人生初のアイドル夏フェスと、最愛最強の推したち【8/26@JAM参戦レポ】
んんんんんーーーーーアトジャ楽しかったーーーー!!!!
こんにちは、灰色です!
タイトルの通り、今回は8/26・@JAM初日のライブレポです。
TIFに次ぐ業界最大級のアイドルの祭典とされる「アトジャ」。
昨年の夏にはアイドルのアの字も頭になかった身としては、もちろん人生初の参戦です。
とはいえ、私は今に至るまで主流派の王道系アイドルおよび大手どころにほとんど興味を持てていない身のため、推しがほとんど出ていなかったTIFは金欠でパスした程度のにわかドルオタに過ぎません。
ですが、今回は話が違います!
推しの超実力派グループたちが、揃いも揃って堂々参戦!
いや、みんな26日に固まりすぎだろ!!!
被りに怯えながらタイテ発表を待っていましたが、幸い深刻なものはそこまで多くありませんでした。スパンコール、カレバン、カイジューは残念だったけど……。
というわけで、アトジャの目玉であるアリーナのストロベリーステージをほぼスルーするスケジュール組みのもと、初日の26日だけ参戦を決めたのでした。
ちなみに今改めて観ましたが、マジで27は特に食指が動くグループが一つもありませんでした。ここまで偏るかね。助かったけど。
はい、前置きは終わり!
ここからは時系列順に思い出を振り返りながら、見ることのできた推しグループ全組の感想をつらつらと書いていきます。
また今回は特別編として、ちょろっと各特典会についても触れてみました。つっても4箇所だけだけど……。
1. NOW DRAMATiC特典会
おはきゃぷ〜( ˙³˙)
大変失礼しました。キャプテンのようなキュート顔面がないにも関わらず、おはきゃぷをしてしまいました。
というわけで、この日の幕開けはLIVEから……ではなく、ナウドラの特典会から。
どうもVIP入場の際にリストバンドが足りない?偽VIPチケットの蔓延?というトラブルがあったそうで、LIVEと特典会全てのタイムテーブルが実に20分押しでスタート。
私は開場しばらくしてから行く予定だったのでよかったのですが、ストロベリーステージ一組目のクマリデパートのオタクをはじめ、暑い中で待った方も多かったかもしれません。
結果としてこの日のナウドラは実に、特典会スタートが10:30→LIVEが19時という超ロングスケジュールに。
とはいえ、間にポピエモほか親和性の高いグループがあったこともあり、ドラマチストたちは思い思いの時間を過ごしていたようです。
私はというと、まずは推しのキャプテンにご挨拶。大阪遠征二日目の夜(ナウドラは遠征ラストの3本目)、Finallyが終わってからダッシュ10分で別会場のナウドラに駆け込んでフォーエバーヤングの落ちサビから乱入するというクソムーブをしたことの謝罪とかをしていました。
また、何よりもちいかわが大好きな同志のキャップには、初のアトジャ出場を祝してささやかなプレゼントを。恥ずかしくて普段はなかなか伝えられない気持ちを、このメッセージに込めてみました…………。秘密ですよ。
本当にこのシールだけ渡しました。
その他、なーたんとタッキーのところにも激励に。神イベント・アイドルライブジャパンが8/5開催分のアーカイブフル動画を上げてくれていたのですが、それの二人が特に素晴らしかったという話とかをしました。
彼女たちの煽りが本当に狂っているのでストレスが溜まっている人にオススメです。
新体制スタート後の新曲リリースにより、無類の楽曲バリエーションと共に無敵の突破力も手にしたナウドラ。
初出場の今回は15分一発勝負となりますが、果たしてどのような戦いを見せてくれるのか。本番のセトリに期待しながら会場を後にしました。
2. 神薙ラビッツ・①(キウイステージ)
さてさて、いよいよここからが本番!
灰色アトジャのトッパーを務めてくれたのは、神薙ラビッツです。
うさうさ^〜
最初から端的に言いますが、しょっぱなから超インフレを起こす絶対的なレベルの高さ。
やっぱり神ラビの総合力は随一です。
セトリ面では、一曲目「飛んで!文明開化!」で軽やかに楽しくスタートし、次の「晴天、流し雛」でしっかり聴かせる流れ。
そこから新曲「嗚呼、青天の麗空」を披露して、ラストはみんな大好き「ちはやふる」という流れでした。
まず特筆すべきは「麗空」の完成度の高さ!「うららぞら」という珍しい表現も日本語の美しさを活かす神ラビらしいですが、曲調はアイドル夏うた!フェスうた!という方向性とは全く異なり、三味線と鼓のリズムも心地よい壮大な作品です。
推しのパートについては後述しますが、麗空はとにかくサビが過去トップクラスにエモーショナルです。
生歌で繰り返されるこの言葉には、にわかオタクでも泣き出してしまいそうになる強さと優しさがあります。
前向きな曲なのは間違いありませんが、どこかに切なさを漂わせるメロディ。「終わることの無い 夏の幻探して」という歌詞にも表れている通り、真夏の熱狂ではなく晩夏の儚さを描き、その郷愁を日本古来の旋律が倍増させてくれます。「DNAに刻まれている」とはこのことかと思うような、優しく気品のある高揚感です。
加えて、「神の宴」「悲しい涙を薙ぎ払って」とグループ名をさりげなく織り込んでいるのも注目ポイント。
そして極めつけは「君と僕でこの手にする薙の音」です。ちなみに「薙の音」とは、というと……(改めて検索中)
武道館にあるの!?
それ多分あの玉ねぎだよ!!!
なんか歌詞も神薙っぽいし。
それはともかく、この「薙の音」というワードを新曲のサビに持ってきたことは非常に印象的で、グループにとってのターニングポイントという意味もあるのかもしれません。
あのクラシック公演を経た現在の神ラビの集大成にも思えるクオリティは、大作映画の主題歌に見劣りしないものでした。
麗空の話が長くなりすぎたので、ラストの「ちはやふる」についてはまた場を改めることとします。
ただここで強調したいのは、LIVEのちはやふるが楽しすぎたことで私は神ラビの定期に通うようになった、という点です。
それくらいの思い入れのある曲をアットジャムのスタートで聴けたのは、やはり格別でした。
さてさて、では神ラビの推し・旭様の話です。
もともと絶美なるビジュアルと精密機械のようなダンス、そして万華鏡のようにくるくる変わる表情を持ち合わせた無双アイドルの旭様でしたが、麗空ではさらにボーカルとしての才能が一気に開花!
特徴的な深みのある低音が和のサウンドに素晴らしくマッチし、良質な音響も相まって会場の隅々まで波動が響き渡ります。梨さんのかわいらしい「ポンポン!」からの掛け合いが至福です。
本人も、この頃はものすごいトレーニングを積んで必死で歌っていると話してくれましたが、その甲斐もあって神ラビは天下に二つとない武器を手にしました。
死角のない、万能にして唯一の無双アイドル…….神薙ラビッツ・旭こそが、まさしく「神の使い」です。
3. Finally・①(キウイステージ)
神ラビで最高のスタートを切ったあとは、早くも来ました本日のメインアクト!!我らがFinallyの登場です。
すでにキウイステージのスペックの高さは思い知ったところ。果たしてFinallyがどのようなステージングで……そして、どのようなセトリでこの場を活かしてくるのかが注目されます。
と、普段のクセで他人行儀な言い方をしてしまいましたが……
待ってたぜアトジャでのFinally!!
これを見なきゃ夏を終われねえ!!!!
