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あまくちわさび
2024年6月19日 22:19
あの後の先生は、もう見ていられなかったよ。あれが、反戦活動を邪魔に感じた主戦派の連中の仕業だったら、あるいは平和思想を広めてゆく先生の存在を脅威に感じた、黒の月の策謀だったりしたなら、まだしも先生は救われたかも知れない。明確な復讐の相手が出来るからね。でも、あいつらはそうじゃなかった。あいつらは『悪』と云うよりは『欲』、つまりヒトの本質に近い動機で弟妹達を襲った。あいつらを恨み、憎み、
2024年6月15日 00:08
ーーーー夢を、見ていた。ーーーーいや。これは夢なのだろうか? 今の『彼』は、夢を見ていられるような状況ではない筈だ。現実の『彼』は、上半身と下半身を両断され、瀕死の重傷を負っている筈だ。ーーーーいや。そもそも『瀕死の重傷』なのだろうか? 躰を2つに両断されたのだぞ? 普通に考えれば、死…………。そうだ。これは『走馬灯』だ。死に逝く者が、生と死のあわいにて観ると云う、人生の記憶を辿る旅ー
2024年6月8日 20:08
「それで、今後の方針だが」ビナークが、これから先の行動方針について言及すると。「マルホキアスが死んだと云うなら、奴の指名手配は解除しても良いわね。代わりにレモルファスやその配下たちを新たに全土に手配するわ。容疑はそうね……。ベルリオースに対するテロリズム、国家転覆の共犯容疑と云うところでどうかしら?」フルーチェが不敵に笑いながら提案する。「可能か?」ビナークが確認する。「何
2024年6月6日 23:22
「貴様!!!! マルホキアスの弟子だと!!!?」激昂し、再び椅子から立ち上がるビナーク。だが。「落ち着いてください陛下!!!! 彼は100%私たちの味方であり、<破滅の預言者>の敵対者です!!!!」アザリーが一喝する。するとビナーク、冷静さを取り戻して席に座り直すと。「取り乱してしまい申し訳ない。見苦しい処をお見せした。騎士殿も、今の私の暴言は忘れていただきたい。……だがしかし