萩原珈琲の文庫室

昭和3年(1928)創業。萩原珈琲の文庫室。歴史から日常まで、様々なことを本棚にストッ…

萩原珈琲の文庫室

昭和3年(1928)創業。萩原珈琲の文庫室。歴史から日常まで、様々なことを本棚にストック致します。 ●棚番号① 萩原珈琲あれこれ ●棚番号② 企画・イベント ●棚番号③ とある喫茶店の風景 ● 棚番号④ コーヒーの淹れ方 ● 棚番号⑤ 図鑑のコーナー ● 棚番号⑥ わがまま喫茶室

マガジン

  • 棚番号3 とある喫茶店の風景

    訪問したお店(喫茶店)で感じたことを記録し、取り貯める本棚。 喫茶店での出来事や感じたこと、見たことを主観的に記録していきます。

  • 萩原さんちのゆるゆるコラム

    4代目・萩原のゆるゆるコラム。コーヒーに縛られず、自由気ままに書いていきます。※不定期更新

  • 棚番号2 企画・イベント

    期間限定コーヒーや企画。イベント出展などの記録のための本棚。 企画ができた背景、企画の楽しみ方など。イベント情報や、出展の感想などを記録しています。

  • 棚番号5 萩原珈琲図鑑

    萩原珈琲の珈琲豆を種類別に記事化。とりためた本棚です。代表的な豆から、陰の立役者支まで。少しずつ、全種類掲載できればと思います。

  • 灘のブレンド 4種記事

    灘区生まれ、灘区育ちのコーヒー鑑定士が作った 灘区生まれのブレンドコーヒー。その製作背景、物語の本棚。 #神戸市 #灘区 #摩耶山 #灘中央市場 #水道筋 #灘のおやじ

最近の記事

無駄を重ねて喫茶店。

印象的な店主さんの言葉。「喫茶店はいかに無駄を重ねていくか。これが個性を生むんですよ。」 この喫茶店は、入り口を入ると左手に厨房とカウンター。右に折れるとずどんと吹き抜け、お店全体が見渡せる。向かって左手に大きなガラス窓。窓から見える溜め池ののり面に四季折々の「雑草」が花を咲かせ季節を告げる。そして、奥に向かって4人がけ、長テーブルなど、スペースに応じて形の異なる家具が配置されている。 値段が安いわけではないけど、ランチを食べ終わる頃にはいつも「満足感」がある。そんなメニ

    • 味わい深い「いも掘り」を通じて思うこと

      萩原珈琲の「ほるもん(捨てるもの)から掘るもんへ」プロジェクト。そのキックオフは、初夏6月に始まった。 焙煎過程で出る、廃棄焙煎豆(食品残さ)を一部堆肥に混ぜ込み、その土からさつまいも芋を作るプロジェクト。観光の「芋掘り」とは全く違う工程で、 いわゆる「芋掘り体験」は、実は農家さんの作業「4. 収穫」のほんの一部だけを体験していて、本来の掘るまでの過程をすでにやって頂いているんだなぁと、あらためて実感した。 当たり前のように「買う・食べる」から、社員のみんなと「植える~

      • オッケー、任せる。クリスマスブレンド2023

        始まりは10月中旬の「クリスマスブレンドのテーマを募集しまクリマ~ス」の一声。開発課N主任。ん?と思いつつ聞き流す。社員から公募したテーマが13案あるらしく、全員投票することになった。 全員投票の良いところはみんなが「参加している」気分になれる。悪いところは、めちゃくちゃ無難な案や「聞こえの良い」安全な案が選ばれがち。今回も、いくつか鋭いフックになりそうなテーマがあった。しかし「子どもが寝静まったあとにサンタさんが飲むコーヒー」が暫定トップ。 ここで指摘する。「人間がいつ

        • 秋のまんまるブレンド

          2023年8月31日が満月。そしてスーパームーン。その翌日から発売される「秋のまんまるブレンド」。タイミングが…と思いつつ、その背景を深掘りしてみる。J.C.Q.A.認定 コーヒー鑑定士の長いひとり言。 近年、ハロウィンで盛り上がる報道を目にすることが多く、それに向けたイベントや企画が多い。でも、本来「日本は五穀豊穣、収穫を祝い、感謝する代表的なものの一つにお月見がありますよね?」そんな声からブレンド作りが始まった。いやいや、そもそも「コーヒー」で日本文化を表現が難しいです

