「貼りだされた心霊写真」・・・あっという間に読める、超ショートショート。

あっという間に読めるけど、よ～くその場面と背景にあるものを想像してみると、じわっと何かが迫ってくる。ある女性の問わず語りのつぶやきとは・・・。

『貼りだされた心霊写真』　作　夢乃玉堂

私の名前は、幽子。

幽霊の幽に子供で幽子、もちろん。幽霊よ。

ただし、その辺のよくある幽霊と一緒にしてもらっちゃ困るわ。
私は一味違うのよ。

え？　何が違うかって？

私って誰の眼にも見えるの。
霊感がある人はもちろん。
全然霊感なんか無い人も
今まで一度も、幽霊も妖怪もＵＦＯさえも
見たことが無い人にだって、この姿を見せることが出来るのよ。
すごいでしょう。

そのかわり、私には、生きている人は見えない。
街を歩いても。お店に入っても。
人の家にだって入っていける。

誰もいないんだから、何にも気にしないで
好きなことができるし、
欲しい物は何でも手に入るわ。

幽霊だから叱られても殴られてもへっちゃらよ。
何も感じないもの。
そして私の心霊写真は、日本中で大人気。

でも、肩書がいつも違うのよね。
アタシは幽霊なのに、
連続窃盗犯になってるの

ねえ。どこにいるの、おまわりさん。
この交番に貼りだしてる心霊写真、
何とかなんないかしら。

　　　　　　　　　　　　　　おわり

#朗読 #怪談 #幽霊 #恐怖 #妖怪 #不思議 #小説 #可愛い #ショートショート #秘密 #マンガ #コミックス #幽子 #心霊スポット #心霊写真 #交番 #見える #スキしてみて #習慣にしている事 #自己紹介