ごろん

働き盛りのニート。趣味は銭湯巡り、ドライブ、夫を愛でること。にこちゃんラムネを頬張るの…

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働き盛りのニート。趣味は銭湯巡り、ドライブ、夫を愛でること。にこちゃんラムネを頬張るのが至高。

マガジン

  • ごろんのゴロゴロ日記

    山なし、落ちなし、意味なしの働き盛りのニートが綴る徒然なる日記。だいたい布団に包まりながら書いてる。

最近の記事

異世界で暮らす義母へ、ミモザの花束を贈る。

長い長い夜を、抜ける。 富士山に近づくに連れ、車内の温度がだんだんと下がってきた。いつもより多めに回っている環状線のおかげで、だいぶ到着が遅れそうだ。 助手席から、キャップを外したペットボトルが差し出された。 「ここらへんの子はさ、小学生になると宝永山まで遠足に行くんだ」 富士山の中腹にぽっこり小山があって、それが宝永山って名前なんだけど。宝永山が見える位置で富士山の顔が変わるから、道に迷ったら富士山を眺めるといい。そうすれば自分がどこにいるのか、なんとなく掴める。

    • スルメイカが焼けるまで待って

      だらりと垂れていた右腕を、ゆっくりと円を描くように上昇させる。両手首にスナップを効かせて、くねくねと揺り動かした。 次に、身体全体をうねうねと捩りながら、鳩尾を覗き込むようにして背中を丸めていく。 「スルメイカの真似」 「ぶふぉ…!」 呟くと、目の前にいる男が口の中に含んでいた液体を盛大に噴き出した。「な…なんじゃぁ…!こりゃぁ…!」と白々しくも、大惨事になった手の平をワナワナと震わせている。彼が噴き出したのは血ではなく、サングリアだ。この間、親戚から届いた大量のオレ

      • 2021年某日、わたしは美容室で革命を起こす。

        飽き飽きしていた。 見慣れた頭。ストレートの、ありきたりな焦げ茶色。アイロンで巻いても、コシのない髪はすぐに元の形状に戻ろうとする。かと思えば、一度ついた寝癖は中々とれない。極めつけは前髪内側のど真ん中に、一部分だけ天パが混じっている。こんなところに天邪鬼な性格を反映してくれるな。纏まらない寝癖と部分天パの双璧が、難攻不落の城砦を築く。うまく鎮圧できたところで、目ぼしい用事もないのだが。 出かけたい場所はあるけれど、出かけられなくて、つまらない。 代わり映えのしない、直

        • ていねいに暮らせない

          朝5時、黄色いカーテンの隙間から朝日が差し込む。 寒い。冬布団に包まっているのに、足先が冷え込んでいる。昨日放り投げてどこかに埋もれているであろう暖房のリモコンを探した。微睡みながら手にしたのは、キンキンに冷たくなったスマホ。これじゃない、これじゃないんだけど、とりあえず友人から来ているLINEに半分目を閉じつつ返信を打つ。左手でフリックしながら右手で枕の上を弄った。 あった。リモコン。先に部屋の空気を暖めておかないと、こんな冷え切った外界に、可愛い我が身をパジャマ姿のま

        異世界で暮らす義母へ、ミモザの花束を贈る。

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        • ごろんのゴロゴロ日記
          10本

        記事

          退職する日、手提げ鞄に「大切なこと」を仕舞って夜のオフィス街を歩く

          引き継ぎもようやく終わって、今日はひたすらに貸与品の返却処理だった。スマホも、メールデータも、フォルダに保存してきた雑多なファイルも。自分の痕跡を、隅々まで消去していく。会社でやる「消す」作業って、なんだかものすごく、ドキドキする。 この前の休日を利用して揃えた「お世話になりました」の品々たちが、順々に私の手元から離れていく。 朝、出社してまずひとつ。これは同じ部署で働いていた皆に、仕事のお供になるお菓子を。地元で有名なお菓子屋さんで買ったもの。これで息抜きしてください。

          退職する日、手提げ鞄に「大切なこと」を仕舞って夜のオフィス街を歩く

          観るだけでやる気が爆上がりするオススメYouTuber!勝手に選抜トップ3

          お疲れさまです!ごろんです。今日はなんだか、ものすごく体調が悪い!ということで、気分が良くなる、なんなら体調まで良くなっちゃうような、そんな観るだけでテンションあげあげ⤴になるオススメYouTuberを勝手気ままに紹介していきます。 女の楽しみ方を教えてくれるモテの伝道師ゆうこす!これ、今日観た動画なんですけど、超良かった。私がゆうこすの動画が好きな理由を、動画の中で本人が喋ってました。 メイクは修正じゃなくて楽しくやる! ゆうこす自体が大好きなことを、動画の中で本当に

          観るだけでやる気が爆上がりするオススメYouTuber!勝手に選抜トップ3

          自分のエッセイについたSNSのコメントを読んでみた

          11月に、朝日新聞社が運営するウェブ媒体『かがみよかがみ』に、私が書いたエッセイが掲載された。タイトルは『18歳年上の彼と結婚した私が真夜中にふと願うこと』。 見たまま、18歳年上の夫と結婚した私が考えていることを、直球どストレートに文にした。私は文章を書くプロではないので、エッセイを書いたのはこれがほぼ初めて。メディアに応募したのも初。そもそも掲載に至るとは到底思っていなかったから、どうせ誰も見ないだろうという考えのもと、ある土曜の昼下がりに、泣きながら綴った。 掲載後は

