映画「シコふんじゃった。」が浪曲に？・・・無限の可能性を感じる玉川奈々福口演。

2021年9月27日 23:44

玉川奈々福　浪曲版「シコふんじゃった。」　　カメリアホール

浪曲に馴染みのない方も、映画「シコふんじゃった。」はご存知の方が多いだろう。
あの「Sall We ダンス？」で日本の映画賞を総なめにした周防正行監督の傑作コメディ映画である。大学の弱小相撲部に無理やり入部させられた頼りない大学生が一発奮起する青春物語。

その「シコふんじゃった。」が浪曲になると聞き、果たしてどのような事になるのか、あのたくさんいる登場人物をどう演じ分けるのか、興味津々でカメリアホールに赴いた。

浪曲師の玉川奈々福さんは、よく通る声とメリハリの利いた語り口で、大人気と実力を兼ね備えた女流浪曲師。

以前から何度も聴きに行っているが、今回は良く知られた映画原作。
あの場面はどうなるのか、あのクライマックスはどうするのか、と
ついつい映画を頭に思い浮かべながら口演を聴いていたが、
映画に全く遜色のない、素晴らしい出来であった。

ご本人は「ほぼネタ下ろしですので・・・」と謙遜しておられたが
中々どうして、見事なもの。

たった一人で、８人もの登場人物を演じ分け、
相撲のバトルシーン？迫力がある。

映画に忠実な部分もあり、映画とは違ったストーリー展開もあり、
二時間近い長編を飽きさせずに聴かせ、いつしか奈々福ワールドに惹きこまれている自分に気が付いた。

ちなみに、この「シコふんじゃった。」の浪曲化プロジェクトは、周防監督と対談した時に、監督の方からお話があったそうな。

監督も奈々福さんの実力を認めていらっしゃるんですね。

もし、次回公演があれば、是非ご覧いただきたい。
きっと、浪曲というものに対する考え方が変わることと思う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　おわり

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