私個人はキウイステージの凄さを全く知らなかったくらいのレベルだったのですが、出演情報解禁後はメンバーたちがキウイでのLIVEに大喜びしていたため、必然的にこちらの期待も高まることに。
実際にステージの規模は大きく、収容人数は600人?程度はありそうです。それに比例して、音響も相当なもの。キャパ以上に特にこの設備面が、率直なところピーチ・オレンジステージとかなり大きい差があるように感じました。
つまり、キウイは格だけでなくスペック的にもFinallyの全力が出せるはず!というわけです。
そんな今回のLIVE、スタートを飾ったのはなんとファイター!!
2023年アイドル楽曲大賞・喉に優しくない部の最有力受賞候補です。
たしかに武闘派の中の武闘派であるFinallyを印象づけるには強烈なチョイスですが、それにしても攻め攻め。ある意味では最大の自己紹介です。
個別メンバーの話はあえて後に回しまして、先にセトリを振り返ってみましょう。
続いて差し込まれたのは……
なんとLove me for who I am (ラブミー)!!!
これ、予想できた人はいたんでしょうか。
普通の発想では、アイドルの夏フェスから最も遠いところにある曲です。もしかしたらバラード以上に。英詞が中心の上、展開も前衛的で、ダンスは超難易度。
ラストの拳振り上げツーステという爆上げポイントはありますが、それ以外はキャッチーさよりもテクニカルさに重きを置いた異色作がラブミーでした。
これを2曲目に持ってきたことには、一つの明確な意志を感じます。
This is Finally。
絶対的な実力と楽曲の質をもって、
誰にもできないことをやる。
普通のアイドルには思いつかないことだから、Finallyがやる。
私はラブミーの開幕で既に、彼女たちのそんな勇敢な選択に震えましたが、この「Finallyイズム」は一曲だけに留まりませんでした。
意外性に満ちたラブミーのフィニッシュは、しかしお馴染みのアップテンポなイントロには繋がりませんでした。代わりに流れ出したのは、静謐なピアノの旋律です。
まだわずかしか披露されていないため、状況の理解が追いつきません。アトジャ用の特別なツナギを作ってきたのか、それなら納得だが……とよく分からない思考を巡らせます。
ですがもちろんそんなことはなく、この流れが行き着く先は一つしかありません。
「燈-tou」です。
普段以上に荘厳な雰囲気をまとったメグの「静」の歌い出しから、ティナによる裂帛の一閃と共に「動」へとアクセルを踏み込む。ラブミーや決別にも言えることですが、この静から動への移り変わりに関しては、未だにFinallyを上回るパフォーマンスを見たことがありません。
鮮やかに移り変わる彼女らのダンスと歌唱を目の当たりにすると、これほど劇的で高難度の展開を見せるtaka(ex.ミオヤマザキ)氏のトラック自体が、Finallyならばここまでできるだろうと期待して作られたようにすら感じてきます。
ラブミーと燈。
およそもっともアイドルフェスに相応しくないとも思える2曲をあえて持ち込んできたことには、ファイターで闘争心を爆発させたのとは別の明確な狙いがあったはずです。それについては、全てのセトリを振り返ってから述べることとしましょう。
燈の余韻を残したまま、ここからはまた色彩がガラリと変わります。新曲「トーキョーナイトイミテーション」(トーナイ)です。ここはロッケンが来るかとも思っていましたが、いずれにせよこの二択だった可能性が大です(そう言い切る理由も後述)。
最新曲として、妖しくセクシーな大人の色香を全面に押し出した「トーナイ」。壮大な世界観の燈とは打って変わって、「メロメロにしてあげる」「深くキスして」といった、従来にない刺激的で甘いワードが連発されます。ここまでがFinallyのカッコよさを押し出してきたのに対し、王道アイドルとは違う官能的なインパクトを見せつける奇手でした。
短尺の曲が中心のFinallyは、他グループでは20分4曲が基本のところへプラスワンできるのも強み。
そしてここまで来たら、もうラストは一つしか考えられません。
やはり「WILD BRAVE」(ワイブレ)が披露されました。
イナズマロックフェスで初披露されて以来、0326バンドワンマン二部のアンコール=最後の曲など、負けられない戦いに挑むときのテーマソングのようでもあったこの曲。
既にパフォーマンスの練度は凄まじい域に達していますが、この日見せたのはそこから一段二段上の超ワイブレ!
最近のFinallyはメグのアドリブを筆頭に、少しずつオリジナルから崩した生ならではのアレンジを見せてくれるようになってきましたが、今回は間奏のジュリンカラップでアトジャへの思いと遊び心が大爆発!
原曲への忠実さをあえて捨て、熱風をそのままマイクに吹き込む2人の掛け合いは、幾度となく聴き慣れていたものとは全く別物の盛り上がりをもたらしてくれました。
こうして、初出場のキウイステージを火の玉と化して駆け抜けたFinally。個々の曲、あるいはメンバーを振り返っても何千字と語れてしまいますが、今回は後半パイナップルステージのレポののちに、グループとしての一日の活躍を振り返ることにいたします。
なので、ここではとりあえず一言だけ。
はい完全にチケ代の元取ったーー!!!
俺の勝ち!!!!勝ち確定です!!!!
4. C;ON・①
Finallyのステージ終了から間を置かず、仲良くしてくれているFimillyと共にキウイステージから猛ダッシュ開始!
何をしているのかと申しますと、お目当てはオレンジステージでのシーオンです。ただでさえ大人気のシーオンを、通路に設営されていることから非常に入場規制がかかりやすいオレンジで確実に観るため、彼が声をかけてくれたのでした。
というわけで、キウイの前の前哨戦にオレンジへ降臨したシーオン。持ち時間は短く15分だけでしたが、まずは「エロティカ・セブン」で夏に相応しくキャッチーなスタート!あるいはシーオンを知らずとも、通りがかりにブラスバンドを背負った美女2人がサザンを歌っていたら、つい足を止めてしまったという人は多かったのではないでしょうか。ハロウィンの渋谷ギャレットで「め組の人」を奏でるシーオンを一目見て惚れ込んだ、この私のように。
そこから先は、地上最強の17歳・絹井愛佳さんがいよいよ本領発揮!!通路中、どころか分厚い扉を挟んだアリーナにも聞こえるんじゃないかというレベルで、小さなステージからバンバンに煽りまくります。「そんなもんじゃないよなあ!」から定番の湧かせ曲・「Noisy」でボルテージを一気に上げると、アレンジをバキバキに入れまくって遊び倒します。
いやはや、気品をまとったもう一人のボーカル・栞音との好対照たるや、何度見ても惚れ惚れします。
私見ですが、恵比寿ガーデンホールでの6周年ワンマンLIVE「7年目の決意」以降の愛佳さんは、LIVE中のアレンジをより自由に入れるようになり、全身でステージを楽しんでいるように感じられます。
個人的にもTMR西川兄貴の信者ということもあり、アーティストのLIVEで最もテンションが上がる要素の一つが原曲と違う特別なアレンジや煽りのため、こうした愛佳さんの進化はすっかり毎回の楽しみになりました。
と同時に、17歳にして無類の歌唱表現力を持ち合わせた彼女がついにカリスマ性までも身につけつつあることには、誠に末恐ろしいとしか言いようがありません
最後は「鼓動パレード」で締めくくり、たった3曲ながらも妥協のない貫禄のステージを見せたシーオン。その唯一無二のオリジナリティとクオリティには、もちろん今回も大満足でした。
5. 神薙ラビッツ特典会
華麗なシーオンのショータイムで多幸感に浸ったあとは、ハードなLIVEマラソンから小休止。神ラビの特典会へ移動です。やや足がキツくなってきましたね。うさうさ^〜
推し・旭様へご挨拶すべくやってきましたが、さすがに人気グループ、列がなかなかなことになっいました。しかしタイミング的にはギリギリセーフ!
