最新のシステマティックレビューより。頭を良くするためにチョコレートを毎日食べるのはあり?
みなさんはチョコレートをよく食べますか?
歴史は深く、マヤがチョコレート(お湯で作ったココアドリンク)を「神々の食べ物」と見なした古代に始まりました[文献1]。チョコレートの健康効果は多岐にわたり、次のようなメリットがあります。
・血圧、血管改善機能→(死亡リスク減、老化防止)
・インスリンレベルの調節、グルコース恒常性維持、脂質代謝の調節→(肥満予防)
・抗酸化シグナルの調節→(抗老化)
・抗炎症系シグナルの調節→(抗老化、免疫強化)
・プレバイオティクス効果→(腸内環境改善) など
カカオ・チョコレートについては研究がかなり進んでおり、上記のメリットのエビデンスも豊富にあります[文献1,2]。
今回は、カカオ、チョコレートの認知機能向上効果について注目して紹介したいと思います。
カカオ、チョコレートの摂取により、次のような2つの機序から脳機能を高めてくれることが期待できます。
1)脳内で、神経細胞の栄養となるBDNFという成分を増加させる[文献3]
2)カカオ摂取により、血管拡張作用のある血中の一酸化窒素(NO)濃度が上がり→脳血流量が増加する[文献4,5]
また、さらに上記の2つの機序が相乗効果をもたらすことも報告されています[文献6、7]。
実際に、健康な若い成人のカカオ摂取と認知機能に関して調査した最近のシステマティックレビュー[文献8]でも、
カカオの摂取により、脳血流が増加し、また、若年成人に慢性的に摂取した後、脳栄養因子のレベルの上昇とともに、より良い認知能力が見られることが確認されています。
また、具体的にどのような認知機能が高まるのかというと、こちらも最近の他のシステマティックレビュー[文献9]にて、
「記憶」と「実行機能(=脳の処理能力)」に対するカカオポリフェノールのプラスの効果があると確認されています。
では、どれぐらいの量のチョコレートを食べればよいのでしょうか?
今回参考にした論文とチョコレート摂取による記憶力向上について調べた論文では、主に35g~45gのダークチョコレートが使用されています[文献2、10]。
板チョコにして1/3~半分ほどの量です。
もちろん、砂糖が多く含まれていては、砂糖の悪影響が出るので、カカオ含量90%前後のダークチョコレートを食べるのをオススメします。
また、チョコレートは頭痛を誘発するチラミン等を含む[文献11]ので、毎日大量に(板チョコ一枚以上)食べるのはオススメできません。
まとめ
カカオやチョコレートには認知機能を改善するという十分なエビデンスが存在しています。
認知機能改善のために、板チョコにして1/3~半分程度のダークチョコレートを食べる習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
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