コロナウイルス連作短編その201「よしよし、いい子いい子」
映画サークルの飲み会の席,見木才田の視線は自然と水戸部彌生の方へと向いてしまう.長い黒髪が揺れるたび露になるのは,角張った輪郭だ.磐石なエラ呼吸をするために培われたとしか思えない逞しさがそこには宿っていると,才田には思える.そして髪先が愛撫を行うがごとく,繰り返し触れている肩もまた強靭なものだ.服の下に80年代風の肩パッドでも入れているのではないか?と妄想してしまうほどだ.
彌生を見掛けるたびにその肉体の男らしさに目が行って仕様がない.
飲みの帰り,友人の高昂と駅まで歩