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とあるゲーセン店員の振り返り 「朝昼晩番(アサヒルバンバン) 後編」

偏った所見で語るゲーセン店員のシフトに関するフィクションなお話、その続きです。


<昼番>

朝と夜の両方の要素を兼ね備えたシフトです。早起きが苦手な人も大丈夫ですし帰宅頃には丁度スーパーの半額セールも始まっており生活面でみればかなり余裕の生まれるシフトではないでしょうか。

個人的には廃ゲーマーが昼番をやると何故か閉店後に夜番と一緒に帰ることが多い気がします・・・危険ですね(;´Д`)

メーカーの大型店舗だとそうではないかも知れませんが、基本的に昼番は朝夜間の引き継ぎや後述の隙間時間を埋める役割が多いです。

朝番と夜番の休憩時間のフォローや夕方から夜の混雑時間の処理と縁の下の力持ち的な役割がありますね。

楽な点と言えば開店閉店時の大掃除が無いことでしょうか。その店の規模や人間関係にもよりますが、層の厚さが無いシフトなので人によっては寂しさを感じる事もあります。


<夜番>

やってきました世紀末。暴力と混沌に一番近い時間に生きる夜番です。

大体お子様の活動限界時間(〜18:00?)を超えると心なしか空気が淀んで来ます。煙草の煙がそこかしこで立ち昇る・・・まさに戦を前にした飯炊きの煙を思わせます。

そう、ここからは大人の時間です。
例え負けた事に腹を立てて灰皿を投げたとしても年齢上は「大人」なのです(;´Д`)

地域の客層や店舗にもよりますがこの夕方から深夜にかけての時間が一番の稼ぎ時ではないでしょうか。とにかくその熱量と煙たさ(笑)は圧巻です。

そして賑やかを通り越して喧騒激しい時間も過ぎ、遂に夜番最大の山場である閉店作業が始まります。両替金の集計や閉店に向けての下準備ですね。

少し深堀りすると閉店時間よりもかなり前に人の潮目が変わる時間帯があり、先程の喧騒が嘘のように静かな時間があります。でも閉店が近くなってくるとその遊び収めを惜しむように例え客数が少なくともそれを感じさせない熱気が舞い戻ってくるのです。

さて、先程語りかけた閉店作業なんですが「単に店を閉めるだけでしょ?」
と仰る方もいらっしゃいますが、子供時代にファミコンで遊んでいる時にお母さんから「もうそろそろ時間よ」と言われたら貴方は何と答えましたか?

恐らく大半の方が「あと5分!」と守れない約束をしたのだと思います。
でも閉店間際にいるのは大人だけです。
もうあの頃の様な子供ではないのです!・・・はい、永遠の子供でしたね(TдT)

とはいえゲーセン店員も基本的にはゲーム好き。永遠の子供達の気持ちは痛い程わかるので最大限の譲歩をするわけです。例えそれがタダ働きであろうと。

まぁ店の客層次第では気持ち云々の前に身の安全に直結するのが笑えないところなんですが。

またお客さんを退出させてもゲーセン店員の仕事は終わりません。
戰場の後片付けが待っています。
前回も書きましたが、もしあまりにもひどい惨状を放置して帰ると朝番との内戦すら起こりかねないのです。

更にビル内等の他の施設と併設された店舗だとネタ抜きでタイムリミットがシビアなので店の外で呑気に盛り上がっているお客さんと対象的にゲーセン店員は慌ただしいです。


とまぁ雑な感じですがゲーセン店員のシフトについて語ってみましたがいかがだったでしょうか?

今回語っていない要素も多いですが、少しは雰囲気が伝わっていれば良いなと思います。勿論地域や店舗、時代によってその中身は全く違いますのでフィクションの読み物として楽しんでいただければ幸いです。

読み物なので物騒な話を少なめに多めに書いていますが、危険なんて本人がやらかしてさえ居なければ遭遇しませんし、万が一でも店員や周囲が守ってくれます。

そもそも永遠の子供たちはコワモテだろうが世紀末モヒカンだろうが単純にゲームが好きでこんな夜更けまで我を忘れているのですから。

もし足を運べる範囲にゲームセンターがあれば試しに覗いてみてください。

運が良ければ当時の私達が味わったものと同じ言い様のない熱気を体験できるかもしれませんよ。

(あと最近のお店は昔程煙たくは無い筈です)


<次のお話>

<前のお話>

<とあるゲーセン店員の振り返り>
ゲーセン店員時代の実体験フィクションを都度書き溜めています(゚∀゚)


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