        無駄を重ねて喫茶店。

        マガジン

        • 棚番号3 とある喫茶店の風景
          19本
        • 萩原さんちのゆるゆるコラム
          4本
        • 棚番号5 萩原珈琲図鑑
          23本
        • 棚番号2 企画・イベント
          25本
        • 灘のブレンド 4種記事
          5本
        • 棚番号1 萩原珈琲あれこれ
          15本

        記事

          レモンにお塩でどうぞ。を思い出す。製造部社員の心づかい

          会社は、たまにピンチを迎える局面があって、その局面を何度か打開していくと、ピンチをピンチと感じなくなってくる。結果、社員もピンチを焦らず処理できるようになったり、前向きに「頑張ろう!」見たいな意識が芽生えて、なんだか今はいいチームだなと感じることが多い。 今回も、不慮の人員不足に陥り、製造部がどうしても人手が足りないんだけど、それを乗り越えよう!という強い意志が社員から感じられる。併せて、自分もよい機会なので、製造部として密着する(働いてみる)。 100g小ロット対応・ブ

          レモンにお塩でどうぞ。を思い出す。製造部社員の心づかい

          Vol.3 机上の話 帰宅前のルーティン

          毎日、机の上を綺麗にする。 当たり前なんですが、それを維持することが難しい。でも、めちゃくちゃ小さなルール4つ決めたら、机に何もない状態で帰られるようになりました。 ① 隣席の境界線に転がりやすい玉を置く →玉の位置を乱さない ② コップサイズの小さなゴミ箱 →いる要らないをその場で判断する →入らないものは即処分 →小さい、またはちぎれば入るものだけ入れる ③ 帰宅前にパソコンを引出しにしまう ④ 帰宅前の最終の形を決める →PCプラグを土産物の車にさす ①~③

          Vol.3 机上の話 帰宅前のルーティン

          「小さい」の繰り返しの結果

          // 岡山県井原市から中学生♪ 近年の修学旅行では、環境や生産の仕組みについて学ぶ時間があるようです。萩原珈琲って、SDGsについての仕組みをどのように取り組んでいるの?そんなテーマで、神戸訪問の際に私たちを選んで頂きました。 当然、コーヒー焙煎をしているのですが、最も分かりやすいことは、焙煎のエネルギーが「100%国産の炭」ってところです。 この8年間取り組んできたことが、ゆ~っくり認知されはじめ、県内外の「中高生・大学生」にお越しいただくことも増えてきました。生徒や

          「小さい」の繰り返しの結果

          気持ちの交換

          開くお店もあれば、閉じるお店もあります。 何十年も続けてこられた喫茶店。もはや地域の文化ですね。そんなお店の閉業のご挨拶に行きました。 どんなに忙しくても、明るくお話してくださる従業員のお二人。シフト上、休憩もままならない環境で一生懸命、最終日までお客さまのために!と続けてこられていました。 この度、お店はクローズしてしまいますが、お二人の気持ちや姿勢に、お客さまがお応えしていくシーンに出会いました。 ・本当にお疲れ様 ・もうあなたの珈琲が飲めなくなるなんて ・花束2

          vol.2 ひな祭りとコーヒー

          CEOの萩原です。 仕事がら、週末に妻から「○○に合う珈琲淹れて♪」と言われることが多いのですが、迷うことも多いんですよね。 今日はひな祭り翌日ということもあり、朝食にさくら餅が出てきました。コーヒーと飲み合わせるとき、さくら餅で意識したいのは次の2点。 ①上品な桜の葉香り ②あんこの強い甘味 どちらにコーヒーを合わせるかがポイントなんですが、せっかくの季節感。「桜の香り」を活かそうと思います。大まかに、次の設定をしてみます。 ①あまりボディー(重厚感)の強くないもの

          vol.2 ひな祭りとコーヒー

          2022 冬の「ふぅ、ほぉ、はぁ」

          秋のブレンドが終わった。 秋終盤は「日本の秋」と言うよりは「ハロウィン色」が強い。中秋の名月・お月見も、これくらい関心がもたれるといいな。と思いながら、ハロウィンブレンドを作った。前述(ハロウィン記事)の通り「遊び」を中心に味の七変化!を実現させるためのブレンド。実は4種類の生産国から作られている。 11月1日からの「冬のブレンドコーヒー」を始めるにあたり、トリッキーなハロウィンとは真逆の「安定感」「安心感」を求めるブレンドを作ることにした。そして、ハロウィンブレンドに用いた

