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仕事の心構え

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会社の方針や、見聞きしていいなと思った考え方を思い立つままに綴っています。 このマガジンの内容はKindle本でも好評発売中です。
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2023年6月の記事一覧

口撃する人は相手の度量に甘えているだけ

業務の引継ぎに際して、またそこから生じるいざこざについてはこれまでも何度か似たような状況を見てまいりました。 問題はどのような経緯がそこにあって引き継ぐことになったのかということ。 スムースな引継ぎになるかどうかというのは、引き継ぐ側と引き受ける側の人間関係が、もともとどういう関係性であったかというのも影響しますよね。 お互いへの印象が良いか悪いかという感情的な要素です。 例えば、引き継ぐ側が栄転となり、それほど知らない後任者に業務を引き受けてもらうなんていう場合は、

共有していない固有名詞を使う人

会議などでもそうですし、プライベートの会話においてもそうですが、突然こちらの知らない固有名詞を使ってくる人が一定の割合でいます。 例えば会議の場面ですと、拠点長たちが様々なエリアから集ってきて、各地の状況報告をする際。 この場合は、状況報告と言っても詳細なものというよりは、どのような営業が成果が上がったかなどの情報交換と対策の検討のために行うものですから、原因と結果については抽象化した内容の報告が求められています。 ましてや、限られた会議の時間の中で複数の拠点長に報告を

質と量はどちらが先か

業績が停滞気味になっていたり、低迷していたりする拠点の状況を確認してみると、該当拠点の拠点長からはどこもよく同じような回答が返ってきます。 言えば「今は内部体制を整えています」、言えば「今はケアの質の向上の方に力を入れています」などなど。 その言い訳全てに共通しているのは、結果として外部活動を疎かにしてしまっているという点です。 そもそも内部体制がガタつくのは、お客様を見ようとしないスタッフたちがケア以外で目についたことに不平不満を漏らしだすから。 もっというとお客様

種明かし的な基本の話

これまで散々多くの駄文を綴ってまいりましたが(引用してきた文章はもちろん名文です)、実はベースとなる考え方がいくつかあって、あとはその基礎の上に具体的な事例を付け加えて各コラムのテーマとしてきました。 全てではありませんが、いくつかの代表的な思考の在り方を挙げてみます。 まずは大項目的に一番の下地となっているのは、稲盛和夫さんの人生の方程式です。 そして、そこから派生したものとして米国で成功された経営者である藤田浩之さんの方程式もとても参考にしています。 つまり、人間

人材は目の前にいる

前回のコラムでは、私自身の至らなさのせいで去っていかれた人材についての話でした。 今回は、反対に見出すことの出来た人材について。 引き継いだ組織の体制が整わない中、気持ちの揺れ動く拠点長も多くいて、中にはこんな泥船に乗って一緒に沈んでいくことなんて考えたくないと自ら起業を志す人もいらっしゃいました。 ところが、同じ辞め方にしても人それぞれで、身ひとつで辞める方もいらっしゃれば、ゴソッとスタッフやお客様を引き連れて辞めていくようなとんでもない方もいらっしゃいました。 今

人材は目の前にいた

多くの拠点があると、その運営の内情も様々です。 拠点の数だけ違った性格の拠点長がいて、拠点長の数だけそれぞれの人との距離の取り方があります。 中には拠点長に問題があるという判断にて、別の人に交代ということもあるでしょう。 今の状況が良くないのであれば、何かを変えない限り環境は変わりません。 リーダーの交代というのは、営業所にとっては大きな変化です。 ところが、今の状況のまま放置をしておくことはできないと、人物を見極めないまま早急に配置転換を行うと、その不適切な人事異

生活の安定と向上のために

採用の部署を兼任するようになってから、かつてやっていたような新規学卒者の面接を再び担当することとなりました。 ご時世的に今はまだまだオンライン形式の面談が多いですが、複数の企業の面接を受ける学生さん側からすると、かえってその方が便利なのかもしれませんね。 ただ、これは会議でもそうなのですが、やはり画面越しよりも直接お会いしてお話させていただいた方が、お互いの距離感を縮めやすいような気がするというのはアナログ派の勝手な思い込みなのでしょうか。 自分が学生の時を思い出すと分

