見出し画像

「幻のカレーラーメン」・・・突然消えた中華食堂。当家比82%up


「幻のカレーラーメン」

夫が折に触れて思い出すという料理屋がある。
といっても、高級料亭でも、珍しい外国料理店でもない。
ごくありふれた大衆食堂である。

独身時代、京王線布田駅のすぐ近くにあるその店に
夫はよく通っていたらしい。
親子丼やきつねうどん、カレーライス、レバニラ炒めまである。

店主が釣り好きらしく、巨大な魚拓や、
釣り上げた大物を掲げて誇らしげな
店主の写真が飾られていたそうだ。

「そこに行けば、どんなジャンルでもその日の気分で
食べられるんだ」

と言い、中でも、カレーの味は何度も褒める。

カツカレー850円と冷奴150円。
夕食ちょうど1000円。というのを定番にしていた。

「もうひとつ、他にはないのがカレーそばなんだ」

と続けるのが、それこそ夫の話の定番だ。

「よくある和そばにカレーがかかっているカレー南蛮じゃなくって、中華そばにカレーがかかっている言わば「カレーラーメン」なんだよ。カレーはカレーライスのものとほぼ同じで
こってりしている。それが良いんだな
ここと同じ味のカレーそばは、食べたことがないんだよ。」

カレーそばに半ライスをつけて950円。
この店に行ったら、ほぼこの2つのどちらかを食べていたらしい。
「どんなジャンルでもその日の気分で・・・」というのとは
矛盾しているように思えるが、本人は気にしていない。

結婚前に「一度一緒に行こう」と言っていたが、
それは叶わなかった。

ある日行こうとしたら、定休日でもないのに店が閉まっていた。
その後何回か通ったが、ついに再開する事はなく、
いつのまにか全く違う店に変わってしまった。

「きっと釣りに行って遭難したんだ。
ああ、もうカツカレーもカレーそばも食べられないんだ・・・」

不謹慎な妄想を言いながら寂し気に語る声を聞いていると、
こちらもなぜか寂しくなってくる。

カツカレーはともかく。
カレーそば(ラーメン)は食べてみたかったかな。

夫は今も時折、虚しくネットで検索している。

別の場所で開店していないかな、と思っているのだろう。

あのお店が見つかれば、夫の幸福度は82%アップするだろう。

もしご存じの方がいらっしゃれば、お教え願いたい。

おわり


これはカレーうどん。この麺をラーメンにしたものでした。


#カレーラーメン #中華飯店 #夕食 #外食 #カレーそば #気持ちアゲアゲ #不思議 #謎 #美味しい #グルメ #中華 #カツカレー #消えたお店 #京王線 #布田駅 #食堂 #おいしいお店 #ご当地グルメ

この記事が参加している募集

ご当地グルメ

おいしいお店

ありがとうございます。はげみになります。そしてサポートして頂いたお金は、新作の取材のサポートなどに使わせていただきます。新作をお楽しみにしていてください。よろしくお願いします。