          2022 冬の「ふぅ、ほぉ、はぁ」

          ハロウィンブレンド2022

          飲むたびに味が変わる。 そんな不思議なブレンドコーヒー。 ブレンドコーヒーの基本的な作り方は「飲みやすくする」。① ある特徴的な風味の豆を多くいれて、その香りを残しながらクセを弱める。 ② 混ぜる豆の種類を多くして、個性を打ち消し合い(補い合い)飲みやすく仕上げる。なので、ある程度風味が安定します。 さて、今年のハロウィンブレンドは… 一杯ずつ豆を挽いて淹れると、実は毎回香味が変化するように設計されています。お鍋の具材をお玉ですくう。そのときに、いつも均等に具材を取ること

          ハロウィンブレンド2022

          2022 秋のほっこりブレンド - 最終章 -

          秋のほっこりブレンド2022のイラストが届いた。2020年から地元神戸市灘区のイラストレーター minfactoryさんに手掛けて頂いていた3部作。きっかけはコロナ感染症による経済の機能停止。それぞれの人が抱える苦しみ、もやもやした気持ちをイラストとコーヒーを通じて「ほっこり」できないかなぁ。そんなふわっとした依頼から始まった。 一年目(2020)は、未知のウイルス「新型コロナ感染症」。 移動も制限され、人々が出会うことすら叶わない。遠くはなれた「誰か」を思いながら、草むら

          2022 秋のほっこりブレンド - 最終章 -

          Vol.1 毎朝のルーティン、靴とコーヒー

          昨年の春(2021年)。東京の展示会に出展した際、「ヴィーナスフォート」アウトレットショップで靴を買いました。紺色のシンプルなデザインでひと目で気に入ったのですが、何よりも価格が2,700円。足の幅に対し靴の作りが少し狭いのですが、価格を考えると全く苦にならず我慢できるものでした。 1年後、長崎に出張で掛けた際に大雨に打たれ、靴底にも穴が開いていた初号とはお別れをしました。そして長崎駅前のショップで、再び同じメーカーの2号を格安で手に入れました。初号と同じく、2号もやはり足

          Vol.1 毎朝のルーティン、靴とコーヒー

          窓辺のカフェタイムに、言葉をそえて。

          気持ちを言葉に変える。それは、声だけじゃなくて、手書きの文字に変えてもいいのかもしれません。デジタルな時代だからこそ「読み返せる」「残すことができる」のかもしれませんね。もらった人が、どんな場面でどんなふうに時間を過ごすのか。そんな幾通りもの場面を想像しながら、地元の方たちにご協力を頂き商品を作りました。 神戸市灘区出身 イラストレーター おすし@コバヤシさん 今年も期間限定で発売する「窓辺のカフェタイム」。タッチ数の少ないイラストに、作者や私たちの想いが詰まっています。

          窓辺のカフェタイムに、言葉をそえて。

          鳥取県日南町ブレンド ~いろといろ~

          自分の起源の50%は神戸で、残りの50%は鳥取県日南町だ。農業と林業が中心で自然豊かな町。母が6歳の時に祖母がなくなり、男手ひとつで育った影響からか、幼い頃から何度も通った町。 20年余り前に亡くなった祖父の家は空き家で、現在もたまに空気入れ換えに行く。江戸時代からの建物で、母屋、 馬小屋、 囲炉裏、釜戸、五右衛門風呂。もちろん便所は「はなれ」だ。屋号が代名詞のこの集落では、私のことを「○○屋の孫」と呼ぶ。田畑の手伝い・川遊び・ハンザケ・蛍・花火大会。そしていつかの小学校の

          鳥取県日南町ブレンド ~いろといろ~

          2022 老舗珈琲屋のバレンタイン

          正直、コーヒー豆焙煎卸業を本業としている私たちが、バレンタインという色の濃いイベントの日に選ばれる確率は低い。そんな中で、毎年「遊び心」を取り入れながら「#喫茶店に行こう」をテーマに社員企画を採用している。 ■まるでチョコのようなバレンタインブレンド 子どもの頃、おにごっこをしているときに、「ひとり3機な!3回タッチされたら終わりな!」と言っていたのを思い出した。ファミコンが流行っていたころで、命の代名詞として「機」を使っていた。そこで、社員にも本気でブレンド設計してもらお

          2022 老舗珈琲屋のバレンタイン