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薄楽俊
2024年5月4日 17:59
五月のノスタルジー あやめかる安積の沼に風ふけば をちの旅人 袖薫るなり 源俊頼風が万物を薫らせ蒼い静脈の這う近所の少女の乳房が膨らみ出戻りの姉の白い太腿はむき出しで縁側に投げ出され売春宿のぼくの恋人のお腹の産毛が陽炎のようにゆれるそんな五月の白昼に不如帰が鳴き出すと工事現場では必ず神隠しが起こり少女の腋臭のような沼の匂いが山から下りてきて夕暮の雨は予想
2022年11月11日 00:18
挽歌少しづつ距離ができる希望が生まれるたびに願うたびにぼくたちは言葉で幾多の景色をつくったまるで国産くにうみのようだと君はいいぼくは初夏に横たわる丘陵のような君のなだらかな腹を無言で撫でたとるに足らない戯れの過ぎてゆくほどにたまらなく愛おしくなるのはなぜか希望がかなえられるごとに言葉は単なるツールとなってぼくたちは労働者の消えた鉄の街の払い下げアパート