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NO.2の育て方 vol.54 社長は複眼を持つ

年度末を迎え、業種や決算の関係で3月末は繁忙を極め、今日を何とか乗り切ろうと勤しまれている会社も多いかと思います。

繁忙だからこそ多少の出っ張りや引っ込みなどは目をつむってしまう時かもしれません。

当面の目標を達成することはそれはもう大事なことです。

一方で、冷静に現場を眺めているとヒヤリとすること、不満に感じることも顕著に現れる時でしょう。

小さなミスやお客様からのクレームが多い、部署間の連携が悪い、動きの良い社員とそうでない社員の差が出るなど。

繁忙期を乗り切ることばかりに目を奪われてしまうと、そうしたことをついつい見なかったことにしてしまいそうですが、課題としての認識は忘れてはならないです。

逆に、繁忙期を過ぎて気が緩んだ時に潜在的な弱点が致命的な事態を招いてしまうかもしれないからです。

では、社長は一人でどれだけの範囲を見ることができるものでしょうか。

人数でいえば10人程度、部門でいえば2つくらいが限界ではないでしょうか。より詳細に見るとなればその範囲はより狭まると思います。

鳥の目、虫の目、魚の目とよく言われますが、繫忙期はいずれかの目が閉じた状態で過ごしているのが現実ではないでしょうか。

会社の規模によっては社長が陣頭指揮を執っている場合や現場に出ている場合もあるでしょう。

その時に目が塞がっていると前述したようなヒヤリの状況を放置してしまい、後日改善に取り組まないと組織として安定した総合力が高まりません。

社長がさまざまな状況を冷静に見ることができるのが理想ですが、限界があるのであれば、同じ視座で状況を見ることができる存在がいた方が安心するでしょう。

顧問には税理士、社労士、コンサルがいると言っても外部の専門家が四六時中、社長の会社を見てくれている訳ではありません。彼らがしてくれるのはあくまで起きた結果に対する対症療法です。

では、その存在として相応しいのは誰かといえばもちろんナンバー2です。

2つの目より、4つの目で物事を見た方が確度が高まります。

作業レベルではWチェック、トリプルチェックがルールとなっていることが多いのに、経営となるとWチェックが履行されていることはあまり聞きません。

その状況を良しとする前提には社長は判断を間違わない、全てを把握できている、適切な打ち手を実行できるというものが無意識にあるのではないでしょうか。

理想からすればそうかもしれませんが、現実的には無理筋の話です。

会社で起きる全てのことを社長が把握している訳もありませんし、把握していたとしても適切な判断、打ち手を講じることができるとは限りません。

人には必ず限界があります。

社長は全知全能のスーパーマンではありません。

この事実を無視した組織運営を続けていると、強みを発揮できても弱みが足を引っ張り、成果を相殺してしまうかもしれません。

その結果、成長の壁というものに突き当たってしまうのです。

社長の意図を理解し行動できるナンバー2がいれば、その壁を突破できる可能性は大いに高まると思います。

「そう言われてもそんな優秀な人材はウチの会社にはいない」という声が上がりそうですが、誰でも初めから優秀な訳ではありません。正しい育成を地道に繰り返していけば少なくとも及第点を取れる人材は社内に埋もれているかもしれません。

育成を放棄しておいて、優秀な人材がいないというのは違和感があります。

そして、仮に優秀と思える人材を採用できたとしても、社長の意図を理解し行動できる人材とは限りません。

ナンバー2を仕事のスキルや実績だけで選ぶとそうしたことが起きやすいものです。

ナンバー2を正しく選び、正しく育てる。

シンプルに言うとたったこれだけのことですが、そのどちらに対しても関心がなければいつまでたっても社長を支えてくれる本当のナンバー2を得ることはできないです。

そして成長の壁をいつまでも超えることができない状況が続いてしまいます。

社長と同等の視座で組織全体を見ることができる人材がいるのといないとでは会社の成長スピードに差が生じます。


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