5/18 スパンコールグッドタイムズワンマン「Dramatic Timez」LIVEレポ
こんにちは!平日LIVEの極意を見出しつつある灰色です。
本日の記事は、さる5/18に開催されましたスパンコールグッドタイムズの1周年記念ワンマンLIVEのレポートでございます!
粒揃いのシティポップソングに個性豊かなメンバー、そして観客とステージが一体になるLIVEが魅力の推しグループ、スパンコール。
そんな彼女たちの1周年公演は、なんと5人目となる新メンバーの加入が事前にTwitterで発表されておりました。
お洒落すぎるその告知動画はこちら。
まさかのサプライズでしたが、結果は果たして……?
というわけで、早速本編へどうぞ!
また、関係記事のリンクもこちらに置いておきますので、ご興味があれば是非ご覧ください。
セトリはこちら。
【1曲目〜7曲目】
本日の会場は下北沢SHELTER。初めてのハコです。有名な会場らしいのですが、だいぶ狭い……。250人キャパらしいですが、満員電車クラスに入れないと無理だと思います。そうなったらもうドリンクとか飲めんくない……?と言いつつ、脇に寄ることでなんとか軽く身体を揺らせるくらいのスペースは確保しました。やっぱりスパンコールは踊りたいよね。
そうこうしているうちに開演へ。おなじみのSEに合わせた登場の時点から、メンバーの全員とも気力が充実しているのが見て取れます。
スタートを飾ったのはNICE TIME。軽快なリズムとライムがオープニングにふさわしい曲です。「信号が変わる、今がNICE TIME!」という歌詞は、このタイミングで一緒にスパンコールにハマってみない?と誘っているようにも聞こえます。
2曲目は雨のyellow。音源は未配信で、サーチライトやフューズと比べるとそこまで対バンで披露されることは多くない曲です。他に雨のキネマとアンブレラという曲もありますが、スパンコールにはしとしとと降る雨がよく似合います。
また、これは他の曲にも言えることなのですが、スパンコールの楽曲は制作時点からクラップを前提にデザインされているのではないかとつくづく感じます。メンバー4人の歌だけでは未完成で、そこにフロアからのクラップと歓声を乗せることで初めて完成するイメージです。
特にこの雨のyellowは冒頭から3連クラップの存在感が抜群で、私たちフロアの観客も「音を出す」ではなく「奏でる」形でLIVEの一部になっているという感覚を覚え、無性に嬉しくなりました。
3曲目はGORON!この日は今年初の猛暑日とのりましたが、下北の天気は雨から雷雨に変わったようです。サビで稲妻を描く振り付けが楽しいLIVEでの定番曲ですが、他にも頬杖をつく様だけで四者四様の個性が出るなど、ダンスの独創性が面白いです。
この画像だけでも、4人のカラフルなキャラクターは一目瞭然。稀有なほどにタイプの違うメンバーが集まったユニットだとつくづく思います。
4曲目はMERRY-GO-LAND。ROUNDじゃないのに最近やっと気付きました。
これなんかも深読みしようと思えばあれもこれも関連づけられそうな歌詞ですが、何も考えずに浸っても心地よく言葉が流れ込んでくるのが絶妙なバランスです。「噴水駆け回るあの子」なんてところはやっぱりどうしても、元気に走り回るりこさんを思い浮かべてしまいますね。
ラストサビ前のここで「じゃ終われないの!」と勢いよく飛び出してくるナオさんがまたカッコいい!このパートがあることによって、音源でしっとり聴くのとは全く異なる印象になります。
5曲目は雨のキネマとアンブレラ!代表曲の一つで、こちらも配信音源でも楽しめます。とはいえこうして振り返りながら聴いていると、どこか物足りなくなるのも事実。やっぱりフロアの「Foooo!」とクラップが欲しくなってしまいますね。
LIVE当日は「抱きしめてくれていいんだよ」のところで観客みんなに視線を送るりこさんが、実に圧巻のアイドルっぷりでした。
もちろん真尋さんの「いつまでもそばにいて」が最高だったのは言うまでもありません。
6曲目はFunky Magic。どの曲でもひときわダンスが目を引く百香さんの「Shall we dance」が魅惑的です。夏の情景を描いた曲ですが、夕暮れどきを「PINK&PURPLEの海」と表現するのには舌を巻きました。
