マガジンのカバー画像

保育士ママがこうもりの絵本を作る話

11
運営しているクリエイター

#絵本

保育士ママが絵本をつくったら、人生が前進した話 (3/3)

保育士ママが絵本をつくったら、人生が前進した話 (3/3)

(前回のお話)

「はぐれこうもり ねぐらでひとり」
さく・くらつこうた え・みつたけたみこ

制作中のカラーページを公開します。

私たちの絵本を、たくさんの方に見ていただき、子どもの心の声と、彼らとの「つながり」に気付く絵本を、多くの方の手元に届けたいと思っています。

ぜひ、最後までご覧頂き、ページ下部のリンクより、出版クラウドファンディングへのご支援をお願いいたします。

※制作中の画像の

もっとみる
保育士ママが絵本をつくったら、人生が前進した話 (2/3)

保育士ママが絵本をつくったら、人生が前進した話 (2/3)

(前回のお話)

イラストレーター、登場。
新作版の打ち合わせをする半年前、7月1日。

汗ばむ陽気の中、私は東京ビッグサイトのクリエイターEXPOを回っていました。

知人の動画制作者のブースに寄るため、新たな学びのため、そして次のフィールドで一緒に走ってくれる仲間を探すために。

その日、大勢のクリエイターのブースを周り、絵本の課題解決と、物語に込めた想いを更に広い世界へ届けてくれる人を、探し

もっとみる
保育士ママが絵本をつくったら、人生が前進した話 (1/3)

保育士ママが絵本をつくったら、人生が前進した話 (1/3)

昨年2022年の10月に絵本が完成してから、瞬く間に1年が経過!

過去の制作秘話はこちらからご覧ください。
https://note.com/h_itdn/n/ne551598a5ae7?magazine_key=mc5d204081a8d

あれから、1年後。
私が何をしていたかというと・・・

次なる目標「この絵本の物語を、より多くの人へ届ける」ために、絵本の新作版を作っていました!

昨年

もっとみる
保育士ママがこうもりの絵本を作る話(1)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(1)

はじまり
昨年2021年11月25日の夕方。私は神奈川県立プラザ近くの喫茶店にいた。

つい先ほど保育士の資格取得のために、1ヶ月間断続的に行われる実技講習会の最終日を終えたところだ。

コーヒーを2つ持って座った丸テーブルの向かいには、
講習会のグループワークで一緒になった同世代のKが座っていた。

「最後に提出したレポート、無事に通るといいですよね!」と私が言うと、
「本当に。自分の心に素直に

もっとみる
保育士ママがこうもりの絵本を作る話(2)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(2)

前回のお話

創作の土台「図書館学のゼミにいましたよ。」(※)

急に聞き慣れない言葉が飛び込んできたので、一瞬驚いたが、
世の中には面白そうな学問があるものだ。

「へえ!もしかしてKさん、ゼミや趣味なんかで物語を書いたことありますか?」

「いやいや、書いたことはないんですが…」
Kは笑いながら、読書が趣味で最近はミステリー小説が多いこと、
普段ボランティア団体にいて、クリスマスはサンタに扮し

もっとみる
保育士ママがこうもりの絵本を作る話(3)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(3)

前回のお話

物語のテーマと進め方
絵本作りは、お互いの仕事や生活に支障をきたさないよう、
月に一回、zoom会議を中心に進める事にした。

これからKが物語を描き、私はそこに並走して必要な作業を担っていく。

前出の設定案を出した後「あぁ、本当にはじまった…」という余韻の中、私は資料集めに勤しんでいた。

こうもりの生態から絵本の作り方まで、近所の図書館とインターネット検索で、比較的容易に知るこ

もっとみる
保育士ママがこうもりの絵本を作る話(4)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(4)

前回のお話

3月
月イチでの打ち合わせは、毎回2時間程度対話をする事で進んでいた。

たくさんのアイデアをまとめる為、絵本に込めるメッセージをどれにするか絞っていくことにした。

その頃、厚労省が児童養護施設で暮らす子どもや若者について、原則18歳までとしている自立支援の年齢制限を撤廃する方針を決めたというニュースが注目されていた。

私たちの対話でも、施設にいる間の子供たちの心理的安全性につい

もっとみる
 保育士ママがこうもりの絵本を作る話(5)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(5)

前回のお話

4月登場人物は大人の代弁者か

Kから最初に届いたイラスト付きの下書きは、子育て中の母親目線でみると、とても庇護欲を掻き立てられる内容だった。

私は小さな主人公に感情移入して少し泣けた。

物語を要約すると、

ひとりぼっちのコウモリの子が日常に溢れる数々の家族愛を目にして、言葉にならない寂しさを募らせていく。

ある時、そんな寂しい気持ちを堪えきれずに思わず叫ぶと、そこに救世主の

もっとみる
保育士ママがこうもりの絵本を作る話(6)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(6)

前回のお話

7月リサーチの方法(1回目)

さっそく出来上がった物語を、第三者に見てもらう。
幸い身内に児童福祉関係者がいたので、zoomでレビューをお願いした。

自分でもできるだけ客観視したかったので、Kの下書きイラストに自分の声を吹き込んだ読み聞かせ風のムービーを準備しておいた。

A: 30代女性(母子保護施設勤務経験) / B: 60代女性(養護教諭・定年退職)

この2人に、あらすじ

もっとみる
保育士ママがこうもりの絵本を作る話(7)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(7)

前回のお話

8月1回目のフィードバックからの改善方針は大きく2つ。
・3人称視点の説明文から1人称視点に変える。
・冒険的な要素を増やす

3人称視点から、1人称視点へ

この説明的な文章では、状況は理解できるが、読んでいても感情が動かない。

一部を主観的な説明セリフに変えてみる。

ピッピの性格が、激しいものから、無気力なものに変わってしまった。

一旦そのまま筆を進めて、冒険的な要素を増や

もっとみる
保育士ママがこうもりの絵本を作る話(8/終)

保育士ママがこうもりの絵本を作る話(8/終)

前回のお話

9月イラスト制作

文章は出来上がったので、絵に着手する。
3月時点での下書きは、色鉛筆だった。

今回、最終的な製本を「中綴じ冊子」という形式にする。
簡単なカタログや文集に向いている。A4サイズなのにお得。
校正者のM氏がオススメしてくれた、初心者にちょうどいい。

ただ色鉛筆で描いてしまうと、どうしても下書き感が残ってしまうため、
今回は絵の具で仕上げてもらうようにお願いした。

もっとみる