と、安堵していたら物販に寄るのを忘れてアトジャ限定の豪華特典のもろもろを受け取りそびれるという失態に。無念……
ここから日曜にかけて更なるやらかしラッシュが始まるのですが、それはまた別の話。
もちろんトークはいつも通り、ひたすら旭様の神業を絶賛するタイムです。大きいハコでも隅々まで視線を送っているところも流石ながら、普段以上に研ぎ澄まされたその集中力といい、麗空での進化した歌唱といい、流石すぎる……というようなお話をしました。
また、初めてFinallyの話題にもなったのですが、やはりFinallyのハイレベルさはアイドル界でも有名なんだとか。
ツーマン待ってるよ!!と激プッシュしておきました。
うさうさ^〜
⑥POPPiNG EMO
キング、横アリに立つ!!!
特典会で小休止したあとは再びキウイステージまでの階段を駆け上がります。
登場したのはポピエモ!
ナウドラ時代からの推しにして我が王、キング・ユリアを擁する実力派ロックアイドルです。
前体制ではZepp Yokohamaでのワンマンも開催した彼女たちが、新体制初めてのアットジャムで見せるパフォーマンスとは……
と言いつつ、 LIVE本編を振り返る前に一つだけ触れさせてください。
これまでは腰が引けて言えなかったことです。
あるいは特に、従来からのポピエモファンの方は不快に思われるかもしれません。あらかじめ弁明させていただきます。
新体制になったポピエモが満を持して同時配信リリースした、驚異のフルアルバム4枚。
「ALMOST ALL POPPiNG EMO」=ほぼ全てのポピエモ、と銘打たれたその収録曲数は、実に全65曲。
その音源に触れて、真っ先に感じたことは、
物足りなさでした。
ユリアの歌割りが、事前に予想……否、覚悟していたよりも、さらに少なかったからです。
既にサヤカ・ロス.emoとナーナ・ポップという二大ボーカリストを擁するポピエモへの加入ですから、言ってしまえば必然のことです。
前体制からダンスを中心に大活躍している193RさんもLIVEでは迫力の歌唱を見せてくれますし、オーディションで加入したユーナッテ・ユーナさんのポテンシャルには舌を巻くものがあります。
それでも、ユリアを追ってポピエモを観るようななった私はどうしても、どうしても思わずにはいられませんでした。
もっと、彼女の爆発的な歌声を聴きたい。
目まぐるしくマイクが切り替わる形式でなく、まとまった長さで、またあの歌で痺れたい。
つい先日あれだけ応援すると言っておきながら、全くもって自分勝手の極みです。
自分が道理に外れている自覚だけはあったため、このことだけはこれまでTwitterでもnoteでも書かずにいました。
そうして、アトジャのステージを楽しみにする一方、その結果がまた「物足りない」に終わってしまったらどうしようか、嘘でもポジティブな感想を書くべきだろうか……と、支離滅裂な思考を無駄に巡らせながら、この日を迎えました。
ハレの舞台には全く相応しくないノイズまみれで観た、ポピエモのステージ。
既に本音は全て吐き出しました。ここからは、配慮も忖度もない感想です。
LIVEのキング・ユリアは、一瞬でも最強。
私は未だに、何も分かっていませんでした。
音源だけで、果たして王の何が伝わると言うのでしょうか。
LIVEこそ、彼女の戦場。
加入から一ヶ月半が経ち、ポピエモとしてのステージにも慣れてきたからでしょうか、あるいは@JAMの大舞台がそうさせたのでしょうか。
この日のユリアはとにかく、歌以外でも抜群の存在感を見せてくれました。
圧倒的な歌声のイメージがどうしても先行するものの、ナウドラ時代から彼女はダンスの切れ味も抜群でした。当時はグループのカラーもあり、不敵な表情とシャープなムーブで中性的なカッコ良さを見せていたそのダンスですが、ポピエモでは時には妖艶に、時には軽やかに、また時にはたおやかに、かつてとは違った魅力が引き出されています。
その端麗な容姿と洗練された技巧を以てすれば自然なことかもしれませんが、それでも過去のイメージから大きく変わった優美なる舞には、改めて驚かされました。
加えて、歌っていない最中のユリアは煽る!煽る!煽りまくる!
初めて見たときに衝撃を受けた、あのアグレッシブな火付け役が帰ってきました。不良のカリスマとでも呼ぶべき彼女の挑発は、やはり最高に熱くさせてくれます。
歌割りが減ったからどうした。
新加入だからどうした。
一秒たりとも、私から目を離させない。
自由に舞い、思うままに挑発を繰り返すユリアの姿には、そんな自信を感じました。
そして、問題の歌唱パートです。
あるいは私が感じていた物足りなさは、収録時と生歌の歌唱法の違いにも起因するところがあったのでしょう。ナウドラのアルバムが、特にLIVEライクなテイストを採用していたこともあります。
何の調整も抑制もされていない、POPPiNG EMOのキング・ユリアの歌声。
決して長くはない担当パートの中に込められたその全力は、ステージから客席までの空気ごと、またしても私の心を貫きました。
センターから離れて踊り、煽りながら、自らの出番を虎視眈々と待つ。
そうして、巡ってきた見せ場の一瞬に、超弩級のエネルギーを全て込める。
「ハートを射抜かれる」という使い古された言い回しがありますが、そんなユリアの歌はさながら、全力で引き絞った弓から放たれた必中必殺の一矢でした。
今回のセットリストは「覚醒サテライト」→「神様なんていないよ」→「Lovin’ Lovin’ Lovin’」→「喝采」と、全曲中でも屈指のキャッチーさとパワーに溢れた勝負の選曲でしたが、特に鮮烈だったのは「神様〜」でのこのパートです。
このうち、ユリアの担当は太字にしている部分だけです。
たった一言。
歌とすら呼べないようこのたった一言で、彼女には十分でした。
神をも恐れない、性別を超えた眼光と声の鋭さ。
理外のパワーをコントロールして、一点に集中してくるその姿は、もはや達人の域に。
この一矢で息の根を止められただけで、アトジャでのポピエモのステージもまた忘れられないものとなりました。
果たして、我が王はどこまで、上がりきったはずの期待を超え続けてくれるのでしょうか。
私の認識が正しければ、ポピエモは5人体制になってからまだ新曲をリリースしていません。先述したアルバムの65曲は、あくまでこれまでの楽曲の新録版でした。
つまり、現在演じられている楽曲は前体制までに作られたものであり、歌詞も、歌割りも、その当時のグループに最適なものとしてデザインされているはずです。
もう、言いたいことはお分かりでしょう。
いずれ来るであろう、5人体制での新曲。
キング・ユリアの存在を前提として創り上げられたそれが披露されるとき、彼女は間違いなく、また一歩天へと近づきます。
全くもってどこまでも、我が王からは目が離せません。
⑦Finally特典会
王に魂を燃やされたあとは、最推しに癒されに行きましょう。というわけで再びキウイの階段を降りまして、Finallyの特典会へ。