「この花火が終わる頃には 魔法が解ける」のところが一番好きなのですが、1周年のりこさんは音源と別人レベルに歌が参加していていっそう胸に沁みました。夏休みの最終日に聴いたらちょっと泣きたくなりそうです。
7曲目、来ました大好きなコントラスト!Funky Magicはロマンチックな「真夏のマリオネット」でしたが、こちらはさしずめ悪夢の世界に囚われたマリオネットです。
このグループにはファンタジックな曲が多くないだけに、コントラストの混沌とした世界観はこの日の長時間のセトリの中でもやはり異彩を放っていました。と言いつつ、先日のキラーチューンのレポでもこれでもかというくらい語ったので、今日はこの辺にしときましょう。
8曲目〜13曲目
さて、後半戦です。8曲目に持ってこられたのはBy my side。ピアノに合わせて弾むような4人の歌声に合わせ、こちらの身体も自然に揺れながらリズムを取ります。
こちらはなんといっても、ラスサビ前の全員ユニゾンが至福の時間!MCも少なく、各々のキャラクターが全く異なる4人だからこそ、並んで楽しそうにパフォーマンスをしている姿が一段と眩しく映ります。
さらにさらに、最後の最後にはナオさん&真尋さんのハモりも!特にナオさんのフェイクはとんでもない美しさで、彼女の実力は「一人サビが上手いのは当然、その上でいかに多彩な魅せ方をするか」というステップにとっくに至っていることを思い知らされました。
9曲目には最大の代表曲・サーチライトが満を持して登場!この日はおなじみのイントロを長ーく伸ばして、過去最大にクラップを煽ってからのスタートでした。この曲はnoteでも何度も取り上げた上に「決して飽きない」とまで書いたのですが、全くもって1周年とは思えない貫禄を感じるステージングです。
サーチライトに限ったことではありませんが、ここまで良質なサウンドを取り揃えたスパンコールは、是非ともいつかバンドセットを組んでLIVEをしてほしいところです。音楽を愛するファンにも囲まれたグループなので、最高のエンターテイメントになること間違いなしでしょう。
さあ、ラストスパート!10曲目はトーキョーlast number。サビのダンスがめちゃくちゃ楽しい、LIVEでしか聴けない曲です。シティポップというだけあって、スパンコールの楽曲には都会を舞台にした曲が多いですが、どれも見事に違うテイストなのがまたすごいところ。振り付けもよく考えつくなー……とか思ってしまいます。
11曲目は超絶名曲・世界の隅の真ん中で!他とは一線を画す、壮大でヒロイックなイントロがナオさんにピッタリでインパクト抜群です。
サビの「私はここよ 早く見つけて」がとにかく素晴らしく、地下のライブハウスで歌うナオさんをフロアのクラップがスターダムへと押し上げていくかのようです。この日の落ちサビの高揚感は、今思い出しても鳥肌が立つほど。
勢いをつけて一息に叫びきる、百香さんのこのパート。とにかく目力が強い彼女が担当することで有無を言わせない迫力を持っていますが、同時にその歌詞にはスパンコールというグループの芯にあるテーマを感じました。
無粋を承知で言うなれば、私はそれを「地下アイドル」という在り方の美しさ、格好良さではないかと考えています。
外の喧騒と隔絶されたライブハウスは、たしかに「世界の隅」と言ってもいいくらい、知らない人には想像もされない場所です。また、ここでは多くを語りませんが、地下アイドルという言葉自体も未だ多くの偏見を招きやすいものです。
けれど、そんな外野の評価なんて関係ない。
懸命に技と美を磨き、誰にも真似のできないステージを披露して、ファンを熱狂させる。
ここがたとえ世界の隅でも、ステージの真ん中で、めいっぱい煌めいてみせる。
そんな、リスペクトで涙が出そうになるほどの誇り高さを、彼女たちからは感じるのです。
いよいよクライマックス!12曲目はShangri-LA。以前のワンマンでラストを飾った印象がとても強く、そのせいかどこか切ないイメージを抱いている曲です。
真尋さんが最後のこのパートを歌っているのも、その大きな要因なのかもしれません。切なさもありながら、どこか雨上がりのような爽やかさも感じます。
