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「小さな小さな」・・・夢で見た友人の姿は。超ショート怪談。


「小さな小さな」

夢の中に同級生のアキラが出て来た。
アキラはとても小さくなっていた。小さなカエルくらいの大きさだ。
「はは~ん。これは夢の中だな。夢なら何をしても大丈夫だ」
俺は、小さなアキラを踏みつぶそうと思った。
別にアキラが嫌否訳じゃない。夢の中だし、ほんの出来心だ。
でも、心の底にちょっとくらい気に入らない物があったのかもしれない。

俺はアキラに足を乗せて、力を入れて踏み降ろした・・・
ところで、目が覚めた。

その日、学校に行くと、アキラがニヤニヤ笑いながら近づいて来た。

「昨夜さ。夢にお前が出てきたんだ。こ~んなネズミくらいの大きさの。
それでさ、小さいお前を追い詰めたんだけど、踏み潰す前に目が覚めたんだよなあ、今夜も出てきたら、踏み潰していいか? ケケケ」

言うだけ言って去っていくアキラの後ろ姿を見ながら、
やっぱりあいつは気に入らないな、と思った。

その夜、俺は再び同じ夢を見た。

小さなカエルほどの大きさのアキラを見つけ、今度こそ踏みつぶしてやる
と決めて足を乗せた。

その時、何となく周りが暗くなったような気がして、
振り返って上を見た。

するとそこには、今にも俺を踏みつぶそうとしている
巨大なアキラが立っていた。

おわり


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