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アキのユーウツ/連載エッセイ vol.5

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.7(2001年10月)」掲載(原文ママ)。

秋である、多分。
この原稿を書いているのが夏の終わりだから、これが活字になる頃にはきっと秋に違いない。
最近流行の異常気象のせいで断言できないのが辛いが、まさかそこまで空もヘソを曲げないだろう。
外れてたらごめんなさい。

さて皆さんは秋という季節が好きであろうか。
私の周りの人間は、何故か秋を愛する人が多かったように思う。
もちろん私自身も好きだ。

馬鹿騒ぎした夏も終わり、過ごしやすい気候の中で日常を取り戻していく、あの祭の後の様な雰囲気。
澄んだ青空の向こうから、静かにしかし確実に歩み寄ってくる冬の足音。
それらを肌で感じつつ、虫の音に身を委ねて暫し物想いに耽る夜長。
いや~、いいですねえ!

特に冬の訪れの早いみちのくは、秋の賞味期限が短い。
油断しているとあっという間に秋は過ぎ去ってしまう。
だからこそ私のような「秋マニア」は神経を研ぎ澄ませて、このはかないが故に美しい季節の移ろいを楽しむのだ。

しかしである。
今年はどうも期待できそうにない。
もちろん天候のせいではなく…。

私たちが研修などで院を空けることが多いのは前にもこの欄でふれたと思う。
それがこの10月は極端なのだ。

人にもよるが私の場合、所属している会の研修や「まなびピア山形2001」への参加、JFCPの国際シンポジウムなどが続くは続くは、3週間の長期遠征となってしまった。
これじゃあ、帰ってきたら、こっちは初冬ではないか。
ガッカリ…。

そしてそのこと以上に私の頭を悩ませるのは、不在時の患者さんのフォローである。
1人でも多くの患者さんと向き合うためには研修は必要である。
しかし目の前の患者さんにしっかり向き合うことも同じく重要である。
矯正師がまだまだ少ない東北ゆえの悩みなのだが、憂鬱は深まるばかりだ。

これを読んでいる方で、もしこの方面に興味のある人は一度真剣に考えてみませんか。
なにしろこの季節、考える時間は夜にたっぷり用意されていますから。


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