今回は記念すべきということで、貯まっていたワイドチェキ券を放出!限られた時間ではありますが、キウイステージのセトリとパフォーマンスが最高だったことを伝えに行きました。
予想通り、今回はセトリ決めにものすごく悩んだとのこと。特にジュリメグのプロデューサーコンビは、楽曲派の聖地・キウイステージへ相当な気合を入れて臨んでいたようです。
アトジャ自体からは少し離れますが、私にとってのFinallyの特典会における最大の魅力の一つが、こうした裏話を直接聞けること。
セルフプロデュースグループの彼女たちだからこそ、各曲の振り付けや作詞についても、よりディープな質問ができるためです。
その他さまざまな面で、セルフプロデュースだからこそ他のアイドルにはない充実した会話を交わせることが、Finallyの特典会を最高に特別なものにしています。
つまりは、沼を遥かに超えた深海ということですね。
それはともかく、やっぱり@JAMは特別なお祭りのようで、メンバーもFimillyも皆一様に笑顔にあふれており、待機列までもが普段に増してフワフワとした非日常感が漂う幸せな空間に。
改めて、人生初のアイドルフェスにFinallyと来られてよかったな……と感じる、あたたかい時間を過ごせました。
⑧二丁目の魁カミングアウト
初見です。
そして、今年の@JAMの個人的MVPです。
推したちを差し置いてこう断言してしまうほどに、そのステージは衝撃でした。
「ゲイでもアイドルになれる」をコンセプトに活動13年目を迎える、異色中の異色・ゲイアイドルグループである「にちょがけ」。
しかし、その実が色物などでは全くなく、相当な実力とエンターテイメント性を持った集団であることは、各方面から噂に聞いておりました。
もともと某数字グループをはじめとしたメジャーアイドルにはほぼ興味がなかった私ですが、他ならぬジュリちゃんが「前から大好きで尊敬している」と語っていたこともあり、アリーナではトリのももクロ以外に唯一気になっていたのがにちょがけでした。
幸運にも出番がFinallyの特典会終盤で、その他の推しとも被らずに見られるタイミングだったため、そちらのクローズまで待たずに本丸・ストロベリーステージへ駆け込みます。
横アリのアリーナに入るのは、昨年に映画HiGH&LOW THE WORST Xの試写会&LIVEに来たとき以来。しかもそのときはスタンドのかなり高い席でしたが、今回はアリーナでのスタンディング観覧です。
当たり前オブ当たり前なのですが、さすがにめちゃくちゃデカい!!方々にオタクが散っているため観客の入りこそまばらですが、花道の存在感や開放感にはとてつもないものがあります。
しかし、AKBやももクロといった国民的知名度を誇るアイドルならばいざ知らず、独自色の塊とはいえアングラの極みのようなコンセプトを持つにちょがけとやらは、果たしてこのステージに見劣りしないパフォーマンスができるのか……?
高評価を耳にしていてもなお、疑念は拭えないままでした。
しかし、いざ始まってみれば。
まことに「アイドル」というのは無限の可能性を持っているものだと、またしても思い知らされました。
衝撃の邂逅という意味では、初めてシーオンのワンマンLIVEを観たとき以来だったかもしれません。
最初の曲の最初のパート、ミキティー本物氏の一声目を聴いた瞬間、その力量は瞬時に理解できました。
歌が上手い。
上手すぎる。
ここまで観てきたアイドルとは(※生物学上の、声帯の)性別が違うというインパクトに留まらず、とにかく歌唱力がとてつもなく高いです。
筆村栄心氏のキュートなビジュアルからの熱唱、彫像のような顔面にふさわしい日が紅氏の硬質ボイスもさることながら、私が最も心を奪われたのはぺいにゃむにゃむ氏。フロアマスター系の役割を担われているのでしょうか、17000人を収容する会場の隅々に届かんばかりに「アリーナァ!」と幾度となく煽りまくります。
そしてまた、そのストロングボイスの勇ましい響きたるや。歌手というよりもむしろ声優やミュージカル俳優のごとく、良い意味でキャラクター性満点の役者を思わせる歌は、間違いなく超一流のものでした。
もちろん楽曲群も粒揃い。「まるもうけ」「やめらんない!とまらない!」のように陽気に前を向く元気をくれる曲もあれば、「リバ」「青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ」といった、彼らだからこそ響くメッセージを持ったエモーショナルなものまで、たった25分でもそのレパートリーの計り知れなさが窺い知れました。
「あるある言いたい」に至っては、もはやアリーナ中の脳をハックするバグ技。某芸人(比較的新しい、にちょがけと親和性高そうな名前の方&今の世代は知らないであろう気絶する方)を思わせるやりすぎファンキーな振り付けで「バカになれる曲」と思わせておいて、いつしか愛情にあふれた激励ソングへと展開していく前代未聞の構成は、「訳がわからず笑ってたと思ったら泣いてた」という異常な体験を初見の私にももたらしました。
美しい女性アイドルの祭典の中にあって燦然と輝く、ゲイアイドルのTHE GREATEST SHOW。
これはもう、スイーツビュッフェの最中に最高級ステーキを食べられたようなものですから、そのインパクトに抗うことは到底できません。
LIVEが楽しいこと、歌唱力が高いことは聞いていましたが、ここまでの怪物とは。
以前からの推しグループには散々書いておいて申し訳ないですが、この日私が観た中ではぶっちぎりのベストアクトでした。
私はグループの歴史もメンバーのパーソナリティも全く知らない初見の身ですが、最後ににちょがけの劇的な引力を自分なりに考察した結論を述べさせてください。
それは、「混乱の快感」です。
もともと「ギャップ萌え」という言葉があるように、外見と性格、トークとパフォーマンスといった、一つの存在が備える複数の要素が先入観や予想を裏切る個性を持っていたとき、人はそれらをいっそう魅力的に感じる傾向があります。
キュートな見た目からの、ワイルドな歌声。
おっとりしたキャラと思いきや、鋭いコメント。
キラキラしたカラーから一転しての、ハードな楽曲……
「思っていたのと違う」という意外性。それは、大小はあれど受け手の脳が一時的に混乱を来すことでもあります。
しかし、その混乱はストレスではなく驚きと関心を引き起こし、「他にはない魅力を発見できた」という快感を覚えさせるものです。
こうした「混乱の快感」を極めているのが、にちょがけではないでしょうか。
色物っぽいけど、超真剣。
マイノリティだけど、普遍的。
バカ曲のはずが、感動する。
誤解を恐れずあえて踏み込めば、男性でも女性でもない彼らのセクシュアリティとコンセプト自体が、心地よい「混乱」を引き起こすのかもしれません。
無骨な外見に、ピンクの底抜けに明るい衣装。
奇抜な外見からの、まっすぐ力強い歌唱。
さらに「ゲイアイドル」ならではの過剰にも思える裏声は、時として郷愁を呼び起こす美しい旋律を奏でます。
