見出し画像

【前編】我が王への祝福〜キング・ユリア移籍によせて〜

笑われたって 馬鹿にされたって
信じた道を進め
常識なんて ぶち壊す為にある
もっと もっと 抗ってたいよ

NOW DRAMATiC「純正マーヴェリック」



こんにちは!灰色です。

さる6/29、NOW DRAMATiC(ナウドラ)の定期主催対バン・「ドラマチックナイトフィーバー episode11」に行ってまいりました。

特にここ最近は個人的に通いやすくなったこともあり、ナウドラのLIVEには主催・その他を問わずしばしば参戦しているのですが、こうして記事を書くのは5/5以来です。





なんでまたこのタイミングで、という話なのですが。





こういうことです。





このツイートが出されたのはLIVE(オーキー2周年記念)の翌日だったのですが、さすがにしばらくは戸惑いました。




あるいは、私は特にショックが大きいケースだったのかもしれません。



POPPiNG EMO=ポピエモといえば、ナウドラの姉妹(先輩)ポジションにあたる超実力派グループです。対バンではたびたびその鮮烈なパフォーマンスを観る機会がありましたし、先日には自身最大規模となったZepp YokohamaでのLIVEでも見事な成功を収めています。(私は参戦できず)

また、オーキー所属の三姉妹グループ=ポピエモ、SUPER REPLiCA=スパレプ、それにナウドラの3組は、公式が「PSN」と略称をつけている通り、ただの先輩後輩グループという以上に、とても近い関係性にあります。

対バンにも共に出演していることが非常に多いため、自然と従来からのファンの多くは「事務所推し」に近い形になっているようにも見受けられます。



ただ、私の場合はちょっと事情が違いました。



PSNではダントツでナウドラ推し、というか、他の2グループはチェキもほぼ撮っていません。(ポピエモの石野さやかさんだけ、DiVAでソロの素晴らしさに感動して初めましてしました)

ポピエモは高い技術と洗練された世界観を、スパレプはフロアを巻き込んだワチャワチャの大騒ぎをそれぞれ特色としていますが、もっとも私に刺さったのはナウドラでした。




キャッチーなサウンド、熱血全開のリリックと、常に完全燃焼するステージング。



そして何より、キング・ユリアの爆発的なパフォーマンスと天与のカリスマが、私をナウドラにハマらせた要因でした。



ただし、私は彼女のこれまでの歩みをほとんど知りません。



驚くべきことに、ユリアは先日の生誕イベントでステージに立ってから10年が経ったと語ってくれましたが、私は彼女の前世グループについて何の知識も持ち合わせていません。

彼女が今日に至るまで、どのような道を歩んできたかも知りません。

ただ偶然見たステージで、その絶対的な存在感に一撃を喰らっただけです。

言い換えれば、私は新参者であるが故に「ナウドラのユリア」にストレートに惚れ込み、そこからグループ全体を推すようになりました。

そのため、ユリアのポピエモへの移籍について私が抱いた感情は、長年のオーキーファンの皆さんとはおそらく違っていたかと思います。




その端麗どころか現実離れした容姿には、しかし不思議なほどに、不良っぽいストリートスタイルの衣装がマッチしていました。

マイクを持ってない間も、その一挙手一投足はまるで映画の構図のようにビシッと決まります。

しかしひとたび口を開けば、一人でフロアを煽りに煽り、がなり声の激しさは歌に支障が出るのではないかと心配になるほど。

そして、衝撃波を錯覚するようなパワフルボイスは、剥き出しの感情をつづったリリックに、これ以上ない説得力を持たせていました。




キング・ユリアというアイドルは、ナウドラのコンセプト「青春ロック」を誰よりも体現している、絶対的なエースでした。


映画「HiGH&LOW」シリーズを思い出させてくれるようなそのステージングが見られなくなることに、寂しさを覚えなかったといえば、それは嘘になります。




いえ、この際ですから言い切ってしまいましょう。




私の心をとらえていたのはナウドラのユリアで、彼女なしにグループがどうなるのかは、ちょっと考えられませんでした。



同じように、現状自分がそこまでハマっていない・詳しく知らないポピエモへユリアが移籍したとして、その結果がどうなるのかも、全く想像ができませんでした。



これが、新参者の分際ながら私が抱いた、正直な気持ちです。





発表から時間が経ち、そんなことをつらつらと考えながら、ふと気が向いて過去の記事を読み返しました。


灼熱の一夜、5/5の1stワンマンの記録です。







豪快にへこんでしまうよ
情緒が乱れてんだ

NOW DRAMATiC「被害妄想ルーザー」




この、




クソバカ野郎が。




己の浅はかさに、気付かされました。




確かに、ユリアの存在はナウドライズムを最も体現していると思われました。

彼女の歌がなければ、ここまでナウドラにハマることもありませんでした。





けれど、それは過去の話です。




2時間半全力疾走したLIVEで私の心を打ったのは、ユリアの姿だけだったでしょうか?




