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「アンバランスを生み出すバランスの良さ」・・・舞台に必要なキャストとは。

舞台「ブーケは誰の手に?」A.R.P.STUDIO公演。

ちなみに、同じタイトルのBL本とは、何の関係もない。
三本のショートコメディと、中編一本の四つのオムニバスで展開する舞台。平日の昼にもかかわらず満席だった。

この団体の舞台は何度目かになるが、安定の楽しさである。
毎回、役者たちに当て書きしているようにキャラを作り上げて、どの役者にも見せ場があり、輝かせている。

まず、3本のショートコメディは、手慣れている印象のコント的な造りで
軽快な切れ味で見せてくれる。

4本目の中編の芝居は、2重3重の人間関係が交錯する
先の読めない展開が楽しい。

そして今回もお目当ては、野良のりオさんである。
またも、いじられるタイプのコメディエンヌとして登場するが、
物語の主軸にいても、傍観者的に他者と軽く絡む場合でも、
上手く周りを支えている。

彼女は、舞台というものに必要な、「目を惹くアンバランス感」を醸し出してくれるのだ。そういうキャラクターを彼女は持っている。

それが嫌味になったり、舞台のバランスを壊したりせずに、
心地よく観客に伝わって来る。
ところがそれが、ガツッガツッと、食い込んでくるのである。
例えはあまり良くないが、ベテランの漫才師が行うツッコミしやすい自然なボケを見ているような気分になる。

その一方で、舞台での自らの存在感を、
時にコントににじり寄らせ、時に舞台女優に引き戻し、
多彩な顔も見せてくれる。

一言で言うと、野良のりオさんは、
「舞台に絶対のアンバランス感を生み出す、バランスの良い女優」である。
どこで、そういう印象を持ったのか、是非舞台を見て確認して頂きたい。

A.R.P.STUDIO公演「ブーケは誰の手に?」は、
19日日曜日まで、A.R.P.STUDIO(東中野)

脚本/演出 A・ロックマン
出演 タカギマコト 野良のりオ 加藤亜実 藤戸佑飛 伊藤悟志
小村七海 小林沙耶 さとう豆 塚田光虹



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