そんな「混乱」の大渦が、理屈で考えることも先入観で構えることも偏見で差別することも吹き飛ばし、ただ爽やかな高純度の狂騒だけが残る。
それでいて、他の何者にもない儚さ、刹那性をも余韻に残していく。
これは間違いなく、気の遠くなるほどの試行錯誤と研鑽によって辿り着いた境地なのでしょう。
この領域に至るまでに、どれほどの紆余曲折があったのか。
おそらく、逆境どころの話ではありません。12年間で経てきた艱難辛苦は計り知れないものがあります。
しけしそれでも彼らは、自分たちのショーをひたすらに突き詰めてきたのでしょう。
その末の素晴らしいひとときを堪能させてもらったことには、ひたすら頭が下がる思いです。
と、ここまで冗長に分析めいたことを書いてきましたが、そんな理屈など抜きにただ最高のアトラクションに身を委ねられるのがにちょがけのLIVEです。
ゆえに、25分とは思えない充実感はありました……が、それでもやはり彼ら(彼女ら)のポテンシャルに対してこの尺は短すぎます。
何より、物見遊山にやってきた私のような輩も含めて観客が様々混じり合っていたこの日のアリーナではなく、純粋ににちょがけワールドの楽しみ方を熟知したファンの中に飛び込んでみたいという希望が、どんどん膨らんできました。
残された熱の濃さに足が痺れ、動けなくなった私はその後も少しの間次のグループを眺めていましたが、心ここにあらずとはまさにこのこと。
あの硬直から私は毎日、ゲイアイドルとの再会のチャンスを熱望しています。
9.神薙ラビッツ・②(パイナップルステージ)
にちょがけの激烈な余韻を冷ますために軽食休憩を挟んで、本日のロングロングマラソンも後半戦へ差し掛かってきました。
お次は再び、麗しきスーパーアイドル・神ラビの登場です。
うさうさ^〜
しかしながら、ここでまたしても神ラビ関係での失態が……
ストロベリーの余韻に浮かされたまま休憩を取っていたからか、はたまた超人グループの連続で疲れが出たのか、ボーッとしていたら彼女たちのスタート時間を勘違いしていました。
そろそろか〜と悠長に時計を見たところ、時刻は既に一曲目を終えている頃。大慌てでローソンの大きなツナおにぎりを口に突っ込み、パイナップルステージへ走りました。
到着した時点で神ラビの15分限りのステージは既に折り返しを過ぎつつあり、2曲目「世界一天晴れウサギ!」の後半。ライブハウスに近い形式のパイナップルのフロアも、入場規制を免れたのに感謝するほどの盛況でした。
慌てて旭様カラーの紫ペンラを掲げ、「どーんどーんどーんどーん跳ね回るのだ」で殺人的なかわいさの頬ふくらませウサギジャンプに脳を爆破されます。人間離れした美貌と表現力を持っている彼女ですが、そのスペックはクールな決めシーンで発揮されるだけに留まらず、キュート方向に振ってくれば簡単にオタクを狂わせる大量殺戮兵器に早変わりです。
そう。これはまさしく、
そして今年の神ラビの最後を飾るのは、「あさきゆめみし」。日本人の祝祭の原体験とも言える、年の瀬から初日の出までを切り取り、日が昇る明日を強く生きてゆこうと背中を押すこの曲は、和のことばの美しさを極めんとする神ラビらしさが存分に味わえる、大好きな名曲です。
リズミカルに指先で宙に渦を描く振り付けも愛くるしいですが、何よりも素晴らしいのがラストサビ。メインボーカル=唄担当のうち、璃桜(りお)さんがメインパートを歌いつつ、もう一人の七燐鈴(なりす)さんが裏で空高く響かせるようなロングトーンを決めてくれるのですが、ここでの彼女の力強さと美しさにはいつも鳥肌が止まりません。
王道系のグループを中心に、アイドル楽曲のサビは多くがユニゾン制を採用していますが、こと全員で声を揃えた際のハーモニーについては、神ラビのハイレベルさはやはり頭二つ三つ抜けています。
全員がソロ曲を持つほどにしっかりとトレーニングを積み、かつ神ラビ特有の雅やかなテイストに最適な歌い方をマスターしているからこそ成せる7人がかりの絶技。その中でも「あさきゆめみし」での重奏は特筆すべき美しさで、今回も心地良く感傷を刺激してくれました。
斬新なのに懐かしく、挑戦的だけれど心地よいメロディ。
日本語にこだわり抜いた詩に魂を吹き込む、双璧の唄姫。
一度見たら忘れられない舞で魅せる、綺羅星の舞姫たち。
王道よりも愛らしく、ロック系よりも格好良く。
YOASOBI「アイドル」が空前の大ヒットを果たしたことで、「完璧で究極のアイドル」というフレーズも世に広まり、今や誰もが違う推しの姿をこの言葉と結びつけていることでしょう。
総合力の高さにおいてそれは間違いなく、神薙ラビッツにこそ相応しい称号です。
見事も見事な、横綱相撲でした。
うさうさ^〜
10. C;ON・②(キウイステージ)
パイナップルステージを一瞬で抜け出し、みたびキウイステージへスクランブル!本日のキウイで最後に見るのは、シーオンの後半戦です。
音響の良好さはFinallyとポピエモで確認済みですし、もともとホールなどの公演経験が豊富で距離を問わない音楽が魅力のシーオンですから、否が応でも期待は高まりますね。
パンパンに観客が詰まった会場へ、颯爽と登場したシーオン。さあ盛り上がるぞ!
と思いきや、いきなり無音の時間が訪れました。
トラブル……?
もちろん違います。
しっかりと時間をかけて、ダブルボーカルの愛佳さんと栞音さんが姉妹のように息を合わせ、一曲目の「響け」が始まりました。
純バラードであり、LIVEで披露される機会も非常に限られている「響け」。時間が20分と限られたこの日、まさかセトリに入れてくるとは思いませんでした。
ましてや、一曲目とは。
自分たちの音楽に対して、シーオンがいかに絶対的な自信と誇りを持っているかが伝わってきます。意外ながらも、実に見事な開幕でした。
第二部で最も心が躍ったのは、2曲目の「Now or Never」です。4/29の恵比寿ガーデンホールで初披露されたこの曲ですが、今や彼女らのLIVEには欠かせない定番ナンバーとなりました。
トラックの展開もトリッキーで面白いですが、メンバーという観点からの注目ポイントは二つ。
一つ目は栞音さんによる振りコピ教室です。
楽曲関係ないじゃないか、とお叱りを受けそうですが、いやいやこれがとっても素敵なんですよ!
まるでダンスの先生のように、優しく手の動きを指導するしおんさん。その素敵なお姉さんオーラには、抗いがたい稀有な魅力が詰まっています。
3ヶ月ほど前には「早く覚えてね」と笑っていましたが、ずっとこのレッスンタイムは残してほしいなんて子供のわがままのようなことを思ってしまいました。
もう一つは、ピアノ・杏実さんの躍動です。
楽器を手にしながらも右に左に華麗なダンスを披露し、ソロではステージの前面に繰り出す佳子さん・聖菜さんのペアとは違い、杏実さんの定位置は常にステージの奥側。ピアノ担当ですから当然のことではありますが、他の4人のフロントワークが派手な分、どうしても初見の観客には印象が薄くなってしまうという勿体なさがありました。
そんな杏実さんがこの曲ではなんとキーボードを持って立ち上がり、ついにステージの前方へ!
