マガジンのカバー画像

棚番号2 企画・イベント

25
期間限定コーヒーや企画。イベント出展などの記録のための本棚。 企画ができた背景、企画の楽しみ方など。イベント情報や、出展の感想などを記録しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

オッケー、任せる。クリスマスブレンド2023

始まりは10月中旬の「クリスマスブレンドのテーマを募集しまクリマ~ス」の一声。開発課N主任。ん?と思いつつ聞き流す。社員から公募したテーマが13案あるらしく、全員投票することになった。 全員投票の良いところはみんなが「参加している」気分になれる。悪いところは、めちゃくちゃ無難な案や「聞こえの良い」安全な案が選ばれがち。今回も、いくつか鋭いフックになりそうなテーマがあった。しかし「子どもが寝静まったあとにサンタさんが飲むコーヒー」が暫定トップ。 ここで指摘する。「人間がいつ

秋のまんまるブレンド

2023年8月31日が満月。そしてスーパームーン。その翌日から発売される「秋のまんまるブレンド」。タイミングが…と思いつつ、その背景を深掘りしてみる。J.C.Q.A.認定 コーヒー鑑定士の長いひとり言。 近年、ハロウィンで盛り上がる報道を目にすることが多く、それに向けたイベントや企画が多い。でも、本来「日本は五穀豊穣、収穫を祝い、感謝する代表的なものの一つにお月見がありますよね?」そんな声からブレンド作りが始まった。いやいや、そもそも「コーヒー」で日本文化を表現が難しいです

2022 冬の「ふぅ、ほぉ、はぁ」

秋のブレンドが終わった。 秋終盤は「日本の秋」と言うよりは「ハロウィン色」が強い。中秋の名月・お月見も、これくらい関心がもたれるといいな。と思いながら、ハロウィンブレンドを作った。前述(ハロウィン記事)の通り「遊び」を中心に味の七変化!を実現させるためのブレンド。実は4種類の生産国から作られている。 11月1日からの「冬のブレンドコーヒー」を始めるにあたり、トリッキーなハロウィンとは真逆の「安定感」「安心感」を求めるブレンドを作ることにした。そして、ハロウィンブレンドに用いた

窓辺のカフェタイムに、言葉をそえて。

気持ちを言葉に変える。それは、声だけじゃなくて、手書きの文字に変えてもいいのかもしれません。デジタルな時代だからこそ「読み返せる」「残すことができる」のかもしれませんね。もらった人が、どんな場面でどんなふうに時間を過ごすのか。そんな幾通りもの場面を想像しながら、地元の方たちにご協力を頂き商品を作りました。 神戸市灘区出身 イラストレーター おすし@コバヤシさん 今年も期間限定で発売する「窓辺のカフェタイム」。タッチ数の少ないイラストに、作者や私たちの想いが詰まっています。

鳥取県日南町ブレンド ~いろといろ~

自分の起源の50%は神戸で、残りの50%は鳥取県日南町だ。農業と林業が中心で自然豊かな町。母が6歳の時に祖母がなくなり、男手ひとつで育った影響からか、幼い頃から何度も通った町。 20年余り前に亡くなった祖父の家は空き家で、現在もたまに空気入れ換えに行く。江戸時代からの建物で、母屋、 馬小屋、 囲炉裏、釜戸、五右衛門風呂。もちろん便所は「はなれ」だ。屋号が代名詞のこの集落では、私のことを「○○屋の孫」と呼ぶ。田畑の手伝い・川遊び・ハンザケ・蛍・花火大会。そしていつかの小学校の

2022 老舗珈琲屋のバレンタイン

正直、コーヒー豆焙煎卸業を本業としている私たちが、バレンタインという色の濃いイベントの日に選ばれる確率は低い。そんな中で、毎年「遊び心」を取り入れながら「#喫茶店に行こう」をテーマに社員企画を採用している。 ■まるでチョコのようなバレンタインブレンド 子どもの頃、おにごっこをしているときに、「ひとり3機な!3回タッチされたら終わりな!」と言っていたのを思い出した。ファミコンが流行っていたころで、命の代名詞として「機」を使っていた。そこで、社員にも本気でブレンド設計してもらお

秋のほっこりブレンド2021

コロナ禍のもと、昨年のほっこりブレンドは、餅つきをやめたうさぎ(月)を眺めながら、自分の居場所を見つけて、自分の時間を楽しもう。というテーマだった。 そして、2021年 秋のほっこりブレンド。今年もやはり、コロナ禍で外出制限などが強いられる中、どんなテーマにしようか?と考えた。「去年が草むらで外カフェ」なら、今年は「まちなかで、外カフェ(ベランダ)」かな? この二人が、別々の場所で、同じ空を見ながらコーヒーを飲んでいる。それは、どちらかがプレゼントしたコーヒーでもいいし、

