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関西の笑いと人情ここにあり

2007年2月19日に投稿したブログより。

なんでしょう。今まで落語をネタにした話で、はずれたことがありません。

しゃべれどもしゃべれども」しかり、「粗忽拳銃」しかり、どれも佳作ぞろいです。

で、今回もご多分に漏れず、楽しめる作品になっています。

作者はSFやら、パロディ小説とかを書いている人なのですが、何分奇抜なものが多そうで、今まで読むのを控えておりました。

ようやく食指が動くようなテーマが重なり、手を出した次第です。

同じ落語がネタでも、これは舞台は大阪。というわけで、上方落語が主題となっています。

これに、不良とミステリーの要素が加わるというあたり、まさに元祖タイガー&ドラゴンと言ったところでしょうか。

主人公の名前も竜二ですし、本当にこの本が元ネタの一部になっていたのかもしれません。

短編連作で、それぞれの短編が噺のタイトルになっており、その噺と絡んだ形で師匠と弟子が謎を解き、事件のオチに至るといったあたりもとてもドラマ仕立てっぽい感じ。

視覚化しやすいことからも、マンガの原作にもなっているらしく、悲しいかな、文庫版の表紙がなんだかイマイチ売れていない漫画家が書いたような安っぽいイラストになっています。

でも、表紙に惑わされることなかれ。結構読み応えのある佳作ですぞ。続編も出ているようですので、早期の文庫化に期待します。

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