マガジンのカバー画像

在日あれこれ

14
在日韓国人三世として見たこと、聞いたこと、思ったこと、感じたこと。
運営しているクリエイター

#在日朝鮮人

祖父のソウル賛歌

祖父のソウル賛歌

 1950年6月25日、北朝鮮が北緯38度線を越えて南側に侵攻してきた。日本では朝鮮戦争と呼ばれるこの米ソの代理戦争は、韓国では「韓国戦争」やその開戦日を取って「6・25戦争」と呼ばれることが多い。朝鮮半島に大きな爪痕を残したこの戦争はもちろん民間人も巻き込み、人々の人生を大きく変えた。
 勢いをつけた北韓国の人民軍は南部の洛東江(川)まで一気に攻め込んだ。大韓民国政府ごと玄界灘に飛び込み「アカ」

もっとみる

名前をひとつ捨てること

 李という姓だけを名乗るようになって早3年ほどが過ぎた。在日韓国人で生まれ、10歳のときに親といっしょに帰化して、日本語の名前が戸籍上の表記だという期間が14年ほどあった。その間に2度、大学生のときと大学を出る前に家庭裁判所に姓改名の申し立てをしたが却下され、弁護士を紹介してもらって20万円で解決したわけである。数字がたくさん出てきて申し訳ない。

 在日韓国人にとって名前はアイデンティティのひと

もっとみる

自分のルーツを知るとき

 中高と韓国系民族学校を卒業したのだが、小学校は地元の公立小学校に通っていた。ついでに幼稚園も地元である。中高のあいだだけでもまわりが韓国人ばかりの環境にいたので、日本の大学に入って名簿を見たときに周りが日本人だらけで逆カルチャーショックを受けたものである。

 僕は気が付けば在日韓国人であることを知っていた。物心がついた時には「武田」という名前とは別に「李」という名前があって、親から「お前は韓国

もっとみる