「怪奇を暴け！　たぶんその５か６」・・・謎の音が誘う。

深夜、リビングで一人テレビを見ていた。
バラエティ番組が途中から心霊ものになってきて、鑑定できるというタレントが、「ご先祖に『元気にやってます』という挨拶に行かないといけません」と言うような事を言っていた。

ああ。うちもそろそろお墓参りしないとなぁ、と考えたその時、
背後の食器棚から、「チンッ」とお茶碗と箸が当たらるような音が聞こえた。
勿論、リビングには私一人しかいない。

その時思い出した。
よく父が、茶碗に箸を当てて音を立てて、母に怒られていたな・・・と。

だが、そこに居る訳もない。
考えれば考えるほど不思議で、徐々に恐ろしく思えてくる。

もはや振り返るのも怖い。

そこに、もう一度、今度は「コツン。パチャ」と何かが当たって水音を立てた。
お味噌汁のお椀にお箸が当たった音だ！
もう間違いない。

私は意を決して立ち上がり食器棚に向かった。

そこには、何もいなかった。

食器が動いた気配もない。

これは一体？

疑念を感じながら、ふと足元を見ると、
そこにこんなものが・・・

そうか。
猫が水のボウルに、マタタビの枝を落として、それをいじっていたのだ。

分かって見れば、何と言う事はない。
それにしても、奇麗なボウルの響きだった。

おわり

犯人はこいつだ

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