ぷるんぷるん、ただそれだけなのに
けたたましいアラームが、何度も頭に鳴り響く。
朝がきた。もう、こんな時間か。
いつもなら、鬱々と気持ちの乗らぬまま準備を
するのに、なんだか最近とっても調子が良い。
お肌がぷるんぷるん。たったそれだけなのに。
されど、この肌が、水をも弾くゼリーの皮膜が、
私を、今日も、そっと助けてくれるんだ。
試験前、コンクール前、研究発表前。
「忙しいこと」なんかを言い訳にして、手抜き
化粧ばかりしていた。
カサカサの肌で、ニキビもできて。
それでも忙しいからと、また放置。
鏡を見るたびに、このくすんだ顔が現れて、
もう、本当に、自分を見るのが嫌だった。
そういう小さな悪循環が、少しずつ心の健康を
奪い、余裕のない私を作り上げていく。
❄︎ ❄︎ ❄︎
「最近パックしてんで。あんた何使うてんの。」
美容オタクの男友達が、不意に聞いてきた。
そいつは、ニキビひとつない白玉肌で。
IPSAの肌診断で、ドンピシャど真ん中の
バランス完璧肌なんだと鼻高々に自慢された。
悔しかった。美しかった。惚れ惚れした。
私も、そんなふうに、肌を味方につけて、もっと
自分に自信を持ちたい。清々しい程自惚れたい。
彼に感化され、毎晩ドライヤーをしながら、
レチノール、ビタミンC、CICA、肌と対話して、
必要な成分をヒタヒタに投入する。
パック。それは、明日の私に送る些細な魔法。
次会うまでに、君に負けない位、ぷるんぷるんになってやるんだからね!!
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