メラトニン分泌が少ないと脳機能が落ちる!?サプリを使わずにメラトニンをブーストする方法を最近の研究から考えてみる。
メラトニンは中枢、および体の末梢(副腎、膵臓、肝臓、腎臓、心臓、肺、脂肪、腸など)にもあるすみずみの体内時計を調整する役割をもっています。
メラトニンは体内時計の調整だけでなく、メラトニンの生理学的効果は多岐にわたり、次のような効果が報告されています。[文献1]
・フリーラジカルの解毒と抗酸化作用
・骨の形成と保護、再生
・心臓血管保護、心血管疾患抑制
・免疫の調節
・体重調整
・脳保護効果
・胃腸の保護効果
・精神障害
・腫瘍抑制効果
また、アルツハイマー病のごく初期の段階でのメラトニン産生が減少する[文献2]ことがわかっています。
もし現在、あなたの生活リズムが不規則でメラトニンリズムが崩れていると将来、認知機能が衰える可能性はい非常に高いと言えます。
一応、メラトニンはサプリで摂ることもできますが、次のような理由から特にサプリを取る必要はないと考えます。
・海外から取り寄せる必要がある。
・メラトニンサプリの使用により、体内で分泌し得るメラトニン濃度を容易に超えてしまう[文献3](文献3では、メラトニンサプリは可能な限り低用量で使用することをが勧められています)
・メラトニンサプリにより耐性はつきにくいと言われているが、ホルモンの一種である以上、ネガティブフィードバックが起こり、体内のメラトニン生成能力が落ちる可能性がある。
・また、ヒトへのメラトニンの急性投与により耐糖能が悪化するという報告もあります。[文献4]
私もごくたまにサプリでメラトニンを摂りますが、体内時計を調整したいときにピンポイントに低用量(1mg未満)で摂ることにしています。漠然と何日も摂らないようにしています。
いずれも、サプリから摂るのではなく、生活習慣を改善することにより、あなた自身の体を、夜にしっかりとメラトニンを分泌する体にすることが大事です。
では、サプリに頼らず夜にしっかりメラトニンを分泌させるにはどのようにすればよいのでしょうか。
まず、最近の「光と体内の24時間リズムの関係」についてのシステマティックレビュー[文献5]から次のことがわかります。
・夕方に青色光(460 nm付近)に2時間さらされるとメラトニンが抑制される
・また、夕方に青色光を浴びると体内の24時間リズム自体がずれてしまう。
・青色光だけではなく赤色光や断続的な光でも24時間リズムに影響が出る
・睡眠中も明るいと、体内の24時間リズムがズレてしまう。
以上より、夕方の光暴露により一時的にでもメラトニンが抑制されると体内のリズムがくるってしまうことがわかります。夕方以降は、光の暴露量、特に青色光を減らし、夜に寝るときは真っ暗な部屋で寝るよう心掛ける必要がありそうです。
ちなみに、オレンジ色のサングラスを着けるとかなり青色光のカット効果があり、実際に入眠時間も早くなるようです。(過去の記事ご参照)
・その他、瞑想をすると夜間の血漿メラトニンレベルの急激な増加をもたらす [文献6]そうです。(個人的には、瞑想の熟練者じゃなければ、さすがに急激なメラトニン増加は見込めないんじゃないかと思ってます。この機に瞑想を練習・取得するのもよいかと思います)
・また、食事性マグネシウム補給は、メラトニンの有意な増加をもたらした[文献7]との報告もあります。マグネシウムのオススメの摂り方は、下記をご参考に
・ビタミンDが睡眠の質を改善する[文献8]というデータもありますが、一方でビタミンDを高容量で長期に摂りすぎてはメラトニンの分泌量が減る[文献9]そうです。ビタミンDは血中カルシウム濃度を上げ、カルシウム濃度が上がれば体内は興奮状態になるので当たり前っちゃ当たり前です。睡眠改善のためにビタミンDを摂る場合は、程々にしておきましょう。
・「食事とメラトニンブースト」に関する研究[文献10]では、その他のメラトニン合成に役立つ栄養素として、葉酸、亜鉛、ビタミンB6を挙げています。また、単一の栄養素によりメラトニンが作られるわけではないので、結局はバランスの良い食事を勧めています。
なお、文献10によると食事より、光の方がメラトニンの増減に強い影響があるそうです。まずは序盤で述べた夕方の光問題を第一にケアしましょう。
当記事は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?