれました。子ども都合の急な早退、遅刻にもご理解いただき、業務もしっかりバックアップしていただいています。

入社前のHameeに対しては、若者が多いイメージを持っていました。
実際は幅広い年齢の方がいて、同年代の方、子育てがひと段落された方など、年代も住む場所も(!)様々で、こんな自分もここにいていいのだ、と安心した気持ちになりました。私も環境に甘えてばかりではいられないので、仕事でお返しできるようにしたいと思っています。

長くなってしまいましたが、悩んだわりに勢いで動いた結果、子育ても仕事も日々の生活も、なんやかやと楽しくやっています。
そんなオカンのお話でした。

最後までお読みくださりありがとうございました。

◆この記事を書いた人

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PROFILE:氏田 有希(うじた・ゆき)
夢はキャンピングカーでアフリカを旅すること。趣味はコテンラジオを聞きながらの料理。お酒が強そうと言われるがそこそこ弱いので「そこだけは裏切るよね」とよく言われる。

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