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洋館探訪 〜レンガの数だけロマンがある〜
新型ウイルス対策の影響で家から出れない生活が続き、思うことはただひとつ。
「旅行に行きてえ」
私は旅行が好きだ。安定しない収入で生活する売れない作家である現在は、万年貧乏を極めなかなか機会がないと行けないのが難点だが、それでも年に数回遠出をしている。
旅先での一番の目当ては茶漬けをはじめとするグルメだが、同じくらい好きなのが建造物だ。
正直、建築については知識は素人である。……いや、それ以前かもしれない。高校生になるまで、自分の家が木造なのかなんなのかもちょっとわかってなかったくらいには、建造物に対して疎いのだ。
しかし、知識だけが愛の証明ではないと思う。
建築物の中でも、特に好きなのは洋館だ。荘厳さすら感じるレンガ造りの外装や、細やかな装飾が魅力的な内装、それはもう芸術と呼ぶべき美しさである。明治時代に文明開化が起こるまで日本になかった西洋のムード漂うその建物たちからは、文化と時の香りがする。それがたまらなくツボなのだ。
地元・横浜は横浜三塔をはじめ、山手通りに点在する異人館やみなとみらいの赤レンガ倉庫など、クラシカルな雰囲気漂う建造物が多くある。物心ついた頃からあの街と育ったためか、私はすっかりあの気高さ感じる美しさの虜なのだ。
今でも地元に帰った時は、馬車道や日本大通りを歩き、大さん橋からみなとみらいを眺めるのがおきまりのコースである。
キングの塔こと『神奈川県庁本庁舎』
クイーンの塔こと『横浜税関』
ジャックの塔こと『横浜市開港記念会館』
横浜港大さん橋国際客船ターミナルから見たみなとみらい
それから東京で暮らすようになり、仕事の都合で東京駅に行くことも多くなった。何度訪れても丸の内駅舎の、あの豪奢で荘厳な雰囲気には惚れ惚れする。
また、一時期丸の内にあるホテルで結婚式の配膳スタッフのバイトをしていた頃、大きな窓から見える『三菱一号館美術館』が大好きだった。陽キャ大学生みたいなハリキリバイトにいびられても、クセの強いマネージャー社員にバックヤードでの笑顔を強いられても、そのホテルには進んで出勤していた。すべてはあの赤レンガを眺めるためだった。
旅先でいうと、大阪の中之島も素晴らしかった。
『中之島図書館』や『大阪市中央公会堂』を眺めながら歩く中之島遊歩道は、格段に趣があったっけ。土佐堀川、堂島川から聞こえてくる水音がまた情緒的で、街の雰囲気ごと抱きしめたいくらい素敵だったなぁ。
中之島図書館
大阪市中央公会堂
岩手に一人旅をした際に訪れた『岩手銀行赤レンガ館』は、横浜のジャックの塔を想起させた。
建物内の写真も入館料300円支払えば撮り放題ということだったので、親の仇のごとくシャッターを押した。赤レンガに豪奢な内装、まさに私の大好きな洋館!
日本を飛び出し、初めての海外旅行先として訪れた上海・外灘もまさかあんなに洋館が多かったとは。
ひとり川沿いでテンション爆上がりになりながらカメラを構えていた。見渡せばロマンチックなレトロ建造物、川の向こう側には東方明珠電視塔などの近未来的な建造物、そして胃袋には美味しい上海グルメ……一瞬で上海が好きになった。
レンガ造りの建物が軒先揃える道の先には川の対岸にある東方明珠電視塔
薄暗くなり、ライトアップされるとまた別格に綺麗
時計の盤の模様まで美しい上海海関
各地の洋館の美しさによだれを垂らしてきた私だが、一番ドバドバ垂らしていたのは、間違いなくヨーロッパ旅行だろう。
なんてったって巡ったのは西『洋』諸国。洋館しかないし、『洋風』の建築ではなく『洋』の建造物。嫌いなわけがない。
駅、博物館、美術館、教会、そして古城……もうたまらん美しさだった。ネットスラング的に言えば『性癖に刺さる』というやつだろう。
イギリス・キングスクロス駅
ハリー・ポッターの9と3/4番線の撮影が行われた場所として有名
窓のアーチや金色の風見鶏が素敵!
イギリス・セントパンクラス駅
ロンドンにある駅、全部最高説をここに提唱したい
オランダ・ダム広場
首都アムステルダムの中心にこれですよ
こちらは旧市庁舎だそうで
フランス・パリ市庁舎
市庁舎も全部最高説を定説にしたい
フランス・ノートルダム大聖堂
内装部門個人的1位の教会
ステンドグラスやバラ窓もものすごく綺麗だった
フランス・カルカッソンヌ
石畳、レンガ、そしてオレンジの夜間ライトと碧瑠璃の空…
どれを撮っても美しくてため息が出る
間違いなくこの旅のベストショットだ
他にもスペインやスイス、アンドラ公国など訪れてバッシバシ写真を撮ったが、撮りすぎて見境なくアップしそうなのでこれくらいにしとこう。
最近、外に出れない寂しさを紛らわせるように旅行先で撮った美しい建物の写真を眺めて、各地での思い出を呼び起こしては浸っている。
早く旅行に行きたいなあ。今一番行きたいのはドイツのおとぎ話に出てきそうなほど美しい街・ローテンブルクだ。
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