KOTARO Inaba

東京大学文学部印度哲学専修課程修了。出版社を早期退職後、米西海岸のオルタナティブ・カル…

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東京大学文学部印度哲学専修課程修了。出版社を早期退職後、米西海岸のオルタナティブ・カルチャーやトランスパーソナル心理学を日本に紹介した吉福伸逸氏についての本『仏に逢うては仏を殺せ』(工作舎)を出版。著書に『コンビニエンス・マインド』(大蔵出版)。

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  • 吉福伸逸さんの仕事。

  • 吉福伸逸さんのこと

  • ヴィパッサナ瞑想入門

    1990年代、日本にテーラワーダ仏教やヴィパッサナ瞑想が紹介され始めた最初期の記録です。

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吉福伸逸さんに関する本を出します。

 このたび、新著『仏に逢うては仏を殺せ』(工作舎)を上辞させていただくことになりました。この本は、日本に「精神世界」「ニューサイエンス」「ニューサイエンス」「トランスパーソナル心理学」を紹介した吉福伸逸さん(1943ー2013)に関する評伝、人物ノンフィクションです。発売は4月後半の予定です。  吉福さんは『ビー・ヒア・ナウ』(ババ・ラム・ダス+ラマ・ファウンデーション著)、『タオ自然学』(フリッチョフ・カプラ著)、『意識のスペクトル』(ケン・ウィルバー著)の翻訳者であり、

    • 解説やあとがきなど。

       ネットで検索すれば吉福さんの著書や翻訳書は見つかると思いますが、解説を書いたものまではなかなかたどり着かないかもしれません。ということで今回から何冊か、吉福さんが解説やまえがき、あとがきを書いている本を紹介したいと思います。 『呪術師カスタネダ 世界を止めた人類学者の虚実』(リチャード・デ・ミル、マーティン・マクマホーン著 高岡よし子、藤沼瑞枝訳 吉福伸逸監修 大陸書房)  1983年刊行の『呪術師カスタネダ 世界を止めた人類学者の虚実』(リチャード・デ・ミル、マーティ

      • 吉福伸逸さんについて書かれたもの。

         ここでは吉福伸逸さんについて書かれた言葉、語られたこと、吉福さんにあてた感謝の言葉などを集めてみます。 『萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか』(堀淵清治著 日経BP社)  まず一冊目は『萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか』(堀淵清治著 日経BP社)。著者の掘淵清治さんは小学館との合弁会社ビズコミュニケーションをサンフランシスコに設立。アメリカに大マンガブームを起こした人。その後は2000年代になって「ブルーボト

        • 吉福伸逸さんの対談。

           タイ少数民族の子どもを支援するNPO組織「さくらプロジェクト」の代表・篠田隆司さんは、吉福伸逸さんのことを「ダイアローグの人」と呼びます。なにかの理論を構築したり、体系的に整理するよりも、相手との対話の中でその真価を発揮するというのです。そのとおり、吉福伸逸さんは数多くの対談を残しています。 『流体感覚』(雲母書房)  社会学者の見田宗介さん、工作舎を作った松岡正剛さん、宗教学者の中沢新一さんという凄すぎるメンバーと吉福さんとの対談です。見田さんは吉福さんに杉本博司さん

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        吉福伸逸さんに関する本を出します。

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        • 吉福伸逸さんの仕事。
          12本
        • 吉福伸逸さんのこと
          7本
        • ヴィパッサナ瞑想入門
          13本
        • チベット仏教入門
          5本
        • 心の成長と癒し
          5本
        • 1995年のティク・ナット・ハン
          6本

        記事

          オープン・ダイアローグとの類似について。

          『仏に逢うては仏を殺せ 吉福伸逸とニューエイジの魂の旅』の第4部には、吉福さんのセッションについて、「カウンセラー向後善之は、フィンランドで生まれた「オープン・ダイアローグ」との類似を指摘する」という文章がでてきます。 「吉福さんが話していたのは、自分がどういう存在としてクライアントのそばにいるか。それだけなんだって。テクニックとかじゃなくて、そういうことを教わった気がします」「そうはいっても、ただ「そばにいる」だけで統合失調症がよくなるものだろうか?」という文章からの流れ

