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「お茶壷」・・・歌にのってやってくるものは。


これは、甲州街道と中山道の分岐点近くで出会った物語です。

『お茶壺』

ずいずいずっころばし ごまみそずい。
茶壷におわれて トッピンシャン・・・

これは有名な童謡の歌詞ですが、
ちょっと不思議な感じがしますね。

なぜ茶壷に追われるのでしょうか。

諸説あるのですが、茶壷とはお茶壺道中の事で、
将軍に献上する宇治の銘茶葉を入れた壺を大名行列のように
「下に~下に~」と
街道を練り歩いて運んだことを揶揄している、と言われています。

お茶壷道中の行列が通ると、渋々頭を下げて
人々は息を凝らして道中が通り過ぎるのを待ったことでしょうね。

たかがお茶に、なぜ頭を下げなければならないのか。

お茶壺道中が去った後、人々は息を吹き返したように
日常の生活に戻っていく。
街道の人々が感じる憤りは大きかったと思われます。

だから、まさに抜けたら、ドンドコショ。

人生だって同じこと。
今の息苦しい時代も・・・抜けたぁら、ドンドコショ。

           おわり

お茶壺道中の始まりは、慶長18年(1613年)に江戸幕府が宇治の銘茶の献上を命じたのが始まりと言われています。

その役目を担う者を宇治採茶師と呼ばれていました。

徳川家光の時代、寛永9年(1632年)には定例の制度として決められ、幕末の慶応2年(1866年)まで230年以上に渡って続けられました。



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