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レモンにお塩でどうぞ。を思い出す。製造部社員の心づかい

会社は、たまにピンチを迎える局面があって、その局面を何度か打開していくと、ピンチをピンチと感じなくなってくる。結果、社員もピンチを焦らず処理できるようになったり、前向きに「頑張ろう!」見たいな意識が芽生えて、なんだか今はいいチームだなと感じることが多い。

今回も、不慮の人員不足に陥り、製造部がどうしても人手が足りないんだけど、それを乗り越えよう!という強い意志が社員から感じられる。併せて、自分もよい機会なので、製造部として密着する(働いてみる)。

100g小ロット対応・ブレンド含む33種のラインナップ・1,000件を超える個人事業主さまのオーダー。不規則極まりないけど、この不規則なご注文に対応するのが「下町の工場(こうば)」みたいなプライドがあって、加えて「人間力」で対応するアナログで超非効率な仕組み。ただ、製造部社員は残業時間が年間20時間以下だし、無理なく細かなご注文に対応できている以上、アナログで非効率な仕事をやめる理由がない。なんならこの時代だからこそ、誇りにさえ思えたりする。

久々の製造部(15年前は製造部として勤務)に入り、今朝は、二十歳過ぎの社員とバディを組んだ。彼は高校1年生の頃から授業(高校での喫茶の授業)で教えていて、出会ってから5年、彼が入社してからは2年が経過した。豆を計る・袋に詰める・封かんする。この一連の作業の繰り返しだけど、実はそのルーティンの中に、無数の工夫が込められている。

例えば、計量前の袋の並べ方で、種類別に小さい順に袋を重ねて置いたり、豆を入れた袋の向きで、「同じお客さまの豆だから、100g x 3袋をセットで束ねてね!」みたいな秘密のサインがあったり。この現場を離れて15年の間に、事故を最小限にとどめながら、効率的に動き、時間内に仕事を終わらせる仕組みができていることに驚いた。やっぱ、現場にもたまに入って、小さな工夫に触れるというのも大切だなとつくづく思った。

そう言えばバディを組んだ若手社員が、私が次の動きをどうしたら困らないかを気遣って、かけてくれた自然で思いやり溢れる言葉が耳にのこる。「3つセットで袋です」。

誰かに連れて行ってもらった高級串カツ店の提供時の心づかい「レモン絞ってお塩です」を思い出した。

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