          オープン・ダイアローグとの類似について。

          ジャズ・ミュージシャンとしての吉福伸逸さん。

           ここではジャズ・ミュージシャンだったころの吉福伸逸さんのことを少し書いてみます。  吉福伸逸さんがジャズに目覚めたのは1961年、高校2年生のときだったそうです。この年の1月1日、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズが初来日。メンバーはトランペットのリー・モーガン、テナーサックスのウェイン・ショーター、ピアノはボビー・ティモンズ、ベースはジミー・メリット、ドラムスはもちろん御大アート・ブレイキー。  そのときの映像が残っていますが、まあ、かっこいい。  彼らが

          ジャズ・ミュージシャンとしての吉福伸逸さん。

          吉福伸逸さんの言葉。

           こちらでは現在WEBで読める吉福伸逸さんのインタビューを集めてみました。 「WHO ARE YOU?」吉福伸逸インタビュー カウンセラーの向後善之さんとの対談。前編 カウンセラーの向後善之さんとの対談。後編 SONY創業者井深大さんと吉福伸逸さんの対談。公益財団法人ソニー教育財団の「井深対談」のページより。 こちらはエニアグラムアソシエイツのHPに掲載されているインタビュー。吉福さんは1987年に翻訳された『エニアグラム入門』(P・H・オリアリー他著)で解説を書い

          吉福伸逸さんの言葉。

          ご紹介ありがとうございます。

          🌟『世界屠畜紀行』『飼い喰い 三匹の豚とわたし』『ストーカーとの七〇〇日戦争』などで知られるノンフィクション作家の内澤旬子さんに記事を書いていただきました。ありがとうございます。 🌟1970年代から続く「名前のない新聞」no.223(2021年5・6月号)に記事を掲載していただきました。ありがとうございます。 🌟工作舎さんのサイトで紹介ページを作っていただきました。作品概要、目次も見ていただくことができます。 🌟向後善之さんがハートコンシェルジュ・カウンセラーブログのな

          ご紹介ありがとうございます。

          スピリチュアル・エマージェンシー・ネットワーク。

           最初に書いておきますが、ここでいうスピリチュアルとは、今の日本でいうところのスピリチュアル、スピとは違います。「精神の」「精神性の」「心の」とでもいった意味です。  吉福伸逸さんの重要な仕事のひとつが、スピリチュアル・エマージェンシー・ネットワーク(SEN)です。スピリチュアル・エマージェンシーについては、『TRANSPERSONAL VISION3 意識の臨界点』(吉福伸逸監修 雲母書房)に収録されている吉福さんとスタニスラフ・グロフ、クリスティーナ・グロフとの対話が参

          スピリチュアル・エマージェンシー・ネットワーク。

          「宗教・霊性・意識の未来」のシンポジウム。

           私が初めて吉福伸逸さんに会ったのは1993年の7月こと。この『宗教・霊性・意識の未来』(春秋社)が出たのも93年の7月なのだけど、果たして吉福さんに会ってから本を読んだのか、あるいは本を読んでから吉福さんに会ったのか、どうもはっきり覚えていません。でもこの本の内容は鮮明に覚えています。衝撃でした。  シンポジウムがおこなわれたのは1992年7月12日(西武百貨店池袋コミュニティ・カレッジ)。企画したのは当時、春秋社の編集者だった岡野守也さん。パネリストは吉福さんに加えて、

