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2023年の振り返りと再確認

なぜナンバー2育成事業をやっているのか

いよいよ今年も残りわずかになりました。一年の振り返りをされている方も多いでしょう。私も振り返りをし、来年の構想などを粛々と練っているところです。そして、なぜ社長の右腕、ナンバー2育成事業をやるのかを普段以上に自問自答する時間を過ごしています。

会社の規模の差はあれど、課題がない職場などないのが世の真実なのでしょう。大企業も中小零細企業のどちらも経験したので実感します。

大企業では人とお金と多少なりの仕組みがあるので全体としては回っているように見えますが、それでも細部を見ると本業の根幹を揺るがす業務上のリスクが放置されていたりします。

今年もまた有名企業の不祥事が多かったことを考えてみると納得感があります。

一方、中小企業では、ヒト、モノ、カネ、仕組みが脆弱なことが多く、経営環境が厳しい一面があるのも実態だと思います。

ないない尽くしの中で知恵を絞ったり、協力してくれる人に助力を求めたり、制度を上手く活用したり、そうしたことの繰り返しかもしれません。

だからといって、中小企業が大企業に劣っているのかと言えば、決してそんなことはなく、中小企業には大企業にはない独自の強みや魅力もあります。

例えば、柔軟な対応力、スピード感のある意思決定、狭い市場でも高いシェアを持つ専門性などです。業歴があり、存続している企業ではニッチであっても相応の強みがあったりするものです。

ただ、この強みを最大限に活かし、持続性をもって行うためには、社長のビジョンや戦略を実行に移すことができる信頼できる人材がやはり必要です。

理想は社員全員が結束力が強く、成果を出してくれることですが、そう思うようにはいかないのも現実です。中小企業だから有能な人材がいないということでは決してありません。ただ社長の考え方、やり方に共感して協力したいと思う人が少ないだけです。

こうした状況を変えたいのであれば先ず一人、自分のフォロワーをしっかり作ることが大事だと思います。

そのためには本音で語りかけ、社長自身の情熱を伝える必要があります。本音を話してくれない人に心を動かされる人はいないからです。

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冒頭になぜナンバー2育成事業をやるのかと書きましたが、中小企業ではとりわけ人材の課題が大きく、孤軍奮闘している社長が多く、そうした社長がナンバー2という人材を育て上げることでより一層安定した経営をして頂き、情熱や思いを実現し、かつ、そこで働く社員の幸せを考える余力を持って欲しいと考えるからです。

日本の会社の99.7%は中小企業です。当然、そこで働く人も多い訳です。
働く人が元気でないと会社も元気になりようがありません。

仕事は人生の多くの時間を費やすものですから、どうせしなければならないことなら楽しく、やりがいがあり、自分を人として成長させるものであって欲しいと思っています。そうした人が増えると会社も元気になるという理屈です。

ですので、社長は社員がそうした気持ちで働ける環境を作る義務があると思っています。

他人の貴重な人生の時間を使わせて頂いて自分がやりたいことを実現しようとしているのであれば、給料払えばいいという単純なことではないです。売り手有利の転職市場で、お金だけが目的なら別にその会社で働き続ける理由など誰にもないですから。

中小企業の経営で足りないもの

私自身、中小企業でナンバー2として長らく従事して思うことは、社長を補佐するナンバー2のような人材がいない会社では、社長は本当に孤独で、間違っていても誰も指摘もせず、最悪は裸の王様、お山の大将、ブレーキのない車のようなものだということです。

方向性は合っていても経営は山あり谷ありです。時にはブレーキを踏むことも必要な場面もありますし、仕事は社員という感情を持った人間が行うことですから彼ら彼女らの気持ちに対してさまざまな配慮と施策が必要です。

けれどもそうした対応が不足している。

会社勤めをされている方が「年末を持って退職します」という話を今年も数多く聞きました。その理由の大半は、詰まるところ社長の考え方、やり方に納得がいかないというものでした。

私が会社員時代、縁あって就職した会社ではほぼ社長が空回りしているようなところばかりでした。およそ人の上に立つ資質がないと感じられる人も正直いましたし、方向性は悪くないのに術を知らない人もいました。

私自身は別に転職するたびにナンバー2になりたくてなった訳でもなく、社長の考え方に耳を傾け、良い部分と悪い部分を冷静に分析し、この会社が良くなるために必要な手当ては何かを考え、行動しているといつの間にかナンバー2のポジションに就いているということの繰り返しに過ぎません。

普通に考えて、社員にとっての社長とは給料を支払ってくれる有難い存在ではあるものの、できれば距離を置きたい存在でもあります。

前述したとおり、私は社長の言っていることに耳を傾け、「ああ、この人は○○がしたいのだな」と察します。そして方法論を考え、社内の権限のありそうな社内の上司らしき人に提案し、たいがいは誰もやらないので自分がやりますと宣言してしまいます。そういう意味ではせっかちなのかもしれません。

多くの社員は社長の示す方針が大筋では納得、理解できるものであっても、そのやり方が気に入らない、成果を出しても報われない、でも簡単に仕事を辞める訳にもいかない、そうした葛藤の中で日々を過ごしていることが多いと思います。

ではどうすればいいのかを社長一人で考えても多分答えは出ないでしょう。そうなってしまう理由は自己認識が圧倒的に足りていないからです。

自分は正しくて社員が間違っているという客観性に欠けた認識のもとで何かしても思うような変化は訪れません。自分に対して指摘をしてくれる人がいないのですから当然です。

・ワンマン経営で行ける限界はやはりある
・業績は良くても誰にとっても居心地の悪い環境の会社は崩壊する
・社長が全てを抱え込むことはリスクが大きい

自分がナンバー2という重責を何度も引き受け、相応の成果を出し続けた経験に基づいた実感です。

会社を良い形で成長させるために必要なことのひとつには信頼できて、成果を出してくれるナンバー2を育てること。

社長と同じくらい経営に対する情熱や責任感を持ち、社長の考え方や方針を理解し、社内外でのコミュニケーションを円滑に行い、しっかり成果も出して会社の成長に大きな貢献をする人材がやはり大事です。

そうした人材を先ず一人育てる。

たった一人の人間と信頼関係が築けないのに、いきなり社員全員をどうにかしようと思っても無理です。

そのやり方がわからない社長の手助けをし、その人材の尽力で、その会社で幸せに働く人を増やす。会社も成果を上げる。幸せに働く人がその人の関わりのある人を幸せにするという循環を作る。

自問に対する自答はこんなところです。


本稿が今年最後の投稿になります。
いつも記事をお読みくださっている方々、スキしてくださる方々、ありがとうございます。

良いお年をお迎えください!

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ナンバー2育成のノウハウを知りたい経営者に75ページにわたり、ナンバー2育成について詳細に解説しています。
<掲載内容>ナンバー2の選び方/ナンバー2の役割の理解/ナンバー2の育て方/ナンバー2を期待通りに活躍させる社長とは

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