断じて違います。




メンバー6人それぞれの、自分こそが主役だと言わんばかりに押しまくるパフォーマンス。



自分の歌うこのパートこそがクライマックスだと訴えてくる、魂を乗せた歌声。



私の心を震わせ、記録を残せと駆り立てたのは、それら全てだったはずです。




それなのに、どうして5人体制になった彼女たちから気持ちを離すことができましょうか。


私はとっくに、グループそのものの大ファンになっていたのですから。




自分の愚考を叩き直されたのは、他ならぬキング・ユリアについても同様です。





歩いてくる姿だけで次元の違いを感じさせる、強者の風格。




たとえ鬱屈とした心のモヤを抱えていても、距離を問わないあの歌声を浴びれば、暗い気持ちは瞬時に霧散しました。




天を仰ぐその姿を間近で見上げるたび、格好良さを超えた神々しさに、足元がふわつくほど震えます。



ユリアが才能と長年の研鑽で作り上げた、ロックシンガーとしての武器の数々。




それはたとえグループを移ったとしても、決して失われません。




また、そんな彼女ですが、特典会では一変。

ステージでの暴れっぷりが嘘のように、多重人格を疑うほど優しげでフレンドリーな女の子に戻ってしまいます。

そのポテンシャルは神の大器、こちらからすればいくら褒めても褒め足りないのですが、本人はそのたびに新鮮そうに驚き、謙遜しながらも大いに喜んでくれます。

グループ随一のハードナンバー「悲劇のエゴイスト」を歌いこなすユリアですが、素の彼女からはそんなエゴは全く感じられませんでした。




しかし、もしかしたらその謙虚さはチャームポイントであるだけでなく、一種の弱点にもなっていたのかもしれません。

無礼を承知で言えば、明らかに実力に対して自己評価が見合っていないように思えてしまうのです。

それこそ、スターとしてのエゴをもっと持つくらいでもいいのではないかと、つい考えてしまうこともありました。




そんな彼女が下した、今回の選択。



愛する仲間の元を去ってまで己の意思を貫くその決断に、果たしてどれほどの勇気を要したことでしょうか。




その並々ならぬ覚悟に敬意を払ったとき、応援する以外の選択肢はすっかり私の中から消えていました。




それに何より、ステージ上の表現を10年突き詰めてきた彼女が自ら希望した移籍です。

それは、ポピエモが自分の戦う場としてふさわしいと判断したということでもあります。



純粋に、その活躍への期待が大いに高まるではありませんか。




加えて、グループ自体の活動歴とそれに伴う知名度の点では、現時点でのポピエモへの移籍はより大きな舞台へ近づくことでもあります。

二度目のZepp公演や大型フェス、あるいはその先で。

無類のパワーボーカル・ユリアを大衆に知らしめる機会は、どんどん増えていきます。

そして、その中からは必ず、私と同じように彼女の歌でフラストレーションを吹き飛ばされ、心酔するファンも出てくることでしょう。

そんなまだ見ぬファンのまなざしを受けるごとに、ユリアは一層そのオーラを増していくに違いありません。



こうなればもう、移籍後の彼女に期待することは、ただ一つだけです。




これまで以上の、最大最強のフルパワー。




ナウドラでは最前線を担い、常に高きから咆哮していたからこそ、その勇姿はひときわ輝いていました。



だからこそ、ポピエモでも並び立つ先輩たちに遠慮することなく、押し勝って主役の座に君臨するくらいの勢いで、大暴れしてほしいのです。



謙虚なだけでなく、その実力に相当するだけの自負をもって、信じるスタイルをどこまでも貫いてほしいのです。





大舞台で、それが成ったとき。





誰も見たことのない唯一無二の超ロックアイドルが、そこに立っていることでしょう。







ステージの最前で歌う彼女の目は、いつもライブハウスの天井よりはるか高く、まだ届かない天を見つめているようでした。




これから先、その名前が変わらず王冠を戴くかは分かりません。





ですが、キング・ユリア=成瀬ゆりあは間違いなく、後にも先にもたった一人の、私にとってのアイドルの王です。





我が王が、天を掴むまで。





その選択を、見届けます。






ここまで書いてきた通り、ユリアの進む道に眩しい光が待っていること、まだ見ぬ次のステージングにも大いに期待できることは、間違いないでしょう。






では、残されたもう一方は。



5人体制となったナウドラの未来は、果たしてどうでしょうか。




6/29、目黒鹿鳴館。




6人での最後の公演が終わったあと、特典会で話しかけたときのことです。




ナナティック=なーたんが、信じられないようなことを口にしました。




「めちゃくちゃ悔しい。ナウドラ終わったみたいな感じなのが、マジでムカつく」





その言葉の意味を、私はわずか3日後に知ることになります。




後編へ続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?