そして、本編ラストを飾ったのはこの曲。私の一番大好きなフューズです!!スパンコールの異端さと別格さを最初に教えてくれた超絶大傑作、こんな最高の場面で聴けるとは……感無量ですね。
初めて対バンでスパンコールを見た日、フューズのパフォーマンスから受けた衝撃はおよそ忘れられそうにありません。それまでも複数のグループによって、ライブアイドル楽曲の多彩さやクオリティの高さを教えられ、かつてのコテコテなイメージはアップデートができていたものの、そうした過程で好きになった曲は総じてハイテンポでキャッチーなものでした。
そんな中で出会ったスパンコールの、どことも違うオリジナルなスタイル。特にフューズのようなスロー&メロウな曲を対バンに持ち込むという攻め方は、再び私の常識を塗り替えてくれました。
アイドルって、こんなに自由なんだ。
大暴れさせるアッパーチューンとは対極にあるこの曲は、アイドルのLIVEというものの自由さを、そしてアイドル文化の豊かさそのものを、そっと教えてくれたのです。
これまでで一番美しいフューズのパフォーマンスを観ながらそんなことを思い出すにつれ、このグループに出会えたことを感謝したくてたまらない気持ちになりました。
ここで本編は終了!しかし、普通のワンマン以上にこの日はアンコールこそが本番といっても過言ではありません。果たしてどんな形での新メンバーお披露目となるのでしょうか……?
と思ってたら、SEに合わせてめちゃくちゃ自然にメンバーの一人として登場しました。あまりにも馴染んでたので、自分がTwitterの告知か何かを見逃してたんじゃないかと心配になったほどです。
そして、何とそのまま新メンバーさんが名乗ることなくアンコール一曲目へ!5人のスパンコールグッドタイムズとなって初めての曲はやはりこれ、サーチライトです!
あえて当日の気持ちそのままに立ち返って書いてみますが、まず驚いたのは新メンバーさんがとにかく馴染みに馴染みまくっていること!他のグループのワンマンでも、アンコールで新メンバーお披露目+新体制でのステージ披露、という流れは見たことがありましたが、やはり本人の緊張はかなりのものがありました。もちろん、当然ではあるのですが。
しかし、この方はそうではない!スキル以上に世界観の面から、スパンコールはどのアイドルよりも途中加入が難しいグループだと思うのですが、他のメンバーと何ら遜色のない存在感を発揮しています。その様子はむしろ、のびのびと自分の色を出そうとしているように思えたほどでした。
この後に続いた雨のキネマとアンブレラとMERRY-GO-ROUNDについては、どうしても新メンバーさんのインパクトが勝ってしまって細かく語れなかったため割愛しますが、歌の面では元々ナオさんが担当していたパートを彼女が多く歌っていたのにも驚きました。
さすがに声量やソウルフルな響かせ方では絶対的エース・ナオさんに譲るものの、歌唱力は非常に高く、また歌い方や表情の見せ方もスパンコールの楽曲に合わせて完璧にチューンナップされていました。
スパンコールはメンバー4人がとにかく個性的で、ステージの上では所狭しとその存在感を発しまくるため、どこを見ればいいか悩ましいグループでした。今作った言葉ですが、「惹きつけ力」のようなものが極めて高いとも言い換えられるでしょう。その点においても、新メンバーさんは全く劣っておらず、とても優れた「惹きつけ力」を見せてくれました。
最終的に、アンコールはなんと3曲連続、しかも最後に退場するまで一切MCなしという異例づくめのお披露目回に。ダブルアンコールがあったわけでもなく、自己紹介どころか名前すら不明のまま終わるというのは、前代未聞にも程があります。
とはいえさすがにこのまま特典会に直行するわけではなく、最後にはムービーで改めて新体制のスパンコールグッドタイムズが紹介されました。新メンバーのお名前は南アイナさん。新規加入の危なっかしさなど微塵も感じさせなかった彼女は、「フューズ」や「コントラスト」「世界の隅の真ん中で」といった毛色の異なる名曲たちにどんな色をもたらしてくれるのでしょうか。今後もアイナさんにはマスト注目です!