父の日は、「パッ」と取って「さっ。

父の日に、特別なことをした記憶がない。そして、父になっても同じく。「いつも、ありがとう」も何か言いにくいし、そもそもこの日に限って、何かをする、も照れ臭い。 父の日の企画会議は停滞。らちが明かないので、「父の日にギフト」をテーマに、ディベートにかける。メッセージカード?いやいや、そもそも書くか?ギフトに添えれば?もはや父の日にギフトのハードルw そんな矢先、大学生の子をもつ社員が一言。 缶ビール1本、「はいっ」て渡されるだけでも嬉しいけどな…。照れてる場合じゃない。父の日

サマーブレンド2021 爽やか、甘みのモダン系アイス

先日、SNSでアイスコーヒーについてのアンケートを取った。「がっつりレトロ系」と「爽やかモダン系」。結果は、予想通りがっつりレトロが約75%と圧倒的得票数だった。納得感と同時に、4人に1人はあっさり、爽やかに飲みたいんだな、とも思った。 そこで、前年に引き続き、今年も「モダン系アイス」を作り、レトロ系 vs モダン系の「夏の合戦」を開催することにした。 本命 レトロ系 アイスコーヒーと言えば、やっぱりキリっと苦味、重厚感が欲しい。ロングセラーの萩原アイスブレンドは、苦味ど

再生

はじめての喫茶店は、お母さんと一緒だった

うちのおかんは、地元づかいのスペシャリスト。野菜はここが新鮮、お肉はここで買いなさい。いちいちうるさい。そんなおかんも知らない、地元の喫茶店の豆を買って帰ることにする。おかん、いつもありがとう。 むすめが、突然コーヒー豆を買ってきた。 いつもありがとう。という言葉も添えて。 地元のコーヒー屋さんらしいけど、どこなんやろか?封を開けて、香りを嗅いでみた。 ずいぶん前に、娘と行った喫茶店の記憶が、ふとよみがえってきた。

山上と麓の2点の中間、MAYA KANKO HOTEL。

一枚の写真を入手した。かなり昔の写真のようで、印象深い女性がこちらを向いて笑いかけている。ホテルのテラスでの一枚ようだ。幼少期にこのホテルの横を通った記憶がかすかにあるような、ないような。そして突然、妄想の世界が始まった。 かつてそこに、人がいた。 時代とともに栄華と衰退、復活を繰り返し、廃墟となった今、日常だった空間が非日常の世界に生まれ変わる。 独得の華やかな香りから、ふと懐かしさを感じる。飲み終わった後のいつまでも続く余韻が、廃墟となった今も、地元の人々に愛されてい

再生

マシュマロコーヒー座談会

ホワイトデー → マシュマロ → マシュマロコーヒー。 老舗珈琲屋さんならではの古い発想。ホワイトマシュマロに合うコーヒーを探す企画。コーヒーの種類によって変わる、4人の男たちのリアクション。 「なんで?こんなことある?」とか、「うぅん…」みたいにうなる場面。しまいに、「○○(コーヒーの種類)がかわいそう」など思い思いの感想が飛び出した。 初めての企画。座談会。 役職、部署の垣根なく、社員同士で素直に感想を話している姿を10分にまとめた。 (結果) 1位:こんなことある!?を連呼された、感動的ベストマッチ。モカ。 2位:オリエンタルな風味。大人のドリンクに早変わり。マンデリン。 3位:酸味を包み込むマシュマロが、とても良く合う。キリマンジャロ。 今年のホワイトデー。ちょっと古風に。 老舗の珈琲にマシュマロを溶かしてみる。そんな時間を誰かと共に過ごすのも、いいかもしれない

老舗珈琲屋さんのちょこっとしたラブ。バレンタインの物語2021 コンセプト裏話

行きつけの喫茶店。 そこで過ごす時間が好きだし、店主と話をすることが一番の楽しみだったりする。だけど、今日はちょっとドキドキ。そう、2月14日、バレンタインデーだ。 日々の生活のルーティンの中にある喫茶店。特に今日が特別という意図もなく、店に入る。偶然、今は他に客がいない。この特別な日取りと、二人きりという感覚が、少し気まずい空気を生み始める。 店主は、いつもと変わらない口調で話かけてくる。 どうやら気にしているのは自分だけで、大したことではなさそうだ。コーヒーが出てきた

パイロンとポール?らくがき板。

コロナ禍で、20年4月から本社勤務時間が短くなり、通勤ラッシュ時間をさけることから、勤務時間が変更となった。本社社員はフレックス制を導入し、8時間勤務を廃止。8:00~17:00の間の、7.5時間~8時間勤務で良しとしている。 一方で、本社一階には、小売りショップ「コーヒースタジオ」が設けられている。工場の直売所で、毎日20~30人くらいのお客様にご来店いただくが、閉店時間が18:00だ。ここで、問題が生じる。本社直売所(ショップ)は、本社ビル、シャッターの内側にある。つま