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【宇宙】最古の光ってどんなの?

1.勘違いしていた観測可能な宇宙の大きさ

以前に宇宙について綴ったNOTE、宇宙の外側ってどうなってんの?において、宇宙の大きさと形についての空想を述べました。後になってネットで検索してみたところ、宇宙の年齢は約138億歳で、地球から観測できる宇宙の大きさは約940億光年の球体だそうです。確かなことは、宇宙が膨張を続けていて、地球との距離が離れている天体ほど離れるスピードが速くなるということくらいでしょうか。

太陽系の中だと、恒星・惑星間の距離は劇的には変わりません。月と太陽について考えると、これらは地球との間隔は(誤差はあれど)ほぼ一定に保たれていて、空を見上げると月は約1秒前の状態を、太陽は約8分前の状態を見ている計算になります。そうなると、太陽系と一緒に動いている太陽系外100光年の地点から地球を見たときには、今頃は100年前の地球の映像が見えているのでしょう。

さて、今度はもっと距離が離れている天体について考えたいと思います。仮に、宇宙の年齢と同じ138億年前に放たれた光が地球で観測されたとしましょう。これまで私が勘違いしていたことですが、これは「138億光年先に今ある天体を見つけた!」ということではなかったのです。下の図をご覧ください(縮尺はデタラメ)。

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実際には宇宙が膨張することによってあらゆる天体が地球から遠ざかり続けています。つまり、対象となる天体が地球に向けて光を放った大昔は今よりももっと距離が近く、地球に光が届いたときには138億光年(図中の小円)まで離れていたということを意味します。宇宙の年齢が138億歳なのだから、一見観測可能な宇宙領域は小円の範囲内だと思い込みがちですが、宇宙膨張を加味すると半径470億光年(図中の大円)まで観測できると現在では考えられているそうです。

2.地球から観測できる最古の光

それでは、地球から見た宇宙の果てとも言える470億光年先を見たらどうなっているのでしょうか。宇宙誕生時の高温で光が溢れていた過去の神秘的な映像を見ることができたなら素晴らしいことですが、実際は夜空を見上げれば分かるように宇宙は真っ暗です。どうしてでしょう?

宇宙誕生直後は、光子が電子の影響を受けて真っすぐに飛ぶことができず、霧がかかったように光が散乱していました。これでは、ちゃんとした映像として捉えることができません。この状況が一変したのは宇宙が38万歳になった頃のことです。電子が原子の一部として取り込まれたため、光子が自由に飛び回れるようになり、ここから映像として捉えられる時代が始まりました。このことは、霧が晴れてくっきり見えるようになったという意味から「宇宙の晴れ上がり」と呼ばれています。

実は、当時の光子は今も宇宙全体から最古の光(目には見えませんけれど宇宙マイクロ波背景放射)として地球に降り注いでいて、それがビッグバンがあった証拠だとされています。光子は宇宙を波という形で伝わっていますが、宇宙が膨張するとともに光子の波長が長くなる(=長波長シフト)特徴があります。とりわけ可視光の範囲では、青色から赤色へと色が変化するためレッドシフトとも呼んだりします。

実際に観測されている光子の波長は、電子レンジでも使われているマイクロ波の領域にまで長波長シフトしていますが、波長がもっと短い可視光領域だった時代には、宇宙全体が真っ青だったり真っ赤な光に覆われていたのかもしれません。が、宇宙が真っ暗ではなかったら、夜になっても明るいままで時間の感覚が完全にマヒして、寝るのが大変でしょうね(    'ω'  ; )

余談ですが、宇宙が真っ暗に見える理由はこの他に、宇宙のほとんどはスカスカの真空で恒星がいくら輝いていても光を反射してくれるスクリーンのようなものが無いことと、宇宙に存在するほとんどの恒星が光より速いスピードで遠ざかっていてその光が届かないからだそうですよ。


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