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ナチズム(国民社会主義)とは何か?ヒトラーが目指したもの【完全版まとめ】

ナチズムとは?ヒトラーの『わが闘争』を読んだことすらないのに、世の中には、全部分かったようにナチスを批判したり、ヒトラーを例にして叩いたりする人がいます。悪いものは全部ナチスのせいにする、そういった批判を見るたびに私は納得できず、だからこそナチズムを理解していない、分からない人のために、まとめ、これを紹介することにしました。この記事では、ヒトラーの『わが闘争』もたくさん引用していますので、『わが闘争』をまだ読めていない人でも参考になると思います。この記事を読み終わった後に、あなたのナチズムへの理解が深まったなら私としては喜ばしいことです。引用も含めるとかなりの長文になるので、ゆっくり休み休み読んでください。

<参照・引用>
『わが闘争』(角川文庫)アドルフ・ヒトラー
『続・わが闘争』(角川文庫)アドルフ・ヒトラー
『ヒトラーのテーブル・トーク上・下』(‎三交社)アドルフ・ヒトラー
『ヒトラーの遺言』(原書房)著:マルティン・ボルマン、訳:篠原正瑛
『ヒトラー思想のススメ』(展転社)著:篠原節、瀬戸弘幸
『ヒトラーへのメディア取材記録 インタビュー1923-1940』(原書房)著:エリック・ブランカ、訳:松永りえ
『ツァラトゥストラはこう言った』(岩波文庫)ニーチェ
『高知能者のコミュニケーショントラブル』(Kindle出版)安間伸

以下の記事もあわせて読んでいただければ幸いです。

ナチズム(ナチス)とは?

ナチズムとはナチス、国民社会主義ドイツ労働者党の思想(ドイツ語でイデオロギーという)であり、1933年から1945年までの12年間ナチスドイツでは国家の公式な思想とされました。ナチスの支持者は当初は労働者や中産階級、農家階級を中心としていましたが、世界恐慌後国内が大混乱に陥ってからは、完全な国家再生と国際的地位回復を訴えるナチスの魅力的な政策に対してほぼ全ての階級が支持しました。国民社会主義ドイツ労働者党は、ドイツ語でNationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei (略称はNSDAPで、ドイツ語読みでエヌエスデーアーペー)と言います。日本では昔は「国家社会主義ドイツ労働者党」と訳されていたのですが、ドイツ語の「national」はあくまで「国民的、あるいは民族的」を指し、「国家(staats)」とは異なる意味になるとして、現在は「国民社会主義ドイツ労働者党」と訳されているのが一般的です。ナチズムを支持する日本人は、「国民社会主義者」、またナチズムを支持する海外の人は自身をNational Socialistと言っています。

続いてナチズムの特徴について、大まかに私の方で以下の4つに分類しました。

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