今こそ集合型の実践研修を

3年続いたコロナ禍も、何とか少しずつ落ち着いてきた感があります。 会議の形態もオンラインがすっかり定着しましたが、少しずつ集合型も織り交ぜ始めています。 以前のコラムでも述べましたが、「脳トレ」で有名な東北大学の川島教授が警鐘を鳴らされたとおり、オンラインでのやり取りには脳が何の反応も示さないため共感が起こりにくくなるそうです。 オンラインのやり取りでは、モチベーションアップにつながらないということですよね。 「そんなことない、映画のように画面越しでも感動することがあ

人材採用に妥協しない

サービスの質を高めるため、もしくはこれ以上質を落とさないためにできることとして、最初に心がけなければならないのが「一緒に働く人を選ぶ」こと。 当社では、ここの入口で失敗するのを予防するために「人材採用に妥協しない」というフレーズをよく使用してきました。 ところが、この妥協するかしないかというのはとても曖昧で、一定の選考基準を設けたとしてもそもそも選考する面接官の選別眼によって同じ人物でも採用するかしないかは、結構左右されてしまうことだと思っています。 そこで、これも感覚

ブランディングの創造

潰しが効かなかった、ということもあり同じ会社に27年間勤めています。 もっと別の良い表現で言いますと、結局今いる組織が好きなのですよね。 そういう社員がいる一方で、他方では入社後すぐに退職してしまう人もいます。 上長や同僚などを含めて、その拠点に新人さんへの受け入れ体制や意識が足りなかったということも言えるかもしれませんが、そもそもミスマッチが生じていたということも否めないケースも見受けられます。 ミスマッチが生じる理由としては、やはり「思っていたのと違う」ということ

自分の場所を振り返る良い機会

コロナ禍が始まって、こうして自ら情報を発信することが多くなり、新たな情報発信のプラットフォームを求めて始めたSNSがあります。 そのうちのひとつがビジネスに特化したSNSである「Linkedin」なのですが、これまでとはあきらかに違った要素がここにはあります。 フェイスブックのような、もともと知り合いとして繋がっている同士がネット上でも交流を図ることを目的としたものと違って、通常のブログやSNSなどはネット上での双方向のやり取りはあったとしても、これまで知らない人間同士が

営業はABC分析に基づいて

先日のコラムにおいて、私たちの業界はまだまだ閉鎖的で、実際のサービス内容や実情などを含めて情報発信が足りていないことを実感したと述べました。 おそらく一般的に何となくイメージできるサービスというのはせいぜい訪問介護やデイサービスくらいで、あとは小規模多機能型居宅介護とか言っても分からないのではないでしょうか。 先だって、外部の方からのヒアリングを受けた際に、業界内における主たる営業訪問先がケアマネージャーであって、一般の方に直接アプローチをする機会がほとんどないこと、だか

時効だと勝手に思っている話

あまり昔話をすると嫌がられますが、今回は仕事をし始めた頃の思い出話を。 今から28年前に、この業界に入職したわけですが、当時は「介護」という言葉よりも「福祉」という表現をどこも使っていました。 本当に日本らしいなと思うのですが、介護保険前にあった各行政の措置事業としての福祉サービスは「訪問入浴」がメインでした。 欧米など、健常者でも日頃からそれほど湯船に浸かる習慣のない国からすると、国費を使って高齢者や障がい者が無料でお風呂に入れるサービスなんていうのはとても信じられな

元の状態に戻しておく

これはどこの業界でも起こりうると思うのですが、私たちのような在宅へ訪問するサービスにおいては、お客様からお叱りをいただくクレーム内容のひとつとして、お手洗いをお借りした時のものがあります。 これは人間の生理現象ですから、ケアや作業中に催してしまったり腹痛が生じてしまったりというのは、どれだけ気をつけていたとしても起こってしまう可能性があります。 そんな時には申し訳ありませんが、お家のトイレをお借りすることになります。 問題は、使用させていただくことそのものよりも、どのよ