それに続いて、8月には下北沢シャングリラで新体制初のワンマンが開催されることも発表されました。まさにShangri-LAですね。シェルターよりはずっと大きい会場となりますが、果たして5人となった彼女たちはどんな進化を見せてくれるのでしょうか。今からとっても楽しみです。
さらにさらに、それに向けて5/23からなんと9週連続での配信リリースも発表!!これはめちゃくちゃ嬉しすぎます。LIVEに来てこそなグループなのは間違いありませんが、リリックやサウンドの素晴らしさも相当なため、とにかくありがたいニュースでした。
最高の1周年を飾ってくれたワンマンLIVEはこれにて終了!グループの全ての楽曲を堪能して、さらに今後への期待も膨らむという、完璧なほどに理想的なワンマンだったのではないでしょうか。平日の夜に身体を引きずっていくだけの価値は間違いなくありました。
何より、繰り返し書いていることですがスパンコールのLIVEはとにかくフロアの雰囲気が最高に心地良いです。
どこかが「自由な場所」とされるとき、それは往々にして「身勝手な人間が許される」こととイコールになってしまいます。それに伴って他の人が不快感を覚えたとしても、そのこと自体が「自由だから気にする方が悪い」という有形無形の圧力によって封じ込められ、結果として「やったもん勝ち」の空気が蔓延します。
こうしたことは世の常ですが、しかし翻ってスパンコールのフロアはどうだったでしょうか。
彼女たちがステージに立っている時間、フロアは確かに自由な空間でした。
しかし、その場にいる観客は誰もがメンバーを一流のアーティストとしてリスペクトする気持ちを共有していました。
スパンコールのことが好きだから、本人たちの素晴らしいパフォーマンスにノイズを挟むことはしない。
スパンコールを推しているから、他の人の楽しみを邪魔しない。
誰もが楽しげに身体を揺らして音に浸るあの空間からは、そうした確固たるリスペクトを強く感じました。
こうしたフロアの雰囲気は、私がスパンコールを推すようになった大きな理由でした。そうでなければここまで何度も通い、ハマることはなかったかもしれません。
だからこそ。これだけのフロアを作り上げてきてくださったファンの皆さんには、心から感謝しています。
本当にありがとうございます。
皆さんのおかげで、こんなに素敵な世界を知ることができました。
このお礼の言葉をもって、本編の締めくくりに代えさせてください。
推し・睦月真尋さんの話
さて、本編のレポートは既に終えておりますが、最後に推しメンである真尋さんに関して、全編を通じて特に印象的だった点を一つ書き添えたいと思います。
普段の対バンではダウナーかつミステリアスなテンションを貫く彼女は、ステージに立っている時間のほとんどを俯いて過ごすことも珍しくありません。
しかし、この日の真尋さんは違いました。ワンマンLIVE中の多くの時間、顔を上げて歌っていたのです。
彼女を知らない人からすると、なんだそれだけのことか、と言われてしまうかもしれません。しかし、それだけのことを私は書き留めずにいられませんでした。
圧倒的な引力。
彼女の歌声の透明感は折り紙付きですが、その瞳はまるで水晶。不可触な神秘性をまとった表情を見て、真尋さんはこんな顔で歌うのかと、言葉を失ってしまいました。
下北沢シェルターが観客でパンパンだったことは既に触れましたが、同所はまた天井も相当に低いライブハウスでした。LIVEで気分こそ高揚はすれど、閉塞感は否めません。
しかし、真尋さんの視線は遥か遠くを見ていました。あれほど狭い地下空間で、一体どこを見ているのかと感じたのを鮮明に覚えています。
稀有な天稟を持つ人を指して「見えている世界が違う」ということがありますが、一人夜空を眺めているような彼女の様子は、文字通りに我々とは違う世界を見ているのだと感じさせるものでした。
特典会でこのことに触れたところ、真尋さんの答えは「今日の景色を隅々まで見ておきたかったから」というものでした。
それと同じように、一周年を祝うフロアの光景を目に焼きつけていた彼女の姿もまた、私の脳裏には強く刻み込まれました。
真尋さんが覚えておきたいと願うほどの光景に再び立ち会えることを願いつつ、私も世界の隅のさらに隅で、自分なりの言葉を綴っていきたいと思います。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!
またお会いしましょう!
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