          自分のエッセイについたSNSのコメントを読んでみた

          未来を見える化する習慣

          毎週月曜日に、必ずチェックするものがあります。新聞の見出し、週間天気予報、note編集部のおすすめ、アニメの録画予約…週刊占い。 見ちゃうんですよねぇ…『しいたけ.占い』。ここ数年の、ルーティンです。特段、未来を知りたいだとか宇宙的な予知能力を信じているわけではありません。文末に添えられたラッキーカラーなんて、その日の内に忘れてしまいます。なのに月曜日の昼休みは、占い見たさにソワソワしちゃう。 よく考えたことはなかったけど、毎週決まった曜日に特定のことを、それも何年にも渡

          未来を見える化する習慣

          ただの独り言「好きってなんだろうねぇ」

          結婚3年目の友人がぼやいた。好きってなんだろうねぇ。 【好き】気に入って、心がそれに向かうこと。  と、広辞苑は言った。う~ん難しいな~…深い!と、ある人は言った。 「好き」てなんだろう。心が向かうこと?心ってなにそれどこにあるの、と思う。胸が苦しくなること?ドキドキすること?じゃあ心拍数によって好き嫌いが分かるのだろうか。分からないけど、なんとなく違う気がする。「好き」てなんなのだろう。 ところで、わたしはこの問いに対しての答えを持っている。 ずばり、「嫌い」じゃ

          ただの独り言「好きってなんだろうねぇ」

          金なし、職なし、ローンあり

          「あなたには、こうなる前に辞めてほしかった」 私が会社を辞めるときに、仲良くしていた先輩に言われたひと言である。 免罪符なんていらない都内で営業職をしていた当時、俗にいうブラックな企業に勤めていた。何気なく「ブラック企業診断」をした日には、5000000個くらいチェックがついてしまうような、そんな会社だった。それもいま思えばブラックだったなという程度で、働いている折には「これが普通の社会人なのだ」と信じ込んでいた。2016年に新卒で入社をして、病気になって退職したのが201

          金なし、職なし、ローンあり

          夫婦別姓について考えていたら母のオススメ本を読んでみたくなった

          恋人の部屋にはじめて訪れたときは、すごくドキドキしたのを覚えている。カーテンの色が“ぽい”な~。あ!このアーティストの曲聞くんだ!うわ~この勉強机きっと小学生の時から使ってるよかわいい~とか。なんとなくベッドの下を覗いて、へー…と思ってみたり。 部屋を見ると、いまのその人の中身がどんな状態なのかが、よく分かる。とりわけ本棚は、その人よりも、その人の人生を如実に物語っているように思う。 成分表示と本棚最近、ふと寂しくなることがある。 職業を決めるきっかけになった『鋼の錬金術師

          夫婦別姓について考えていたら母のオススメ本を読んでみたくなった

          毎日note運用ルール

          こんばんは、ごろんです。 10日ほど前から始めた「毎日note」。今日は毎日noteを書いていく上でのマイルールをしたためていきます。運用理念みたいなもんです。本当はスタートしてから7日目くらいに書こうかと思っていたのですが、気付いたらヌルっと過ぎていました。 これから発表するものは誰に宣言するというものではなくて、単純に自分が今後文章を書いていく上で忘れないようにしたいなと思うことです。なのでなんの文脈も気にせず、ただただ文字を置いていきます。 ■自分が書いたnote

          毎日note運用ルール

          夢から醒めたサンタクロースがクリスマスに星夜を駆ける

          サンタクロース、いつまで信じてましたか? うちは宗教上の理由からクリスマスがち勢な家庭だったため、わたしは小学5年生くらいまでは本当にサンタが実在しているのだと信じていました。それはもう、家族総出で騙しにきていたのです。と言うと少し語弊がありますが、いや、なんか…「サンタさんへのお手紙」とか書かされてたんですよね…。何が欲しいかを葉書にしたためて、サンタさん来るといいね~♪なんて言われながら、郵便ポストに投函するみたいな。 幸いなことにしごく健康的な子どもだったため、サンタが

          夢から醒めたサンタクロースがクリスマスに星夜を駆ける

          焦げた魚が虹色になるまで

          我が家の夕飯は、家族そろってテーブルを囲む。両親と、食べ盛りの兄が二人に末っ子のわたし。 食卓に並ぶ料理はどれも美味しかった。ハンバーグに金平ごぼう、麻婆豆腐、小松菜の味噌汁、それからバターたっぷりのたらこスパゲティ… コーヒーが飲めるようになってからは、朝食にカフェオレを淹れてくれることが多かった。まん丸と太ったスープカップに並々と注がれたそれは、母が作ってくれるものの中でも格別だった。 ヘルニアで母が入院したときには、代わりに父が台所に立った。切って茹でるだけの鍋やカレー

          焦げた魚が虹色になるまで

          好きなモノ

          「好きなこと、ハマっているものを書いてください」という課題が出た。 課題が出てから、今日で10日。思いを巡らせて、ペンを握っては置き、やっぱり違うモノについて書こうと、また逡巡する。いまも、結局お題そっちのけで毎日noteの更新をしている。ごめんなさい。 思い当たるモノはどれも、自分の好きなものとして書くには、情熱が足りない気がして、うまく書けない気がして、踏ん切りがつかないのです。 今朝も電車の中でいろんな人のnoteを見ながら、私は何が好きなんだろうとガタゴト考えて

          好きなモノ

          自分らしさの冒険譚

          こんにちは、ごろんです。 先日、朝日新聞のウェブ媒体『かがみよかがみ』が企画するトークイベントをZoomで観覧してきました。 企画内容としては、お笑い芸人バービーさん&人類学者・磯野真穂さんをゲストに、人生に悩める若年層からのリアルな疑問に答えてもらう、というもの。その中の一節に、自己肯定感について語られる場面がありました。 ボディポジティブ(体型にかかわらず、ありのままの見た目を愛そう)という概念について、また自己肯定感を上げるという表現がよく使われるけど、果たしてそれ

          自分らしさの冒険譚