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「いかに死に向き合うか」・・・ドキュメンタリー映画「人生をしまう時間(とき)」。


つい最近、命というものに向き合う瞬間があり、ある映画を思い出した。


「人生をしまう時間(とき)」。

この映画は昨年、劇場公開されたドキュメンタリー映画だが、再上映もしくはテレビ放送されることを願っている。
もし、この映画に出会ったら、何を差し置いても観ていただきたい。

映画の内容については、紹介文から引用させていただく。

「人生をしまう時間(とき)」
NHKで放送されたドキュメンタリー「在宅死 “死に際の医療”200日の記録」を、シーンを追加・再編集して映画化。患者が自宅で人生の最期を迎える在宅死に向き合う医師に密着する。監督は、NHKの数々の番組に携り、放送人グランプリ2019で奨励賞を受賞した経験がある下村幸子。番組は第7回日本医学ジャーナリスト協会賞大賞(映像部門)に輝いた。


病院ではなく、「在宅で亡くなること」に正面から向き合った作品。

ドキュメンタリーだから出来る深さ。
単にお涙頂戴にならない、制作者の冷静な立ち位置。
冷徹と言っても良いほどの力強さ。

寿命という人間の運命・真実を提示し、それに向き合う覚悟を
問われる。

登場する全員にドラマがあり、すぐそこにある日常を積み上げた映像の重さに心が震える。

どの家族の物語も良いのですが、私は末期がんの父親と全盲の娘さんの二人暮らしの家の話が一番印象に残った。

寝たきりのお父さんが、娘さんが作ったうどんを食べる姿や、
父の最後を看取る姿をじっくりと映した映像は、
介護や老年期の親族を持ったことのある人なら、
その場の匂いまで感じ取れたはずだ。

しかも、その場面からは嫌悪感など微塵も感じさせず、
聖なるものの心地良ささえ感じられた。

愛されて親戚友人に囲まれて最期を迎えた父親の幸福。
全盲の娘の美しい声(余談ですが本当にこの娘さんの声は綺麗で自然です。声優に推薦したいくらいです)

それと、80を超えて自分で排尿が出来ない状態で、
とっ散らかった和室で寝たきりなのに、
とても明るくご機嫌に生きているおばあちゃんが、
介護ベッドを入れた途端不機嫌になるエピソードも
考えさせるものがある。


実は、その後で見た劇映画が、あまりにも作り物感がひどくて、
ありふれた作品で、「やはり、真実の映像には、生半可な劇映画はかなわない」と改めて思わされた。


私的なことで申し訳ないのだが、
以前少し書いた世話になった先輩が、一年以上の時を経て、
ようやく、瞬きでコミュニケーションが取れるようになってきた。

本当に少しずつ少しずつ、回復にむかっている。

こちらの言っていることがちゃんと伝わっていることに
涙が溢れそうになった。
命の逞しさ。命に向き合う大切さを考えさせられ、
同時に昨年見たこの映画を思い出したのだった。









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