          「宗教・霊性・意識の未来」のシンポジウム。

          日本トランスパーソナル学会の設立。

           1996年、精神科医・安藤治さんらの尽力によって「日本トランスパーソナル学会」が発足。5月24日〜26日の日程で、第1回会議がおこなわれました。場所は静岡県下田市・南伊豆国民休暇村です。  こちらは1996年に(もう25年も前になるのですね)WHO ARE YOU?のホームページに掲載したお知らせです。  このときは「境界を超える対話」と題し、河合隼雄さん、見田宗介さん、おおえまさのりさん、上野圭一さん、星川淳さん、岡野守也さん、鎌田東二さん、宮迫千鶴さん、上田紀行さん

          日本トランスパーソナル学会の設立。

          トランスパーソナル国際会議について。

           1985年4月23日から29日までの6日間(26日は休会)、京都市左京区にある国立京都国際会館にて「第9回トランスパーソナル国際会議(ITA)」がひらかれました。  この国際会議、組織委員の顔ぶれがすごいです。組織委員長は京セラ、KDDIの創業者・稲盛和夫氏。組織委員としてソニー創業者・井深大氏、心身医学の草分け池見酉次郎氏(九州大学名誉教授)、ユング心理学を日本に紹介した河合隼雄氏(京都大学教授)と樋口和彦氏(同志社大学教授)、茶道裏千家家元・千宗室氏、哲学者・西谷啓治

          トランスパーソナル国際会議について。

          杉本博司さんによる記事。

           以下に紹介させていただくのは、現代美術作家の杉本博司さんによる「私の履歴書」の記事です。杉本さんは1948年生まれ、吉福さんは1943年生まれ。5歳違いのふたりが知り合ったのは米カリフォルニア州バークレー、斉藤光人さんという人の紹介だったそうです。斉藤光人さんはポルトガル語の通訳をしていた方で、以下の記事の前半にあるシベリア旅行に一緒に行ったのが斉藤光人さん。 「そのころ私は吉福伸逸に会った。吉福は当時カリフォルニア大バークレー校の大学院でサンスクリットを学んでいた

          杉本博司さんによる記事。

          吉福伸逸さんの仕事④「宝島」

           吉福伸逸は1974年にカリフォルニア州バークレーから帰国しますが、1976年には雑誌「宝島」(JICC出版=現・宝島社)に立て続けに記事を書いています。  まず1月号では「どうでもいい世界」と題した2ページのエッセイ。これがまた不思議な文章なのです。 「どうでもいいから、どうでもいい世界に住んでいる人ではなく、どうでもよくないから、どうでもいい世界に住まざるをえなくなり、ついには、どうでもいい世界が唯一の世界になった人たちを僕はジャンキーと呼んでいる」  意味わかりま

          吉福伸逸さんの仕事④「宝島」

          吉福伸逸さんの仕事③ ケン・ウィルバーの翻訳

           吉福伸逸さんの重要な仕事その3。吉福さんが翻訳した本の中でも、とびきり重要な一冊がこちら、『意識のスペクトル1 意識の進化』(春秋社)です。1980年代に自己探求、自己成長、意識の成長といったテーマに興味を持った人なら、きっと一度は手にしたことがあるのではないでしょうか。ケン・ウィルバーのデビュー作で、トランスパーソナル心理学の金字塔となる一冊です。原題は"Spectrum of Consciousness"ですが、読みやすくスペクトラム→スペクトルとしたとのこと。  カ

          吉福伸逸さんの仕事③ ケン・ウィルバーの翻訳

          ジャズ喫茶ベイシー菅原正二さんによる記事。

           昨年、映画『Swiftyの譚詩』でも話題になったジャズ喫茶「ベイシー」(岩手県一関市)。アナログ・レコードだけを、JBLのヴィンテージのスピーカー・ユニットと、これも希少なJBLのアンプで鳴らす同店は、ジャズ・ファンとオーディオマニアの聖地であり、”日本一音のいいジャズ喫茶”、”本物よりもリアル”という人もいます。私自身も3回訪れたことがありますが、そのたびに音の洪水に圧倒され、思考が止まってしまうほどです。その店主・菅原正二さんが吉福伸逸さんについて、以下の記事を書いてく

          ジャズ喫茶ベイシー菅原正二さんによる記事。