誰も予想していなかった展開の嬉しさに、初披露では大いに歓声が上がりました。従来の贅沢なサウンドも十分に魅力的でしたが、今回は電子系のテイストも強くなり、より厚みのある仕上がりに。「七年目の決意」に相応しい、新時代に旗を立てる楽曲でした。
その後はムーディーさと盛り上がりを兼ね備えた「C;ON‘s Love Call」を挟んで、早くもラストへ。
なんと、4曲目に来たのはまたもや「Noisy」でした。
ただこれについては、ここまで絶賛一辺倒で来た手前もあり心苦しいのですが、個人的にはそこまで刺さるチョイスではありませんでした。
もともと最高レベルの選出率の同曲、そして今日は既にオレンジステージで披露済みです。
その前半戦では曲の持つパワーが実に効果的に作用し、周囲にまでアピールのレンジを広げましたが、それを見て予定を変更しキウイに足を運んだ観客にとっても、あるいはずっとシーオンを追ってきて今日を迎えたファンにとっても、限られた時間の中ではいささか新鮮さに欠けるチョイスになってしまったのではないでしょうか。(無論、この日のキウイが初見または久しぶり、という層のことも想定しなくてはならないのは理解できますが)
たとえばムーディーな「Re:take」、ヒロイックな「垂涎の的」、可愛らしくインパクトの強い「等身大ガール」など、シーオンには他にも強い訴求力を持った曲がどこよりも山盛りで存在しています。
曲順・曲数はともかく、せっかく「響け」→Now or Never」と異なるカラーで魅了する展開を取ったのですから、そうした楽曲でさらなる幅広さを見せるという選択もありだったのではないかと思います。
と、最後は差し出がましくも批判めいたことを申しましたが、それもシーオンこそキウイに最も相応しいアーティストであると確信しているからこその、高まりきった期待の裏返しに他なりません。
あるいは、その無限に広がっていく世界観を堪能するには、やはり長尺のコンサートが最適なことは間違いありません。
幸い、これを書いているのは8/30。あと4時間後には、シーオン史上初の「360°ワンマン」と銘打ったLIVEが、品川プリンスホテルにて開幕するのです。
そこでこそ、再びシーオンの真価が、そしてさらなる進化が、私を待っているに違いありません。
※鑑賞後追記……前代未聞のとんでもないLIVEでした。もう、シーオンが売れないなら世界の方が悪い。
11. WT⭐︎Egret(ピーチステージ)
このホワイトイーグレット(以下WT)との出会いもまた、この日の大きな幸運でした。
きっかけは、FimillyかつILU系他にも多く通われている方がこのグループを猛烈に推していることから。特に綾藤あやさんへの愛情は物凄い熱量がありました。
実はかなり前、渋谷サイクロンでの対バンでも見たことがあったのですが、そのときは他のパワー系アイドルに気を取られていたこともあり、正直に言ってそこまで印象には残っていませんでした。
そんなWTですが、アトジャの2日前に無観客配信LIVEを実施!そこで見たステージは、観客が一人もいないにも関わらず、目を見張るものでした。
中でも最も私を惹きつけたのは、当然のように繰り出されるハモりの美しさです。生歌で毎回あのレベルを披露するのは、ちょっと只事ではありません。間違いなく、相当にレッスンと調整を重ねているのでしょう。
楽曲群は非常に良質で、強烈なキャッチーさとパワーがあるというより、上品で優美な響きをもった曲が並びます。
乱用されているきらいがあるため、個人的に「楽曲派」という言葉でアイドルグループを区分することは避けてきたのですが、あえて言うならばWTこそが真の「楽曲派」……いえ、「歌唱派」に相応しいグループです。
複数人のユニゾンではメンバーの個性が薄れる、サビをソロで歌って持ち味を活かすことこそベスト……そんな私の偏った考えは、かくも鮮やかに打ち砕かれました。
そんな経緯もあり、期待を高めて向かったWTの時間ですが、同時に少しの不安もありました。
ステージはオレンジと同様、通路に設営されたピーチ。外見や格の話を除いたとしても、どうしても音響面では見劣りします。あの環境でも本来の力を発揮できるのは、それこそシーオンの2人くらいの声量と技量がなければ難しいでしょう。
繊細なハーモニーを武器とするWTだからこそ、音響はパフォーマンスの成否に直結するのではないかと、勝手ながら心配していました。
ですが、結果は全くの杞憂。彼女たちの鍛えられた基礎は見事なまでに揺るがず、素晴らしい音楽を届けてくれました。
また、WTは歌だけでなくダンスの優美さも相当なものでした。スピーディにビートを刻んだり派手に飛び跳ねたりこそしませんが、全員が個々の仕草に神経を行き渡らせており、その集中力が足先を伸ばしたり首を傾げる動作にまで表れています。
総じてWTのLIVEをたとえるならば、涼やかな緑風でしょうか。
アリーナの通路で観客に挟まれて立っていることも忘れるほどに、柔らかく全身を包み込んで癒しをくれる、清らかに澄み渡る風。
ノイズのないパフォーマンスは、総じてそんな自然の美しさと心地良さを想起させるものでした。
セトリの中でも、「惑星」は詩的なリリックがハモりと抜群のシナジーを持ち、独特の陶酔感に誘われます。
また、まるで声を鍵盤のように活用する「違う 違う 違う」の繰り返しが耳に残って離れない「本能と才能」も最高です。
言葉遊びに終わらない歌詞には真摯なメッセージも込められており、重ねた声での「世界があなたを待ってるんだよ」という語りかけが、優しくも確かな強度を持って胸を打ちます。
メンバーのことを触れるならば、まず驚かされたのは神崎ももなさんの歌唱力です。私がロックアイドルばかりに通っていることもあり、パワーボーカルという点からはこれまでにも多くの強者を見てきましたが、こと透明感や丁寧さにおいては、今まで見たことのない個性と才能を感じました。
さらにさらに、ナチュラルながらも魅力抜群な表情のスイッチも光ります。
わずかな時間でもこれだけ記憶に焼きついてくれたのですから、是非今度は長尺で様々な歌声を聴いてみたいですね。
そしてやはり最後にもう一人、綾藤あやさんについても触れないわけにはいかないでしょう。
先述したFimillyさんの最推しが彼女……なのですが、無論それだけで記事に取り上げたわけではありません。
WTのダンスの華麗さは既に挙げた通りですが、それを最も印象づけてくれたのが綾藤さんでした。
モデルのようなスタイルと、それを活かすことを研究し尽くしてきたのであろう、どこにも力みやカドのない舞踏。
細やかでしなやかな所作は、歌っていないときにも決して乱れず、嫌味のない気品を保っていました。
何より、私がWTをなんとかしてタイテに組み込みたかった、もう一つの……そして、あるいは最大の理由。
それもまた、彼女にありました。
TLであれほど愛されている綾藤さんとはいつか会ってみたいとかねてより思っていたのですが、つい先日彼女は実家の都合によるグループ卒業を発表。
東京遠征はこのアトジャと、翌日の渋谷キラーチューンが最後でした。
友人が愛し続けているその姿を、せめて記憶に残したいという思いから足を運んだWTのステージ。
そこで見た四重奏は、これまでに知らなかったことへの強い後悔をかき立てながらも、なお上回る多幸感を贈ってくれました。
たった15分であっても、ほぼ初見の目をも容易に惹きつけて魅了してくれた綾藤あやさん。
彼女の卒業までの活動が、そしてその将来があたたかく光るものでありますように、この場を借りて心から願いながら、@JAMピーチステージでのWTのレポを終わります。
12.NOW DRAMATiC
オラァ!!!!
ナウドラ行くぞーーーー!!!!!
出番を待つこと、実に7時間半。
濃すぎる一日で既に特典会の記憶も薄れてきましたが、いよいよO-keyが誇るカラーギャングの登場です。
しかし、初出場のナウドラに与えられた時間はわずか15分。
活動開始から一年足らずで24曲をリリースし、そのどれもがキラーチューンという規格外のグループにとっては、あまりにも短すぎる尺、あまりに難しいセトリ組みです。
手堅く代表曲で攻めるのか、はたまた大騒ぎを引き起こすのか。「Re:birth」の煽り戦争も見たいですが、「Destiny」のなーたん落ちサビこそ至高、いやいや「ハジマリノウタ」でキャプテンが締めてくれなくては……無論、そこに正解などあろうはずもありません。
ひとつ恵まれていたのは、初出場にしてパイナップルステージに出場したことでしょう。
アリーナとは別会場になっているというネックがあるものの、音響が良質でありながらフロアとの距離が近いこのライブハウスは、特に生歌の強いナウドラにとって地の利を最大限に活かせる戦場。
前後にも強力なグループが並んでいたこともあり、観客の入りも十分です。
おなじみのSEで登場したナウドラ、そこからはアルバムと同じ流れのイントロが!デレッデ!
