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おーい!なぜ喜ぶ?避難訓練

 グリーンテック協同組合で日本語講師をしています。小椋です。
長雨で災害が多く、グリーンテックがある東海地方も被害が出ています。幸い亀山は大きな被害が今のところ無いです。皆さんの街は大丈夫でしょうか?ちょうど2年前も岐阜の川が氾濫して、友人の家が潜水したことを思い出します。自然は大好きですが、時にはほんとに恐ろしいですね。大きな被害がでないようにと願います。

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海外のプチ避難訓練事情**

 実習生に日本の災害についても教えています。そうすると、日本の災害の多さに気づかされます。多くの実習生は日本は地震が多いくにであることは知っていて、「地震、怖いです」と話してくれます。国によっては大きな地震がなく経験がないみたいです。
 そして避難訓練をすると、なぜか喜ぶんです・・・すごく楽しそうに机に隠れたり、喜んで消火器を取りに行ったり。私たちは、子どものころから避難訓練は1年に1回くらいはどこかで体験があったと思います。しかし、彼らは避難訓練がおそらくない、あるいはあったとしても日本のようにしっかりとやらないのではないか?と思います。
 命に関わるので私はどうしたら、災害時に技能実習生が自分で自分の命を守れるか?と考えながら教えています。

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五感で覚える

 授業中ふざけすぎはよくないことです。写真や動画を見せながら、様子を伝えますが、実際の体験がないこともあり、リアリティが伝わりにくいです。しかし、大きな声を出す事、身を守る動作が災害時にできなければ、命を落とすことになってしまう可能性があります。できるだけオーバーリアクションで一緒に避難訓練をします。体で覚えてもらうように体を動かす事と、耳に残るように言葉の力を借りています。災害時にとっさに周囲に知らせる言葉を教えるようにしています。
「ピン・ポン・パン」「にげろ」「火事だ」・・・
そんな簡単な日本語

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合言葉は「ピン・ポン・パン」

「ピン・ポン・パン」は、地域の消防士さんから教えてもらった言葉です。なんのことだと思いますか?



「消火器の使い方」です。

ピン→黄色いピンを外す
ポン→消火器のホースをポンと外して握る
パン→持ち手を握る

 これを教えるとずっと呪文のように唱えていたり、ネイティブな日本語ではないからか、実習生が言うと、とても可愛いです(笑)
日本人の中では避難訓練と言ったらの定番の合言葉ありますよね?おさないかけないしゃべらない。あ!最近では戻らないも追加されたみたいですね。「お・か・し・も」それもつたえて、ロールプレーをするんですが、やはり「ピン・ポン・パン」が実習生に定着する言葉です。
 オノマトペの授業を介護の実習生にはするんですが、その授業をした後すぐに覚えたオノマトペを使いたがります。それもまた可愛いです(笑)

オノマトペとは?
様々な状態や動きなどを音で表現した言葉のこと。主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現したことばです。
例えば、犬の鳴き声「ワンワン」感覚的な表現「ワクワク」など
日本語はこのオノマトペが特に多く用いられている言語と言われています。

 逆に、外国人の中には自分の国ではあまりない表現であり、オモシロいし使いたいと思うのでしょう。

 

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そんなオノマトペの要素と、動きがある授業初めての避難訓練だからこそ彼らは避難訓練を喜んで、楽しみながらしていたのではないだろうか・・・。
 災害時の外国人は私たち以上に戸惑いと、不安が大きいはずです。どうか、その時は少しでもお気遣いいただけたらと思います。災害をきっかけに作られた、やさしい日本語も最近は随分頻繁に目にするようになりました。そんなやさしい日本語で、外国語が話せなくても、日本語を少し知っている外国人にとってもとにかく「伝わる・命が守れる」そんな日本であって欲しいです。やさしい日本語については、また書いていこうと思います♪そして、彼らが災害の授業で学んだことを危険なときに、思い出して実践できるといいんですが・・・。それでも周りのサポートは必要です。どうか、お願い致します。


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