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薄楽俊
2024年5月4日 17:59
五月のノスタルジー あやめかる安積の沼に風ふけば をちの旅人 袖薫るなり 源俊頼風が万物を薫らせ蒼い静脈の這う近所の少女の乳房が膨らみ出戻りの姉の白い太腿はむき出しで縁側に投げ出され売春宿のぼくの恋人のお腹の産毛が陽炎のようにゆれるそんな五月の白昼に不如帰が鳴き出すと工事現場では必ず神隠しが起こり少女の腋臭のような沼の匂いが山から下りてきて夕暮の雨は予想
2024年3月21日 00:02
後朝のうた春はあけぼの山ぎわに目覚めた泡立つ光にふたりのときは美しくこわれ薄もやのたえだえにしずかに身を横たえるせぜのあじろぎ水おとはさやけくほそくまだ草むらに這うものの雲はすでに峰をはなれてたなびき 人の袖の涙もそのようにまたうつろいゆくものかしのぶもじずりわれならなくにまた巡り逢う日をおもいゆっくりと剥がれたときの表皮を抱くのみのわたくしなのです #詩 #現代
2024年2月4日 03:14
やっとひとりになれた夜 おれは波止場の見える安ホテルの一室で 情交の名残りでもあるかのようにシーツに落ちていた あの時の一本の縮れた女の陰毛を思い出していた湖水を染める晩秋の夕焼けはとっくに終焉しもうじき窓には無影灯のように青白い女の貧相な乳房が姿を見せるだろうおれが女をはじめて抱いたのは いや 抱かされたのは どうでもいいような研修会のあとの五階建ての薄汚れたこのホテルだった 初