やはりスタートは「現在 過去 未来」でした。最初にMVがリリースされたグループの代表曲であり、超高速のピアノとナウドラ特有の全力熱唱が脳髄を直撃する超モンスターナンバーです。ある意味では最も練度の高いこの曲を初出場の一曲目に持ってきたのは、必然だったのかもしれません。
かつてあのキング・ユリアが担っていた、グループ名の通りにドラマティックを極める落ちサビを引き継いだのは、私の推しでもあるカラー赤のキャプテン・ミサト。
ユリアとは歌い手としてのタイプこそ全く違いますが、キャプテンの最大の武器はリーダーとして自分の背負っている全てをそのまま身にまとうことで実現する、魂をぶつける表現力です。
グループのリーダーであるだけでなく、女優でもあるという彼女だけの個性がなければ不可能な、全存在をかけた咆哮。キャプテンはこの戦いでも、私を爪先から脳天まで熱くしてくれました。
やはり実力をフルに発揮すべく、正統派青春ロックで行く方向性に舵を切ったか。
的確な判断だ……
そう思ったのも、ほんの束の間。
@JAMでは決して、聴こえてはいけない激烈なイントロ。
忘れたくても忘れられない、このビート!
「人間失格」が来てしまいました。
湧き曲でも王道ロックでもない、ましてやエモーショナルな青春などでは絶対にない。
感動もしないし、勇気づけられもしない。
ひたすら知能指数を下げて人間を失格させてくる怪曲。
異常な展開、異常な振り付け、異常なリリック、異常なコール&レスポンス、異常な表情、異常なフロアの共鳴……おもちゃ箱をひっくり返したような、悪ノリの極み。やりすぎのキメラ。
とりあえず好きそうなものを全部盛りした、すた丼にケンタッキーといきなりステーキをトッピングしてスープの代わりにラーメン二郎が着いてきたみたいな曲です。バカ。クソバカ。
振りコピのしやすい楽しい動きに乗っているのは、何かの間違いのような真顔。
真剣な表情、ではありません。
魂を抜かれて操り人形になってしまったような、虚無の真顔。
情感豊かに訴えてくる普段のタッキーや、愛嬌たっぷりのリンリンは、あわれ死んでしまいました。
虚無の真顔にコミカルなダンスが主体……かと思いきや、聴衆を噛み殺しにかかるような突然のラップ。
「傲慢!偏見!人間!失格!体裁!名声!人間!失格!」という狂気の応酬。
サビは楽しく盛り上がりながらも、なぜかCメロはコーラスで「一緒に……!」なんてわざとらしく感動させに来て、しかしそれが終わらないうちにまたもや人間失格宣言、ラスサビ直前は吐き捨てるような「終わってる」。
最後はステージとフロアで渾身の変顔にらめっこ対決。
何なんでしょうか、これは。
見せ場とか落ちサビとかいう概念を遥かに超越しています。
もともとが尖ったインディーズバンドの曲などであれば、あるいは自然に受け入れられたかもしれません。
しかしこの人間失格、よりにもよって新体制お披露目ワンマンLIVEという、最も大切なタイミングでの初披露でした。あの困惑はちょっと一生忘れられそうにありません。
混沌によって全員が思考を停止することによる強制的な一体感という、間違いなくどの出演者も成し得ない……というか想像すらしないことをやってのけたナウドラ。
もしアトジャに奇行部門があれば、彼女らとドラマチストたちの受賞は間違いなかったでしょう。
はい終わりー。
もうどうにでもなれー。
そう思っていたら、最後は最新曲「Forever young」でした。
いえ、もちろん最新曲かつ二つ目のMV曲ですから、プッシュしたいのは分かります。
セトリのラストに相応しい、ナウドラらしい青春エモーショナルロックナンバーです。
納得。
人間が失格した後でなければ。
こいつらの情緒はどうなってるんでしょうか。
もともとこのグループは切り替えがダイナミックだという印象はありましたが、ここに至っては人格のスイッチを切り替えているとしか思えません。
「Forever」のパフォーマンスはいつにも増して素晴らしいものでした。
カポネの痛切な叫びや、なーたんの力強さの中に悲しみを押し込めた表情、キャプテンの透明だからこそ感情が伝わる歌声……
しかし、それらを堪能すればするほど、「なんだこのセトリ……」という思いも倍増していくのでした。
@JAM初出場の固さだとか、特別な舞台への気負いだとか、そんなものは微塵も感じられませんでした。
楽曲という武器を使い、パフォーマンスで殴る。ナウドラ流の、ただただ強い喧嘩。
この不成者たちが暴れるのには、場所だとか特別感なんて、何の関係もないのでした。
13.Finally② (パイナップルステージ)
ナウドラからわずかに1グループのみを挟み、いよいよmy大トリ!
推しマラソンの最後はやっぱり、俺たちのFinallyです。
いやー、公式はなんとも素晴らしいタイテを組んでくれました。ナウドラとFinallyに挟まれた某グループさんにはもうマジで申し訳なさしかありませんが……
何はともあれ、ライブハウスチックなパイナップルステージはFinallyにとってもむしろ馴染みのリング。もちろん気合いは変わらないでしょうが、先ほどとはまた違った戦い方が見られるかもしれません。
スタートは「走れ」!
ジュリメグによる振り付けの楽しさと、リンちゃん作詞ならではのメッセージ性を両立しつつ、端々にtaka氏の遊び心あふれるサウンドが織り込まれた、飽きの来ない曲です。
先ほど鮮烈なシーンを演出した燈もtaka氏の作曲ですが、やはりこの振り幅は職人技ですね。
2曲目はお待たせしましたとばかりに「Rock’n’ roll shooter」!
Finallyにおいて、シーオンのNoisyにあたるポジションがこれかもしれません。
確実な盛り上がりが約束された曲ですが、しかし改めて聴くとバンドサウンドの変態的な展開が凄まじく、奇跡的なバランス感覚で作られていることも理解できます。メンバーの個性がはっきり表れるのも面白いところですね。
2023年、Finallyの@JAM。
その最後を飾ったのは、リナリアでもWe areでも再びのワイブレでもなく、「君エール」でした。
私は以前、バンド編成ワンマンに向けて毎日Finallyの記事を書いていたときに、こう述べました。
Finally楽曲の歌詞が持つ最大の特徴は、メッセージが歌い手と聴き手の双方に向けられているという「双方向性」にある。
そして、その「双方向性」を最も象徴する曲こそが君エールである、と。
その爽やかなメロディからか、私の周りでも君エールは特に人気な楽曲の一つです。音源にしか触れていない人や、アイドルとはこれまで無縁でFinallyのLIVEにも1〜2度しか来たことがない人からも評価が高く、ロッケンやワイブレとはまた別枠で広く支持されていました。
同時に、君エールは私にとっても特別な思い入れのある曲です。
初めてFinallyを見かけた昨年秋のイナズマロックフェスで私の心を掴んだのが、「この会場にいる全ての人へ、届けます」という曲振りからの君エールでした。
フェスに来てこそいたものの、その実は心が削れきっていた当時の私は、何やらアイドルらしき知らないグループが応援ソングを歌うようだと、気まぐれに足を止めました。
そうして何も分からないまま舞台上を眺めていると、グループのうちの一人がサビの最後にマイクを持ち、遠く離れた私のところまで、真っ直ぐに歌声を届けてくれました。
一目で心を惹きつける、神々しささえ感じるオーラ。
自分を死の淵から救い上げてくれたその声の主がTinaという名前だと知ったのは、しばらく後のことでした。
そうした経緯から、先述したワイブレとはまた別の点で私個人にとって特別な意味を持っているのが、君エールなのです。
君エールは、Finallyと自分たち、双方への応援歌。
だからこそ、あの日救ってもらったFinallyへ、今度は私から。
LIVEのたびに精一杯の気持ちを送ろうとして、サビで腕を振り上げています。
@JAM、お疲れさま!
