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コロナウイルス連作短編

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記事一覧

コロナウイルス連作短編その221「さぞ鮮やかな血潮」

 実久塁がショッピングモールを歩いていた時,ある人間を視覚的に認識した.  見てくれが雑…

コロナウイルス連作短編その220「Bucharest Decadence」

 梅時マダリナは“Tokyo Decandence”という本を読んでいる.表紙には猫耳のついた仮面に,黒…

コロナウイルス連作短編その219「誰なんだよ」

「ご飯できたよ!」  王木美鈴がそう言ってから、娘の王木めぐが自身の部屋から出てきたのは…

コロナウイルス連作短編その217「広背筋、大円筋や僧帽筋など」

 西東薫は,今バガンド・ガジイェフという男に自分の首筋が荒々しく貪られている状況が夢のよ…

コロナウイルス連作短編その218「素朴な疑問」

「“黒人”って言葉を使ってるとき、そいつ自分のことを“黄人”とか言ってないでしょ。日本人…

コロナウイルス連作短編その216「どこか、より安心できる場所」

とうとうですよ 湖東優 とうとう 妻の湖東釈 妹の騎子 彼女のパートナー富士見野わかば 彼らに…

コロナウイルス連作短編その215「Uatași ua Cristian desu」

 そうして梅時クリスがボールをシュートしようとする瞬間,やはり現れるのは松崎セイドゥだった.視認するや否や,クリスは体を引いてボールを死守しようとする.  セイドゥの足が蜂の針さながら突っ込んでくるのを見計らい,フェイントをかけた.だが瞬刻,セイドゥの足は獲物を捕食するタコの足さながら暴力的なまでにしなやかに蠢き,気付いた時には既にボールは奪われている.  そこからセイドゥはチーターさながら,逆方向へとフィールドを駆ける.  追いかけようとしながら,息が切れて足がもつれてしま

コロナウイルス連作短編その213「きみはひとり」

改札で きみは彼の右手を握る その指は意外なまでにほそいんだけども 力はとにかくえげつなく…

コロナウイルス連作短編その214「彼女は男が好きだから」

 それから三島新後は母である三島安乃から新しくできた恋人を紹介されるのだが、それが男性で…

コロナウイルス連作短編その212「狐の嫁入り」

 晴れたのだが,雨は未だに降り続けている.  狐の嫁入りだな,政銅一木はこう思う.今年,8…

コロナウイルス連作短編その211「Solarisの由来」

 舞花あさぎはLINEで友人の芳山笹と話している。外からは豪雨の音が聞こえてくる、鼓膜を無数…

コロナウイルス連作短編その210「明日もまた生きていく」

 真南茶織は自宅のトイレに籠り、ただ壁を見つめている。  数年この部屋に住んでいるが、こ…

コロナウイルス連作短編その209「日本人男性、白人男性、日本人女性」

 塩野義星野が道を歩いていると,向こう側からカップルがやってくるのに気づいた.そしてその…

コロナウイルス連作短編その208「無償の愛」

 植木口津は居酒屋で会ったばかりの男に自分の考えを話し続けていた. 「僕の恋人が選挙行け選挙行けってうるさいんですよ.だから結局行きませんでしたね,はは」  口津はその口にレモンサワーを有らん限りにブチ込んでいく.この居酒屋に来た時は毎回“超濃いめレモンサワー”を彼は頼んでいる. 「恋人もそうですが,ああいうネットで活動家気取りのやつらは選挙行け選挙行けと言うだけで,それで選挙行った人々が自分の支持政党に投票するとしか考えてないわけですよね.自民党や維新に投票するかもしれない