キウイもパイナップルも、最高に最高だった!
来年の夏も、Finallyと一緒に来たい!
メンバーが目線を合わせてくれるたび、そんな想いを込めて見つめ返していた自分が笑顔だったのか、それとも泣いていたのか、ちょっと自信がありません。
自信を持って言えることは、一つだけ。
Finallyは来年の夏、今からは想像ができないほどの進化を遂げて、横アリに帰ってくる。
その未来だけです。
こうして、Finallyの二つのステージは幕を下ろしました。
ここで改めて、前後半それぞれのセトリを振り返りましょう。
まずはキウイステージ。持ち曲の多彩さを活かし、「楽曲派のキウイ」にFinallyらしさ全開で挑んだこの5曲。
本人たちは意図していなかったのかもしれませんが、私はラブミーの辺りから「もしかしたら」と、その意図と次に来る楽曲へ予想を巡らせていました。
燈は、taka。
ラブミーは、FABLED NUMBER。
ファイターは、Rhythmic Toy World・内田直孝。
トーナイは、感覚ピエロ・横山直弘。
そしてワイブレは、草野華代子。
この5曲はいずれも、昨年の夏から今年にかけて、外部アーティスト陣がプロデュースした楽曲群です。
Finallyにとっても大きな変化であり、表現の幅を一気に広げると共に飛躍的な進化を遂げる契機となった、コラボレーションの数々。
それなくしては、彼女たちもここまで早く勇躍することは難しかったでしょう。
言い換えれば、自分たちの力だけでなく、これほどの「本物」たちが力を貸してくれたからこそ、Finallyが今年キウイステージに立てたという見方もできるかもしれません。
だからこそ、そんな戦友であり師であるアーティストたちへの恩返しを込めて、一人一曲ずつを選んだこのセトリが完成したのではないでしょうか。
いえ、むしろそんなことは、彼女たちは微塵も気にしていなかったかもしれません。
ただ、楽曲の幅広さをFinallyらしさと定義づけて選曲した結果、この顔ぶれが揃っただけ。
それほどまでに個性豊かな面々が、Finallyの旅路に加わってくれているのです。
もう一つ、今回のセトリには大きな意義がありました。
それは、メンバー6人全員が、それぞれたくさんの見せ場を持てるようになっていたことです。
リードボーカル二人という体制を取っているFinallyは、必然的にMegとRinkaがサビを歌うことが多くなります。これは特に、活動初期から一周年頃までの楽曲で顕著なようにも思われました。
しかしその後は、メンバー全員の歌唱力の大きな成長に加え、楽曲も先述の通り多様化しています。極めつけに、トーナイではプロデュースの横山氏が直々に歌割りも担っており、普段とはひと味違うポテンシャルを引き出すことに成功していました。
Juriは、ラブミーと燈での全く異なるタイプのダンスを完璧以上に決めてくれました。
また、歌っているときの表情にもいつも以上に万感の思いを感じさせ、この舞台に立てている意味を誰よりも強く噛みしめているようでした。
ツインリードボーカルのうち、Rinkaはその感情表現にさらに磨きがかかり、表情だけでなく胸を苦しげにかきむしったり、顔に手を当てたりといった仕草がことさら印象的に。
自ら作詞した走れや君エールは勿論のこと、ラブミーやトーナイでの誘惑もいっそう甘美になっています。
一方のMegは、やはりキウイでの音響を活かした全力の歌唱がさすがの一言。1曲目のファイターから、その別格度合いは歴然でした。
全員が確かな声量を持つFinallyにあってなお「パワフルボイス」を名乗っていることの真価を、久しぶりに感じさせてくれたMeg。やはり、誰よりも彼女には大舞台が似合います。
また、1年間の進化ということでいえば、Aoiのそれも非常に大きかったことでしょう。最新から数えた3曲全てにおいて、ファイターと燈ではサビを歌い、トーナイでは落ちサビのラストをはじめとしたキーパートを担っていることからも、直近での彼女の成長がいかに著しいかが分かります。
努力の果てに、その潜在能力はいよいよ開花しつつあるのでしょう。
Harunaは振り幅の大きさだけでなく、そのどちらに振り切ってもエース級のアイドル力を存分に見せつけてくれました。
ファイターや燈のラスサビでの、声のクリアさを保ちながらの爆発的な歌い出しは、他のグループなら一人でメインボーカルを担っていても不思議ではありません。
その上、トーナイではまさに妖(あやかし)のごとき艶麗さを発揮。明らかにこれまでで最も過激な挑発を、当たり前のように食らわせてきました。
そして言うまでもなく、最高に充実したこの日にあっても、最大の幸せと呼べることはただ一つ。
無限の天才、Tinaのパフォーマンスを横浜アリーナで見られたことです。
ファイターでの、心から楽しそうに両手を伸ばす姿。
ラブミーのAメロで静止したときの、彫像のような佇まい。
燈のスタートでは、空間の色彩を変える。
トーナイなら、現実を忘れさせる化け猫に。
ワイブレでは、誰よりも猛々しく、そして気高く。
走れのサビで目の前の一人一人に訴えかけて、ロッケンで楽しげに誘い込んで。
それだけの色彩と変幻を見せてくれたのに、それでもやっぱり、君エールでのTinaは、初めて見たときと変わらずに眩しくて。
決してブレず、真っ直ぐどこまでも届く歌声。
心を引き込んで、時間を忘れさせる表現世界。
どんなに巨大な会場であっても、その全てがTinaのために用意されたと思える、華やオーラといった言葉では表せない絶対の存在感。
ストロベリーステージを少しばかり見てみたところで、何ら変わるはずもありません。
無限の天才。
彼女こそ、全てを懸けて崇めるに値する、世界に一人の最推しです。
こうして、私の@JAM2023は幕を閉じました。
私がなぜ、推したちに惹きつけられるか。
何を求めて、アイドルのLIVEに足を運ぶのか。
そこに共通する理由が、この一日を通じて、少しずつ見えてきたように思えます。
どれだけ期待を高めても。
ときに、勝手に高めたハードルに勝手な不安を抱いても。
そんなものを鼻で笑って、遥か高くへ、遠くへと跳び越えていく推したちの美しい姿。
魂を燃やして忘我に至らせてくれる、超人的な力と技。
私は、そんな圧倒的な彼女たちの存在を前にして驚愕し、感服し、崇拝し、狂喜し、平伏し続けたいのです。
地上がどうした。
天空がどうした。
メジャーがどうした。
俺の推しは、ここにいる。
最愛で最強の推したちは、今ここにいる。
これが、俺の@JAMだ。
はい!!
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果たしてここまでお読みくださった希代の物好きがいるのかは分かりませんが、お付き合いありがとうございました!!ホットアイマスクとかハンドマッサージャーとか使ってください!
それではまた!灰色でした!!!
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